トヨタのコラム
2022.11.24

豊田社長と山本シンヤ氏による特別授業。その全容公開!

2022.11.24

豊田社長は約40年間、毎年1030日に静岡県湖西市を訪れていることをご存じだろうか。

理由は、その日がトヨタグループ創始者の豊田佐吉の命日であり、湖西市は佐吉の生まれ故郷であるからだ。市内には、豊田佐吉の生家が記念館として保存され、今もその功績が語り継がれている。

そして今年の1030日、佐吉翁の功績を称える顕彰祭が行われ、その後、地元の中学生に向けてカーボンニュートラルに関する「特別授業」も開催された。授業には豊田社長だけでなく、静岡県在住の自動車研究家、山本シンヤ氏も登場。

カーボンニュートラルで重要なのは「正しく理解」することだが、今回は中学一年生も参加のため「楽しく理解」できるように、山本シンヤ氏からクイズ形式で紹介された。

クイズ後の「豊田社長への質問」も必見。大人は聞きづらい「社長が乗っているクルマは?」という質問に、豊田社長は「私はどちらかと言うと・・」と答えを語った。

いざ全問正解へ!「カーボンニュートラル」クイズのスタート

まずは山本シンヤ先生によるクイズ。読者のみなさんも、気軽に挑んでいただきたい。

第一問。

この問いには多少の忖度もあってかAと答える中学生が多数。「答えはあるのか?」と思いきや、山本シンヤ先生はACすべてが正解と発表。「嫌い」という選択肢がないので全員正解とのことだった。

そして第二問。

正解はAとのこと。どうしてこの質問をしたのか。山本シンヤ先生から真意が語られる。

山本シンヤ

実は将来、これまでのクルマを売れなくなる状況が起こりそうになっています。クルマは燃料を燃やして走りますが、燃料を燃やすとCO2(二酸化炭素)が発生し、このCO2が地球に悪さをします。

今の地球はCO2の排出量が多すぎて、人で例えるならば「カロリーオーバーの食事で肥満まっしぐら」という状況なんです。

CO2が増えすぎて地球の周りを覆ってしまうと、太陽の熱が逃げる隙間をふさいでしまう。これが「地球温暖化」。例えるならば「地球がサウナに入っている」状態で、温暖化が進むといろんな問題が起こります。

この後、異常気象や、会場近くの浜名湖で水温上昇の影響からか、猛毒をもつ南国のタコが発見されるなど、環境の変化が紹介された。

そのために大事なキーワードが「カーボンニュートラル」。ここで第三問へ。

中学生たちの理解度はどうか、様子を見ようと、二階席でこっそり参加していた豊田社長も興味津々でのぞき込む。

山本シンヤ先生から「カーボンニュートラルの意味は、CO2の排出量と吸収量をプラスマイナスゼロにすること。人に例えるならば、食べた分のカロリーをしっかり消費すること」と紹介され、中学生たちも納得の表情。

ちなみにカーボンニュートラルの意味を知っていなくても「授業を聞いて理解できたら正解」と補足された。

そしてクイズは中盤の第四問へ。

急に難題に。教職員の皆さんも「どれだ?」と声を上げるなか、答えは「Aと思いきや、全部」と紹介された。会場がざわつくなか、あるグラフが投影される。

日本では多くのクルマが走っているものの、20年前と比べ、世界でも極めて高いレベルでCO2を排出削減している事実が紹介された。このデータには教職員の皆さんも「そうなの!?」と声を上げて反応。

ただし、カーボンニュートラルの実現にはこれだけでは足りないことも説明され、次の問題へ。

2007年以降に生まれた中学生たち。当然記憶はなく、おそるおそるABを挙げてるなか、「正解はA」と紹介された。

初代プリウスのデビュー以降、日本だけで累計456万台のハイブリッドカーが販売され、その結果、12700万トンのCO2が排出抑制されたのだ。この流れで次の問題へ。

正解はA。湖西市でいうと170年分以上と聞いて驚く中学生たち。そして、CO2排出をさらに抑えるにはどうすればいいか、各国のエネルギー事情が紹介される。

山本シンヤ

走っているときにCO2を出さない電気自動車は、よい選択肢です。ただ日本の電気は約7割が燃料を燃やしてつくる火力発電。なので、電気自動車の燃料となる電気をつくるときに大量のCO2を出してしまいます。

でも、ヨーロッパでは火力発電が少なく、電気自動車が最適な選択肢と言われています。報道番組をしていた富川さん、ご存じですか?

急遽、司会を務めていた富川悠太に話題が振られた。各国のエネルギー事情を的確に分かりやすく説明し、中学生の前で“本気”を出した富川に会場の空気も和んだ。

また湖西市には、トヨタの子会社であり、自動車用電池を生産するプライムアースEVエナジー社の拠点がある。地元の産業にも大きく関わるため、電動車への関心が高い保護者たちも興味津々で耳を傾けていた。

そしてここで、1本の短い映像が流され、終盤の第七問へ。

トヨタイムズ読者の皆さんはきっと間違うことがないだろうが、答えはB

水素エンジンが紹介された後、燃料電池車MIRAIのことも説明された。山本シンヤ先生は「自分で発電しながら走ることができる電気自動車。ある意味、電気自動車よりも先をいくクルマ」と話し、教職員たちからは「確かに」という声も。

そんな「究極のエコエネルギー」ともいわれる水素。では、なぜもっと使われないのか。

これに関し山本先生は「一番の課題はどう使っていいか、まだよく分かっていないこと」と指摘する。

山本シンヤ

新しいエネルギーというのは、「使う人」が増えればOKではなく、「つくる人」「運ぶ人」すべてが連携を取らないと普及することは難しいわけです。ガソリンも、砂漠を含めた世界中にガソリンスタンドがあるからこそ普及しています。

また、世界中にいろんな自動車メーカーがあるんですが、この小さな島国(日本)に乗用車だとトヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル、三菱、スズキ、ダイハツ、光岡の9社。

二輪車はヤマハ、スズキ、ホンダ、カワサキの4社。さらに商用車はいすゞ、日野、日産ディーゼル、三菱ふそうと4社もあるんですよ。

これらの自動車メーカーは「自分たちが儲かればいい」というビジネスではなく、連携して未来をつくろうと動いていて、各社トップが集まる「自動車工業会」という組織で日本の未来について議論をしています。なので「日本の自動車産業はすごい」ということも覚えて帰ってください。

以上でクイズは終了。皆さんは全問正解できたでしょうか?

「社長が乗っているクルマは?」その答えは

ここからは中学生からの質問コーナーへ。豊田社長が再び登壇し、山本シンヤ氏と質問に答えていく。

中には「社長が乗っているクルマは何ですか?」という大人は聞きづらいストレートな質問も。ラストには豊田社長から未来をつくっていく中学生にメッセージも届けられた。是非、映像でお楽しみいただきたい。

そして大きな拍手とともにイベントは終了した。

今回のカーボンニュートラルに関するクイズの全容は、動画でも公開。もし皆さんが会社や学校で「カーボンニュートラル」について紹介する機会があればお使いいただければと思います。

RECOMMEND