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豊田章男がレース運営団体の理事長に!? スーパー耐久新法人が発足

2024.04.23

スーパー耐久シリーズを運営する新法人「スーパー耐久未来機構」が発足。その理事長にはモリゾウこと豊田章男が!? 新体制で描く"未来"とは?

守ることと変えること

——STMOが運営するS耐は何を目指しているのか、具体的に教えてほしい。

「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」を掲げ、S耐の場で、さまざまなチャレンジを行ってきたモリゾウ。新しい役割を受け、S耐はどう変わっていくのか?

寄せられた質問に対し、守っていきたいS耐の文化と、今後取り組んでいきたい試みを回答した。

モリゾウ/豊田STMO新理事長

S耐の良さは「ワールドフェス」ではなく「村祭り」というところです。「村祭り」の主役は参加者だと思います。

S耐でいえば、「手づくり」「顔なじみ」「誰でも参加できる」がキーワードになると思います。

その一つの特徴が、「融通が利く」ということで、STOからSTMOになったとしても、そこはしっかりと守っていきたい。

桑山さんをはじめ、今までレースを支えてこられた方には全員残っていただきます。だから、安心しながらやっていただけるんじゃないかと思います。

もう一つは割り勘レースという文化です。耐久レースなので、12人のドライバーじゃなく、多い場合は45人、参加者が割り勘のようにお金を出し合います。

多少は融通が利いて「この日のためにクルマを準備したのに出られない…」ということは、今後もないようにしていきたいです。

その2つは守りますが、今後、変化点としては、桑山さんの想いが元々アジアにありました。

アジアの中に富士があり、その先にニュルブルクリンクがある。24時間レースという共通項があり、クルマのカテゴリーも似ているので、アジア、日本、そして、ヨーロッパという道筋をつくることができるんじゃないかと思います。

もう一つ、音が出て、排気ガスを出して走るモータースポーツに関わる方々はカーボンニュートラルからちょっと遠いところにいて、肩身の狭い思いをしていたと思います。

ですが、水素エンジンをはじめ、いろいろな開発が皆さんの前でアジャイルに進み、多くの仲間がこのレースの場で開発を進めようと集まってきています。そんなことが日本の未来につながっていくと思います。

国内レースとの連携

——今後、STMOはスーパーGTと仲良くしてくれるのか?(笑)

言わずもがな、記者会見はメディア向けのイベントだ。そんな中、会場の後方で手を挙げたのは、国内で最も集客力のあるレース、スーパーGTの統括団体GTAGTアソシエイション)の坂東正明代表。

同業者からの不意の質問に、会場は笑いに包まれた。「私がお答えします」とモリゾウが応じ、モータースポーツ業界の仲の良さを参加者にアピールした。

モリゾウ/豊田STMO新理事長

日本には「スーパー」と名の付くレースが3つあります。「スーパーGT」「スーパーフォーミュラ」「スーパー耐久」。かつては同じレースだったかもしれませんが、今は独立独歩で、それぞれの役割を果たしてきました。

ただ、日本のレース業界を盛り上げるという役割はどれも同じだと思います。

まず、話し合いたいのは(レース)スケジュールを相談しませんかということです。エントラントの立場からすると、レースが続くのは結構大変なんです。

地域的にも、カテゴリー的にも、バランスよく見にいけるようにするため、実はGTA坂東さんと、私と、スーパーフォーミュラのマッチ(近藤真彦)さんが、近いうちに晩飯を一緒に食べます。

まずは3人が仲良しだということをお示しして、協力して、モータースポーツを盛り上げる。わくわくするスポーツにしていく。そして、アスリートたちが参加しやすくする。それがミッションだと思います。

坂東さんもよろしくお願いします。

「ありがとうございます。よろしくお願いします」と坂東代表。ただ「こちらの方が先輩なので、新参者は新参者らしくね()」とくぎを刺すと、再び会場には大きな笑いが起きた。

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