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欧州の子どもたちが「日本車はカッコイイ」と言っている?実はフランスで...

2025.02.14

トヨタ車というと、日本車のイメージが強いだろう。だがデザインについて取材するとあまり知られていない事実が見えてきた!

ほとんど仕事だと感じない

オープンな空間に個性豊かなメンバーが集うED²。

高校生の頃、教科書のどのページもクルマのスケッチで埋め尽くしていたというイタリア出身のAlessandro Belosio(アレッサンドロ べロシオ)はこう語る。

Alessandro Belosio(アレッサンドロ・べロシオ)

ED²は非常にダイナミックで活気に満ちた環境です。中でもデジタル・デザイン・ルームは自分の活発な面を発揮できる場所です! ここで同僚と話すときには、より騒がしく、自分らしくいられるんです。

ポジティブで楽しい環境でのデザイン作業は、ほとんど仕事とは感じない。それなのにお給料もいただける(笑)。本当に夢のような仕事です。

また、全員がクリエイティビティを発揮するために「共同競争」という考えを取り入れていると教えてくれた。

Laurent Bouzige(ローラン・ブジッジュ)

コラボレーションと競争、相反する概念を掛け合わせた「共同競争」 の考え方を取り入れています。

すべてのプロジェクトは共有され、全員が他人事ではなく「自分のプロジェクトだ」と考える。その結果、あらゆる視点から専門知識が提供される仕組みです。これはデザイナー同士が、最高の成果を出すためにお互いを高めあうことを奨励する働き方です。

このような環境が創造性を育み、革新的な方法で複雑な課題に取り組むことを可能にしているのです。

これに続いたのはCMF*デザイナーのJulie Schwieder(ジュリ・シュウィダー)だ。
*CMF:COLOR(色)MATERIAL(素材)FINISH(加工方法)

Julie Schwieder(ジュリ・シュウィダー)

日々の仕事でも、多様性を感じることができます。

一人ひとりがユニークな視点とアイデアを持ち寄ることで、私たちのデザインに創造性と革新性が生まれる。

まさに、共通の目標に向かって共に働くグローバルチームなのです。

多様性について語る彼女は、実はディスレクシア(読み書きと綴りに主に影響する学習障害)で学生時代に勉強で苦労したことも。しかし、それはデザイナーの仕事では強みとなるという。

「言葉よりもイメージのほうが理解しやすい特性から、アートやデザイン、クリエイティブなど、デザイナーとしてはむしろ強みになるんです」と笑顔で教えてくれた。

多様性を認め合うから柔軟なアイデアが生まれる。海を渡らずとも、デザインスタジオの雰囲気を感じることができた。

夢のような夢見る仕事

終始明るいオーラが感じられるメンバーにとって、トヨタのデザイナーという仕事はどのようなものなのか。

「カーデザインは本当に夢のような仕事です!将来、誰かが使うものを自分たちの手でつくることができるのですから」と、アレッサンドロは目を輝かせながら語ってくれた。

またインテリアデザイナーである彼に「エクステリア*デザインとインテリアデザインはどちらが楽しいか」聞いてみた。すると、「間違いなくインテリアのほうが楽しいですよ!エクステリアデザイナーの同僚への挑発も込めてね(笑)」とうなずき、インテリアデザインのおもしろさと、「楽しいクルマ」にするために重要な3つのポイントについて語った。
エクステリア*:外形・外観

Alessandro Belosio(アレッサンドロ・べロシオ)

単純にまったく違うんです。 エクステリアデザインはより彫刻的で、視覚的に印象的でなければなりません。

一方インテリアデザインは、人間が心地よく過ごせることが非常に重要です。

そのためには、①必要なものがすべて直感的に配置されていること。②操作システムとの心地いい関係性。③運転する喜び、他人と過ごす喜び。

この3点が、楽しいクルマのインテリア体験の基本要素です。

「降りてから振り返って見てしまうクルマ」が良いクルマと言う人も多いです。でも、外から眺めるのはわずかな時間で、ほとんどの時間は車内で過ごしているじゃないですか。僕はそこにおもしろさを感じています。

一方、CMFデザイナーのジュリにも話を聞くと

Julie Schwieder(ジュリ・シュウィダー)

道を歩いていて自分がつくったものを見かけるのは、信じられないほど感動的です。

デザイナーは夢を見ることを許される職業であり、子どもの頃のビジョンを現実にすることができるのです。

夢を見続けることを仕事にできるなんて素晴らしいこと。

私はこの仕事が大好きです。

彼女は「香りや音」もデザインだと語る。

Julie Schwieder(ジュリ・シュウィダー)

色だけでなく、香りや音も含めた感覚全体をデザインするため、実はCMFデザイナーをCMFとエクスペリエンス・デザインを組み合わせた「CMFXデザイナー」と再定義したいと思っています。

トヨタには日本だけでなく、海外にも多くの仲間がいる。そして、それぞれの文化や価値観を最大限に活かし、同じ方向を見据えた「もっといいクルマづくり」が進んでいた。

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