「皆さん一緒に未来をつくっていきましょう!」。世界中のクルマ好きの仲間に向けてモリゾウは力強く語った。
モリゾウの願い
話を戻します。
昨年やってきたことの3つ目は、未来のために仲間を守ることでした。
カーボンニュートラルへはバッテリーEVだけじゃないと、3年前から水素エンジンにも取り組んできました。
昨年は、液体水素に挑戦したり、ル・マンで走らせたり。なぜ、ここに力を尽くしてきたか?
それは、仲間と一緒じゃないと未来をつくっていけないからです。
550万人の中にはエンジンの部品をつくっている仲間たちもたくさんいます。
日本を支え、これからの日本を強くしていく技を持った人たちです。
この人たちを失ってはいけません。
ですが、エンジンに携わる人たちは、最近、銀行からお金を貸してもらえないこともあるそうです。
そんなこと、絶対にあってはならない、なんとかしていきたいと思いました。
そこで、モリゾウは、トヨタに、あるお願いをしました。
カーボンニュートラルに向けた現実的な手段として、エンジンにはまだまだ役割がある!
だから、エンジン技術にもっと磨きをかけよう! そういうプロジェクトを立ち上げよう!
佐藤社⾧以下、経営メンバーたちも、その提案に共感してくれて、新たにエンジン開発を進めていくプロジェクトが、トヨタの中で動き出しました。
この時代にエンジン? 逆行しているように聞こえるかもしれませんが、決して、そんなことはありません。
未来に向けて必要なんです。
エンジンをつくってきた皆さん、エンジンをつくり続けましょう!
これからもみんなの力が必要なんです! 今までやってきたあなたたちの仕事を絶対に無駄にはしない!
仲間たちに、この声がしっかり届いてほしいと思います。
ただトヨタは大企業…、まだまだ時間はかかってしまうかもしれません。
ご期待いただければと思います。
クルマ好きの皆さん! 一緒に未来をつくりましょう!
私みたいに、エンジンが大好き! あの音と匂いがたまらない!という人もいます…。
バッテリーEVがいいなという人もいます…。
今はハイブリッドだという人もいます…。
プラグインもあります…、水素もあります…。
動力はなんでもいいんです!
真実はいつも一つ。敵は炭素ということだけです!
その上で、とにかくクルマが好きという皆さんに、私は伝えたい!
未来はみんなでつくるもの!
私はクルマ好きの皆さんと一緒に未来をつくっていきたい!
皆さん一緒に未来をつくっていきましょう!
ありがとうございました。
「一緒に未来をつくりましょう!」
この締めくくりの言葉は、昨年の東京オートサロンと同じ。
だが今年は、始まり方が違った。
「おはようございます。豊田でございます。」で始まった昨年に対し、今回はご覧いただいた通り「おはようございます。モリゾウです。」と切り出した。
メーカーとお客様ではなく、同じ一人のクルマ好きとしてー。
カーボンニュートラルが声高に叫ばれる中、窮屈な想いをしている仲間がいる。
「トヨタにはエンジンをつくり続けてほしい」。そんな仲間の想いを代弁するかのようなメッセージとなっていた。