大詰めを迎えた労使の話し合い。人への投資、職場環境の改善へ、具体的な課題と解決策が議論されていく。
3月6日、愛知県豊田市の本社で第3回の労使協議会(労使協)が行われた。
前回は、一律の管理目標や開発日程に縛られた働き方に対して、能率・生産性の追求を1年休止することが会社から宣言されたほか、マネジメントと現場の双方向コミュニケーションが不足している実態を労使で共有。
また、2024年3月期の営業利益見通し4.9兆円は、仕入先や販売店の支えがあってこその数字だといった解説があった。
今回の議題は、未来を見据えた投資について。多様な人材を受け入れ、安全・安心に働ける環境の整備、成長実感・成長の機会を自ら獲得しにいくような働き方について話し合った。
生産性は競争力の原点
話し合いに先立ち、東崇徳 総務・人事本部長が、これまでの議論で出た課題を振り返り、全社的に取り組んでいくことを伝えた。
また、1年休止することとなったが、「生産性は労使宣言の3本柱の1つ。『生産性の向上を通じ、企業の繁栄と労働条件の維持・改善を図る』ことは我々のベースであり、大事な評価指標」とし、改めて労使で重要性を再確認。
生産本部の伊村隆博本部長も改めて能率・生産性について次のように語った。
伊村本部長
前回の労使協で「本年は能率・生産性を休止する」と申し上げました。
ここに込めた想いですが、労使宣言の中にも「生産性の向上を通じて、雇用、処遇を改善する」という誓いがあり、大事な指標だと思っています。
競争力の原点であり、競争力を担保するもの。トヨタの「思想・技・所作」であると、改めて労使で共通認識を持つことが、非常に大事な観点だと思います。
単に数字を追い求めたり、数字だけで評価される。これは本意ではありません。一律に縛られて、現場の改善、人材育成が進まないのでは意味がありません。
1年かけて、評価の仕方や生産性の正しい理解の浸透に努めるとともに、健全な職場の正常・異常を把握するための指標として何が必要か、組合の皆さんと一緒に議論し、改善を進めていきます。
江下圭祐副委員長も組合として「たゆまぬ生産性向上のために、何が必要か全職場で考えていきたい」と受け止めた。
江下副委員長
伊村さんにお話しいただいたことは、組合としても全く同じ想いです。
未来に向けて、たゆまぬ生産性向上をやっていくために何が必要か、全職場で考えていきたいと思っています。
また東さんに示していただいたアクションですが、「良い話し合いだった」で終わらせず、確実に実行していきたいと考えています。
プロジェクト計画の見直しとマイルストーン管理*の明確化など、本部カンパニーをまたぐ課題については、本部長、プレジデントの皆さんにリードしていただいて、連携して進めていくと理解しました。
*プロジェクトなどの進捗を都度確認し、スケジュールどおりに進んでいるかの管理
これまで以上に、継続的に話し合いをしていくべく、支部懇談会、カンパニー懇談会などを通じて、今回示していただいたアクションの進捗を確認して、実行していきたいと思っています。