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2025.02.20
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トヨタに潜むリスクとは? 未来への投資に向けて労使が議論

2025.02.20

鍛えた稼ぐ力で、未来への投資ができるようになってきた中、潜むリスクとは?5年後、10年後、50年後を見据えるからこそ疎かにできない課題を労使で見つめ直した。

誰かのために能動的に動く

佐藤社長

先ほど江下副委員長から「シェアドリーダーシップ」という言葉をいただきました。今、トヨタの経営もチーム経営とシェアドリーダーシップで「みんなで経営をしていこうよ」という体制で動いています。

先ほどお話を伺って、一つ提案したいことがあります。

この労使協議。代表者が集まって、この場で話をする。今日のこの環境の中では、話し合いは進んでいるように感じます。

でも先ほどから申し上げているように、「全員野球」だとすると、もう少し職場の単位に寄り添って、この話し合いをすべきではないかと思いました。

つまり、提案としては、第2回の労使協議は、本部単位で、本部別の労使協議を開催する形にしてはどうでしょうか。

その中で本部長を中心に、先ほどのシェアドリーダーシップの意味を全員が理解した上で、それぞれの職場環境に合った、今、解決すべき課題、あるいは、未来に向けて取るべき行動について話し合って、一つでも、二つでも、実際のアクションつなげる。決断をできるようにしてはどうかと思います。

それでも、やはり決めきれない、会社全体に影響が及ぶことがあれば、その後、また持ち寄って、全体で議論すればいいのではないかと思います。

鬼頭委員長

トヨタが抱える課題と、550万人の仲間が抱える悩みについて、労使で認識合わせをさせていただきました。さまざまな観点で、厳しい環境を再認識して、これをどう乗り越えていくのか、どう乗り越えていったらいいのか深く考えさせられました。

今日の議論に共通する課題は、上下関係を前提とした指示や、個人の想いというよりも階層意識の構図がいつの間にか当たり前になってしまって、他責の意識が会社全体に根付いていることが問題ではないかと考えております。

これは、組合、マネジメントといった立場を超えて、トヨタで働く全員が反省すべきことだと思います。こうした現状を打破しなければ、会社が根本的に変わることはできないと思います。

私たちが目指す姿は、役職による序列意識や、前後工程における上下関係の意識を捨てて、全員が自律して考え、決してやらされ感ではなく、それぞれの役割に沿って誰かのために能動的に動くことです。それこそトヨタで働く一人ひとりが働きがいを持って働くことができる状態であり、もっといいクルマづくりと生産性向上につなげられると思います。

ただこの姿を、一朝一夕でつくり上げることはできないと思います。組合員、執行部、マネジメント、会社全体、それぞれが現状から何を変えるのか。何をしていくのかといったことを常に考えて、今後の具体的な行動につなげていく。

その行動を積み上げることで、日本と自動車産業の発展に力を尽くすことができる会社、職場、人材になっていくのだと思います。

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