
トヨタ車というと、日本車のイメージが強いだろう。だがデザインについて取材するとあまり知られていない事実が見えてきた!

さっそくだが、40秒ほどのクイズ動画を見ていただきたい。
一般的にトヨタ車は「日本のオフィスで日本人がデザインしている」と思われているかもしれない。もちろんその側面も大きいが、実は世界各国にデザインスタジオがあり、グループ会社の協力も含めてグローバルな視点でデザイン開発が行われている。

トヨタのクルマは世界中で乗られており、各国の気候や交通事情、ライフスタイルはさまざま。幅広い特性やニーズを理解したクルマづくりのため、多様な地域に拠点を構え、デザインを進めているのだ。
かつては各拠点からたくさんのデザイン企画が提案され、採用案を絞り込んでいた。しかし近年は早期にコンセプトや方針を決め、軸を固めたうえでアイデアを深めることに時間を割いている。
今回は南フランスのニース!地中海特有の青く澄んだ空と海が広がり、ビーチリゾートらしい景色が広がる。そんなバカンスの定番地に構えるトヨタのデザインスタジオは、Toyota Europe Design Development。頭文字を取ってED²(イーディースクエア)と呼ばれている。

8カ国から集った40人ほどのメンバーがさまざまなバックグラウンドを活かしデザインを検討。職位にとらわれないフラットな関係性や、新たな技術やプロセスに取り組み、すぐ実行できるサイズ感。失敗を恐れずチャレンジを推奨する環境がED²の強みだ。

さっそく現地に取材!…と言いたかったが今回はリモート取材に。
(行きたかった…)
現地に行かずとも収穫できた驚きと発見をお伝えしていこう。
日本車に憧れている?
現地のデザイナーによると欧州の子どもたちが「日本車はカッコイイ」と言っているというのだ。日本では“外車”に憧れる人も多かったりするが、その逆のことが起こっているという。
本当に?取材だから忖度してない?と思う人もいるかもしれない。我々の「日本では国産車より外車がかっこいいという人も一定数いる」という言葉に、フランス出身のデザイナーはこう答えたのだ。
Laurent Bouzige(ローラン・ブジッジュ)

日本では外車のほうがかっこいいという声もあるんですか?ヨーロッパの子どもたちは、よく日本車をカッコイイと言っているのを見るので日本人の反応は面白いですね!
欧州車は性能とスタイルに定評がありますが、日本車は特に信頼性、効率性、革新性という点で独自の魅力があり、それぞれの文化がカーデザインに反映されているのだと思います。
ちなみにローランは、過去にはe-Paletteのプロジェクトを監修。最近は2023年のジャパンモビリティショーで発表したToyota IMV 0コンセプトの先行開発チームを率いたリーダーだ。
Laurent Bouzige(ローラン・ブジッジュ)
発展途上国で、モビリティをより利用しやすく、手頃な価格で、適応性のあるものにするビジネスモデルも考慮して開発しました。
各地域のニーズを満たしながら、魅力的で手頃な価格のクルマをつくることは、非常にやりがいのある挑戦でした。