共に楽しみスーパー耐久シリーズ(S耐) ST-Qクラスに挑む自動車メーカー5社。第2戦、富士24時間の会見で各社の代表が語った未来にエンジンやモータースポーツを残すための挑戦を取材した。
レースを通して伝えたいこと
ST-Qクラスの見どころについて聞かれた各社はこのように回答した。
HRC 桒田室長
4時間だろうが24時間だろうが、メカニックたち、チーム全体が一体になってやりきる姿を皆さんに見ていただきたいと思います。
モータースポーツに興味のない方々にも一つのスポーツとして認めてもらって、好きになってもらいたいと思っています。
NISMO 石川常務執行役員
24時間レースって、僕からすると苦労しかないような気もするんだけど、なぜか燃え上がるんですよね(笑)
だから、レースに向かって開発して、この24時間までに間に合わせるために普段しないような工夫をするとか、メカニックにとっていい経験だと昨日も話していました。
S耐では和気あいあいとしていて普段とは違う開発ができています。こういう姿をSNSとか通じて発信していきたいと思っています。
SUBARU 藤貫CTO
クルマを悪者にしちゃいけないと思っています。クルマって自由に好きなときに移動できる乗り物です。クルマは、すごく面白い工業製品です。
我々も環境へのインパクトを少なくするために、CN燃料を使って24時間走り通すことで安全性を高めていく。
そして、そこにはファンの方がいて応援してくれている。そういう姿が伝わっていくとすごくいいなと思います。
今はクルマ好きって言うと変態のように思われちゃうんですけど、自動車産業を盛り上げて、そうじゃないことが日本から発信できるといいなと思います。
MAZDA SPIRIT RACING 前田代表
S耐で一番皆さんにお見せしたいのはチームワークです。チームのメカニックは実は広島マツダという販社の普通の社員の人たちです。
彼らが緊張感あふれる場で必死になっている。ドライバーだけではなくチームで闘っているのが分かります。
モータースポーツもやっぱりスポーツです。最近はテレビで放映されないですが、サッカー、野球、ラグビーなどの一員に入れてもらいたいと思います。
人が競い合っているので、いい汗をかいているし、緊張感もあって闘いもあって、本当にスポーツだなと思える場を伝えていきたいです。
高橋プレジデント
新しいものをつくる開発はものすごく苦しいんです。それを現場でやってくれているメンバーを僕は本当に尊敬していますし、感謝しています。
そういう姿をぜひ見ていただきたいと思います。クルマの進化だけではなく、現場がどんな顔をしてやっているのか。
僕はいつも「お客様を笑顔にするためには、まずやっている僕らが笑顔になろうぜ」と言っています。
苦しい中でも「あいつらは、楽しそうにやってるぞ」というのを見ていただきたいなと思っています。
僕はクルマ好きのために仕事をしているので、そこを僕たちの一番のアウトプットにしたいなと思っています。