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未来は八王子にあった!?助けたくなるロボットやチンアナゴをつくる意味とは

2023.04.07

トヨタ内でも知る人が少ない八王子のデザイン拠点。山道を登った先に現れた建物には、次世代型の驚きのプロダクトが・・

未来のモビリティは、八王子でつくられている?

そんな情報から始まった今回の取材。訪れたのは東京・八王子の小高い丘の上。かつては大学のキャンパスがあった場所が、今では未来のモビリティをデザインする拠点になっている。

ここでは一体何が行われているのか。あまり公開されていない先進プロダクトも多数登場するので、ぜひ楽しみながらお読みいただきたい。

見慣れないものが次々と

エントランスを入ると、さっそく見慣れないモビリティが展示されていた。

街のインフラのように機能するモビリティ「e-Bench」
人の生活に寄り添うミニマムサイズのロボティクスモビリティ「e-Pal」

上記写真以外にも既報の仮眠シート「TOTONE」や、階段を上り下りできる電動車いす「JUU」などが展示されている。まずはこのデザイン拠点がトヨタにとってどのような意味を持つのか紹介したい。

かつて「東京デザイン研究所」では、モーターショーに出品するコンセプトカーなどの先行開発を担ってきた。その後モビリティ・カンパニーへの変革を目指し、領域をクルマに限らない「先進デザイン開発室」へと進化。八王子のこの場所こそがその拠点なのである。

カーカンパニーからモビリティ・カンパニーへ。プロダクトの開発思想も、従来の「人とクルマ」から「人と生活すべて」へと大きく変わることとなる。

モビリティが意志を伝えようとする?

エントランスには、2019年の東京モーターショーで話題になった小型配達ロボットMicro-Paletteの姿もあった。

クルマからモビリティへ進化させるためには、人とモビリティの関係性を新たに模索し、「人が本質的に何を求めているか」を考えなければならない。Micro-Paletteもその観点で開発された。

「モノ」だけでなく「こころ」も運ぶ。そんな体温のある物流を提案しているのだが、先進デザイン開発室の西村隆主任はこう語る。

西村主任

「人」が「テクノロジー」と信頼を育むには、ふだん人間同士が無意識に交わすコミュニケーションや可愛い、と直感的に感じる仕草を調べる必要がありました。

このMicro-Paletteは目も口もデザインされていません。でも、近づくとほんの少し上を向くんです。意志を持っているように感じるのは、実はこういった仕草にあるんです。

その仕草はあたかもMicro-Paletteが対面する人とコミュニケーションしているように見える。

西村主任

(モビリティ・カンパニーへの変化で)考えるべき対象がクルマから生活全般に広がったことで、最初は何をデザインしていいのかイメージしにくかったんです。だから、まずは人の感性にどう寄り添っていけるかを考えました。

そこで実験として、優しく触れると静かにしているけれど、急に近づくとさっと引っ込んでしまう海水魚・チンアナゴのような装置がつくられることに。

トヨタがチンアナゴ?次のページで詳細が明らかに。

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