新しいセンチュリーは次の100年へ 多様化する価値観に応じて進化

2023.09.14

価値観が多様化する時代にショーファーカーはどうあるべきか。新しいセンチュリー。そこには1967年の誕生から変わらぬ日本的美意識や匠の技が息づいていた。

9月6日、都内で開かれた新しいセンチュリーのワールドプレミア。それから4日後、トヨタイムズが生中継したラリー北海道のスタジオに豊田章男会長の姿があった。

多くは今回のラリーについて語っていたが、その中で世界初公開となったセンチュリーに触れた場面があった。そこで豊田会長は、次のように語っている。

「ショーファードリブンで、かつ、トヨタという枠を超えて、日本で一番のプレミアムなクルマ。若い人やセンチュリーに抵抗があった人も乗れるようになった気がします。」

1967年に誕生したセンチュリーは、現在に至るまで日本におけるショーファーカー(専属の運転手がいるオーナー向けのクルマ)の代名詞だった。豊田会長は放送内で、かつてはトヨタの役員用の駐車場は「センチュリーばかりだった」と振り返る。

しかしながら、今やエグゼクティブも使うクルマとして、アルファードやヴェルファイアも一般的だ。トヨタの役員の愛車も今年の入社式に並んだように、ショーファーカーばかりではなくなってきている。

ショーファーカーへの価値観も多様化する時代。

時代の変化に応じて、進化した姿がワールドプレミアの舞台で披露された。

コンセプトは「The Chauffeur」

新しいセンチュリー。だが、精緻な彫刻が施された「鳳凰エンブレム」や鏡のように磨き上げられたボディなど、職人の手から生み出される品格ある佇まいからは、センチュリーの伝統が引き継がれていることが見て取れる。

VIPが座る後席は、多様化する価値観に応えるべく進化。

従来のセンチュリーが誇る静粛性はそのままに、休息にも仕事に集中するにも快適な室内空間が整えられている。

さらには、大きく開くドア、電動ステップの幅や高さ、アシストグリップは、着物やドレスであっても乗り降りを優雅に見せる。

新しいセンチュリーは、そのフォルムからSUVと見られる向きがある。しかしながら、このデザインは、こうした移動時間の過ごし方や、VIPの所作を考え抜いた結果であり、コンセプトである「The Chauffeur」を体現している。

「日本人の感性の高さを象徴する唯一無二のクルマ」――。ワールドプレミアの舞台でサイモン・ハンフリーズ デザイン統括部長・Chief Branding OfficerCBO)は、このように紹介した。改めてそのスピーチ全文を振り返りたい。

【ここからサイモンCBOスピーチ】日本のみんなで生み出したショーファーカー

Good afternoon, everyone.

皆さん、こんにちは。

Today marks a special moment for a car at the very pinnacle of the Toyota portfolio - Century.

今日は、トヨタのポートフォリオの頂点に位置するクルマ、センチュリーにとって特別な一日です。

Century is a singular automobile representing the height of Japanese sensibilities.

センチュリーは、日本人の感性の高さを象徴する唯一無二のクルマ。

Born as the pride of Toyota, Century has become the pride of Japan.

トヨタの誇りとして生まれ、日本の誇りになったといっても過言ではないでしょう。

It takes a nation to build a Century.

会社の壁を越え、日本のみんなで生み出したショーファーカーなのです。

And that nation is changing.

そして、その日本は変わりつつあります。

But to understand the future, we must first understand the past.

しかし、未来を理解するためには、まず過去を理解しなければなりません。

Every great product is created by great people. Through those products, they inspire ever greater accomplishments.

偉大なプロダクトは、偉大な人々によって生み出され、そのプロダクトを通じてさらに世の中によい影響を与えようと奮闘する…。

Century was named in honour of one of those individuals.

センチュリーは、そうした人物の一人に敬意を表して名づけられました。

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