大詰めを迎えた労使の話し合い。人への投資、職場環境の改善へ、具体的な課題と解決策が議論されていく。
一律は楽
続いては、試験設備などモノのリソーセス不足について。開発が進む電動車では、試作車や充電設備、評価設備が他部署と取り合いになり、調整業務に多くの時間が取られているという声が上がった。
ただ、佐藤恒治社長は、リソーセス不足については理解を示しつつも、安易に試作車を増やすことに対しては「慎重に判断しないといけない」と釘を刺す。
佐藤社長
試作車が足りないという話をしていただきましたが、慎重に判断しないといけないと思っています。足りないから増やそうということではありません。
機能の壁を越えて全員が連携していれば、効率的な試作車の製作ができますが、現場では「調整するのは試作部の仕事でしょ」「製品企画本部の仕事でしょ」と言い、自部署は自分たちのニーズ・目的のみを主張するということが起きている。
皆さんが本当に連携をして、効率的な試作車の製作に当事者意識を持って臨まなければ、いたずらに試作車が増え、多大な工数をかける事態が起きます。
単に増やせばいいのではなく、本当に必要な量を見極めることを、ぜひマネジメントと組合の皆さんでしっかり話し合い、適正量を見極めてほしいと思います。
試作車を増やすだけでは解決につながらない。江下副委員長も「問題にすべきは機能の壁であり、機能がしっかり連携し、労使で一緒に考えて、必要な量を見極めていく」と返した。
また、一律で予算削減となっても我慢して対応し、声に出せない実情も。山本正裕 経理本部長に注目が集まる。
山本本部長
「一律」は仕事のやり方としては、ものすごく楽です。会社全体で予算を決め、各本部で一律に振り分けられた方がものすごく楽だと思います。効率的でもありますが、でもそれではいけない。
予算は期初に決めますが、1年間いろいろなことが起きます。台風があるかもしれない、ものすごく暑くて対策を打たなければならない。そういう環境の変化で必要なお金をつけていかなければいけない。
毎日、変化が起きたときに「これが必要です」「じゃあ、やりましょう」と(柔軟に)会話をしていきたいと思っています。
大事にしなきゃいけないのは、安全・品質を一番に考えたお金の使い方を毎日毎日考えていくということだと思います。
みんなでつくったお金を、みんなで大事に使っていきたいと思います。
組合も意識の変化が「足りない」とした江下副委員長。
江下副委員長
安全や品質を考えて、必要なお金を使っていくという意識は、組合員側にも、まだまだ足りない部分もあります。「一律は楽」という言葉に尽きると思います。
一つひとつの職場、経理部で、スタンスを変えていただいても、費目管理部署、我々、一人ひとりの費用を申請する人の意識、行動が変わらないと変わっていかないと思います。
ここからテーマは仕事を通じた成長を実現できる働き方へ。