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難局打開へ示した決意、重点課題とは? 自工会・新体制始動

2024.01.09

豊田章男会長から片山正則副会長へ自工会会長が交代。能登半島地震からの復興、物流の2024年問題など難局に一丸で取り組む決意が表れた新年のメッセージを紹介する。

自動車5団体 * による賀詞交歓会が202415日、都内で行われた。

*日本自動車工業会(自工会)、日本自動車部品工業会(部工会)、日本自動車車体工業会(車工会)、日本自動車機械器具工業会(自機工)、日本自動車販売協会連合会(自販連)

自工会は昨年11月、豊田章男会長(トヨタ自動車 会長)から片山正則副会長(いすゞ自動車 会長)への交代を発表。11日に新体制が始動し、最初のイベントとなった5日、片山新会長があいさつ。さらに、片山新会長からマイクを渡された豊田前会長も登壇した。

冒頭、両氏は能登半島地震で亡くなられた方々へ哀悼の意を表明。豊田前会長は、あいさつの中で550万人の仲間とともに、被災地復興へ取り組んでいくことを語った。

昨年の会長交代発表の場では、2024年問題をはじめとする「物流・商用領域」での課題解決を大きなテーマに掲げた自工会。片山新会長は改めて、自動車産業の枠を越え、オールジャパンで取り組みを進めていく決意を表明した。

トヨタイムズでは、新旧会長が語ったあいさつ全文を紹介する。

「2024年問題」は喫緊の課題

片山新会長あいさつ

皆さま、新年明けましておめでとうございます。日本自動車工業会 会長の片山でございます。

まずは、令和6年能登半島地震により犠牲となられた方々に心よりお悔み申し上げるとともに、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

被災地域のみなさまの安全確保、そして一日も早い復旧・復興を衷心よりお祈り申し上げます。

本日はご多忙の中、吉田(宣弘) 経済産業大臣政務官、国土交通省 鶴田(浩久)物流・自動車局長をはじめ、このように多くの方々にご臨席を賜りまして、誠にありがとうございます。

自動車5団体を代表いたしまして、新年のごあいさつを申し上げます。

昨年を振り返りますと、コロナ禍から、ようやく通常の社会生活や経済活動を取り戻すことを実感できた一年だったと思います。

また、海外からの観光客やビジネスパーソンの方をお見かけする機会も増えるなど、日本全体に活気が戻り始めた年であったかと思います。

新たな一年の始まりを、皆さま方とともにできることに感謝申し上げるとともに、2024年が自動車産業にとって、より一層飛躍の年となるよう、業界一丸となって取り組んでまいりたいと存じます。

私は、本年11日より、日本自動車工業会の会長職に就任いたしました。

100年に1度の大変革の真っ只中で会長職を担うことについて、改めて、その重責に身の引き締まる思いでございます。

名実ともに本日から自工会新体制がスタートするわけですが、豊田前会長に築き上げていただいた課題解決に対し、チームで取り組む形を進化させ、副会長や理事の皆さまと一致協力しながら、全力でこの難局を乗り越えていく決意であります。

さて、私たちが直面している課題は多岐にわたりますが、今後も自動車及びモビリティ産業が基幹産業として日本経済に貢献するために向こう2年程度をスコープに取るべき具体的なアクションを洗い出し、7つの課題として取りまとめたことは、ご案内の通りでございます。

この中で物流の停滞が懸念される2024年問題への対応は、喫緊の社会課題です。

自動車産業の枠を越えて、他産業との連携を図り、自動運転技術の積極的採用や運行システムのさらなる効率化など、各種取り組みを推進いたします。

また、カーボンニュートラル実現については「敵は炭素であり内燃機関ではない」として、マルチパスウエイの必要性を世界に訴えてまいりました。

電動車の普及促進に必要なインフラ整備やこれらを後押しする政策が求められますが、これをモビリティ産業への大きな変革期のチャンスと捉え、研究開発投資を増加させ、新たな市場へのアクセスを開拓することで、競争力の向上に向けて取り組んでまいります。

さらには、国産電池・半導体の国際競争力確保、競争力あるクリーンエネルギー、業界を跨いだデータ連携といった課題についても、全力で解決に向けて邁進いたします。

また、昨年秋にはジャパンモビリティショーを開催いたしました。

クルマがモビリティに進化することで新たな価値を創造するモビリティ社会の実現にむけ、500社の企業・団体の皆さまとつくり上げることができました。

結果として111万人のお客様にご来場いただき、モビリティ産業への期待、その可能性を掴むことができました。

関わっていただいたすべての皆さまに、改めて御礼申し上げます。

そして本日は、私からの、たってのお願いとして、このジャパンモビリティショーを引っ張っていただいた豊田前会長にお越しいただいております。

長年、自工会にご尽力いただき、なかでも近年は強力なリーダーシップで自工会改革を断行していただいた豊田前会長に深く感謝申し上げます。

一度マイクをお渡しし、ぜひお話をいただきたいと思います。

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