2025.02.10

豊田市でも走り始めたFC大型トラック。社員食堂では水素を使った調理器具が登場。ドライバーに優しく、従業員に美味しい水素の活用が広がっている。

トヨタイムズニュースは2週続けて水素特集。前回は「水素×音楽」の可能性を紹介した。今回はクルマ屋らしくクルマの話題から。
2024年にタイ、福島、東京に続いて愛知県豊田市でも実証走行を始めたFCEV(燃料電池車)の大型トラック。
アサヒグループジャパンの要望を受け、日野とトヨタが共同開発し、現在日本では5台が実証走行を続けている。
特徴の一つは2つの水素充填口。2つ同時に給水素できるステーションはまだ一部だが、理論上2倍の早さで水素を充填できる。商用車にとってダウンタイム(停車している時間)の短縮は、大事な要素だ。
水素タンクによる荷室の圧迫や水素の価格など課題は残す。それでも静かで振動も少ないFC大型トラックは、環境だけでなく長距離を走る運転者にも優しい。
そんなFC大型トラックのタンクも製造しているのが、下山工場(愛知県みよし市)。
ここでは、タンクの製造時に余った樹脂を固めて大理石風の花瓶などに再利用。充填する際に捨てられていた水素も、工場内の発電や調理器具の燃料に使われている。
捨てられるはずの廃材に、新しく価値を加えて再利用するアップサイクルや、水素グリルでつくった料理については、過去のトヨタイムズも合わせてご覧いただきたい。
カーボンニュートラル実現に向け、さまざまな方法で水素が活用されている。その現場に迫った。