ラリージャパンの拠点となる豊田スタジアムから生配信!4日間の激闘を前に、WRCの基本情報や見どころなど、代表や選手へのインタビューなどをもとにお届け。日本開催だからこそできた濃密な放送回。
11月9日に配信されたトヨタイムズ放送部は、12年ぶりの日本開催となったラリージャパンを特集。開幕前日ということもあり、大会拠点のサービスパークから生配信を行った。ラリーを楽しむキーワード解説やドライバー紹介、直前情報、勝田貴元選手のインタビュー、過去12戦のハイライトなど、今シーズンのWRCをおさらいできる企画が盛りだくさん。愛知・岐阜を舞台に繰り広げられた4日間の激闘は、ここから始まった!
もっといいクルマづくりの最前線、それがラリー
スタジオを飛び出して、森田京之介キャスターが立っていたのは、豊田スタジアムの前。ラリージャパンの拠点となる場所で、イベントなどが行われるほか、各ワークスがガレージを構えている。周囲にはエンジン音が響き、臨戦態勢のムードが高まっていた。
あらためて今年のラリージャパンを説明すると、WRC(FIA世界ラリー選手権)の全13戦の最終戦。「世界中のあらゆる道を市販車ベースのクルマで駆け抜ける。道がクルマを鍛え、人も鍛える。全てが詰まった現場が日本で見られる、まさにもっといいクルマづくりのど真ん中です!」と森田キャスターも興奮を隠せない。
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)ワールドラリーチームは、前戦のラリー・スペインで マニュファクチャラーズタイトルを獲得。ドライバー、コ・ドライバーとあわせて2年連続の3冠を達成している。だが、今回は単なる凱旋ラリーではない。タイトル争いから解放されたライバルたちが、純粋に速さを競い合う戦場なのだ。
ラリーの必須ワード「リエゾン」「レッキ」とは?
最初のコーナーは、ラリー観戦を楽しむための必須ワード。4つのカテゴリーに分けて解説した。基本中の基本なので、ぜひ確認していただきたい。
まず「SS」とは「スペシャルステージ」の略で、実際にタイムを測る区間。今回のラリージャパンでは、愛知・岐阜県内にある1.4〜23kmの計19個のSSを4日かけて回る。道の種類は、舗装された「ターマック」になる。
「リエゾン」とは、次のSSにまで向かう区間のことで、ラリーカーもナンバープレートを付けて、交通ルールを守って公道を走る。一般のクルマと並んで走る光景もラリーの魅力の一つだ。
「サービスパーク」は大会の拠点で、今回の豊田スタジアム。コースを下見する「レッキ」で道の情報を「ペースノート」に書き込み、本番ではコ・ドライバーがそれを読み上げてドライバーにコーナーの位置などを伝える。
ラトバラ代表が突然の生出演
森田キャスターはTGRのガレージにぐっと迫り、ヤリ-マティ・ラトバラ代表の生インタビューに成功。放送部には、前回は水素エンジンカローラのドライバーとして出演したが、今回は本職での登場。「運転に集中しているときとは気持ちが違います」と語る。
もともとラリージャパンは2020年の開催予定だったが、コロナ禍の影響で2年連続の延期となっていた。ラトバラ代表は「日本は大好きな国。今まで2回キャンセルになったので、ここでラリーができるのがうれしいです。ファンにお会いできるのが楽しみ」と話していた。
突然の大物の出演に、視聴者のコメント欄も「豪華なインタビュー」「ステキだった」と盛り上がっていた。
勝田貴元が愛する地元の味
ガレージでは実際のラリーカーを見ることができ、それぞれのドライバーとカーナンバーの由来も紹介。18号車の勝田貴元選手は、娘さんが生まれた2018年にちなんでいるそうだ。
TGRの他の3人のドライバーについては、貴元選手が取材VTRにてインタビューに回答。世界チャンピオンに8回輝いたセバスチャン・オジエ 選手、アグレッシブなドライビングを見せるエルフィン・エバンス選手、22歳の今季王者カッレ・ロバンペラ選手のプライベートなどを紹介した。
その話に基づき、番組ではドライバー4人にキャッチフレーズを付けてみた。貴元選手本人は、ラリージャパンにも別のクラスで出場した父の範彦選手はもちろん、祖父の照夫さんも元WRCドライバーというラリー一族だ。
貴元選手は、ラリー前のルーティンとしてcoco壱番屋のカツカレーを食べているというエピソードも。現在の拠点であるフィンランドにレトルトを取り寄せているそうで、同じ愛知から世界に羽ばたいた貴元選手の郷土愛を感じさせる。
ラリージャパンは「世界で一番難しいコース」
その他、ラリー通にとって注目の人物から話を聞くシーンも。技術部門を統括するデピュティテクニカルディレクター、近藤慶一さんだ。
今回のコースを「細くてツイスティ(曲がりくねった)で、落ち葉も落ちているということで、非常に難しいという印象。走ってきたエンジニアによると、世界で一番難しいコースなんじゃないかと」と語る。
貴元選手に関しては、近藤さんは「彼は日本育ちですので、路面に対して他のドライバーより経験がある。今までのラリーは逆に経験値が少ないぶん難しかったところはありますけど、そこのギャップが埋まって、イコールのコンディションで戦えるのでは」と期待していた。
4日間のラリーをアーカイブで振り返ろう
今回の放送では、FIA(国際自動車連盟)による検査に向かうラリーカーの様子など、開催前日ならではの貴重な光景も多く見られた。4日間にわたるラリーの結果や話題なども、連日サービスパークから生配信していたので、現地の熱気をぜひアーカイブで感じていただきたい。
・ラリージャパン2022 スペシャルサイト
・ラリージャパンレポート【DAYー1】
・ラリージャパンレポート【DAYー2】
・ラリージャパンレポート【DAYー3】
・ラリージャパンレポート【DAYー4】
12年ぶりに日本に戻ってきて、愛知・岐阜では初めてのWRC開催となったラリージャパン。放送の視聴者からは「ラリーが町にやってきたを体感できてます」というコメントもあり、実際のラリーカーの走りやイベントなどを通じて、その魅力を知った人も多いのではないだろうか。来年以降の開催にも期待しよう!
毎週水曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズ放送部。次回(2022年11月9日)は、女子ソフトボール部レッドテリアーズの特集。JDリーグ初代王者を決めるダイヤモンドシリーズを、チームOGでアスリートキャスターの峰幸代さんが取材した。ぜひ、お見逃しなく!