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2023.09.13
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豊田会長「シェア下がっても気にしない」 半分がトヨタ車の国で語ったわけ

2023.09.13

フィリピントヨタ35周年式典。「変に聞こえるかも...」と断り、豊田章男会長が語った。新車販売で5割を占める国で、そう口にした真意は?

フィリピンでトヨタ車の販売、生産を手がけるトヨタ・モーター・フィリピン(TMP)は822日、首都マニラで設立35周年を祝う記念式典を行った。

会場には、ルイーズ・アラネタ・マルコス大統領令夫人、越川和彦 駐フィリピン特命全権大使をはじめ、政府、仕入先、販売店などの関係者約600名が列席。トヨタからは豊田章男会長、TMPアルフレッド・ティ会長などが出席し、ステークホルダーへの感謝と未来に向けた決意を語った。

左から3番目が越川和彦 駐フィリピン特命全権大使、そこから順にルイーズ・アラネタ・マルコス大統領令夫人、豊田章男会長、TMPアルフレッド・ティ会長

トヨタは2022年、同国の新車販売で50%のシェアを獲得。台数にして17.4万台とグローバルトヨタでトップ10の市場である。

そんな国で行われた周年イベントで、豊田会長は「変に聞こえるかもしれませんが…」と断りつつ、「たとえ、トヨタのシェアが落ちたとしても、私は気にしません」と発言した。

果たして、その言葉の裏にはどんな意図があったのか? 豊田会長のスピーチをひも解きながら、20年前の決断と当時から変わることのない信念に迫る。

トヨタにおけるフィリピンの重要性

豊田会長 あいさつ

フィリピントヨタ、こんにちは。クムスタ!(タガログ語で「お元気ですか?」)この地にまた戻ることができて、とってもうれしいです。

実は昨日、到着するや否や、大好きなジョリビー(フィリピンの国民的ファストフードチェーン)に直行しました。フライドチキンとスパゲッティが同時にいただける場所なんて、ここ以外にどこかありますか?

冗談は抜きにして、この場に立ち会えて、本当に光栄に思います。参加してくれた皆さんに心から感謝申し上げます。

本日早朝には、大変光栄なことに、マルコス大統領閣下をサンタローサの工場にご案内することができました。

豊田会長、ティ会長とともに工場を見学するマルコス大統領

私たちトヨタは、大統領から受けるご支援、お知恵、ご指導に非常に感謝しております。

閣下の卓越したリーダーシップのおかげで、この素晴らしい国において、私たちが35周年を祝うことができたことに対し、改めて深甚なる感謝の意を表します。

トヨタにとってフィリピンがいかに重要な国であるかをお伝えしなければなりません。トヨタがクルマを販売している国の中では決して大きい方ではないにもかかわらず、トヨタにとってフィリピンでの販売台数は世界で10番目に多いのです。

実際、トヨタは、ここではバスケットボールやBTSと同じくらい人気があるようですね。

TMPが現在、記録的な年を迎えていることについて、ティ会長とチーム全員にお祝いを申し上げたいと思います。そして、もちろん、過去35年間に遂げられた多大な進歩に対しても。ありがとう、アルフレッド。

TMPは、現会長の父・ジョージ・ティ前会長と豊田会長の父・豊田章一郎名誉会長が1988年に創業。

当時、政治的、経済的にも不安定な状況にあったフィリピンにおいて、「自動車を通じて、社会の発展に貢献したい」という産業報国の想いを共有し、設立に至った。

当初はたった20人でのスタート。ささやかな新興企業が35年で4,000人規模の会社に成長し、現在では、3列ミニバンのイノーバ、コンパクトセダンのヴィオスを生産している。

車両生産は20238月までの累計で104.0万台、国内販売は同じく227.6万台を数える。

イノーバ
ヴィオス
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