トヨタイムズスポーツ
2022.08.22

屋外練習、横の連携、カイゼン、滑らないトーク。夏のスケート部が面白い!

2022.08.22

スケートリンク内と屋外では温度差の激しい夏のスケート部。しかし、選手たちやトヨタ社員(技術部)の動き&気持ちは年間を通じて熱かった! その真相を探る。

8月10日に配信されたトヨタイムズ放送部は、スケート部を特集。季節外れと思いきや、猛暑の中でも選手たちは氷上や陸上でトレーニングに励んでいた! ゲストの寺尾悟監督が練習の意図や新たなチャレンジについて熱く語り、他の運動部や技術部門との横の連携、選手の自主的なカイゼン活動など、盛りだくさんの内容。生放送中には選手たちがチャット欄に登場し、こちらも熱気を帯びていた。

寺尾悟監督が冬季スポーツへの情熱をクイズに!?

北京2022冬季大会以来のゲスト出演となる寺尾悟監督は、言わずと知れたオリンピック4大会連続出場の実績の持ち主。白いTシャツ、こんがり日焼けした肌という、冬のアスリートらしからぬ風貌が気になるところだ。

「実はハワイに行って、プールサイドでくつろいで」というボケが空回りで“ひと滑り”してしまった寺尾監督。視聴していた豊田社長からもチャットでツッコまれてしまったが、この後は滑り知らず(?)の熱いトークを展開していたのでご心配なく。

番組の冒頭、寺尾監督は冬のスポーツをもっと知ってもらおうと、予告なしで森田京之介キャスターにクイズを出題した。「頭から○○○○○、足から○○○○○、に入るソリ競技名は?」「村岡桃佳選手のチェアスキーの中で、トヨタ内製のものはどれ?」などの問題に、気になる人や自信がある人はぜひアーカイブを見て挑戦していただきたい。

陸上でトレーニングを重ねる意味とは

特集は、スケート部の練習を取材したVTRからスタート。森田キャスターが中京大学のスケートリンクを訪れた8月4日は、外の気温は28.1度、リンクの中は12.7度という温度差。ダウンを着たり脱いだりしていた森田キャスターも、温度調整が難しそうだ。

「夏に外に出たら本当にきついです」と主将の横山大希選手が話すと、三澤夏陽選手は「キャプテンが親父ギャグを挟んでくるので、寒くなっちゃう」とリンク内の温度の低さを表現。吉永一貴選手が「いつもより寒いなと思ったんですけど」、横山選手は「今日はまだ(ギャグを)言ってないよ」と軽快な掛け合いを見せ、チームワークの良さを感じさせる。

氷上での練習を終えて、屋外へと移動。前傾姿勢での歩行、チューブを使ったトレーニングなどを重ね、選手たちの汗の量も目立つ。吉永選手は「陸上での基礎的な一連の動作から、氷上での動作を改善していく作業がすごく大切」と語っていた。

スタジオでは、寺尾監督が陸上での練習の意義を解説。土台となる筋力のアップと、難しい動きを陸上でまず体にしみこませるという2つの側面を挙げた。自身が若い頃に練習で使っていたローラースケートの写真を披露し、「寺尾悟か光GENJIか」とのこと。

森田キャスターが気になったのは、陸上でのトレーニングの際に靴を擦る「ズー」という音。1、2カ月で靴がダメになるそうで、寺尾監督は「この音に着目されたのは初めて」と驚いていた。

他競技の経験を刺激に、アンテロープスとも連携

4年後のオリンピックに向けて、スケート部は新たな挑戦をスタートした。その一つが、女子バスケットボール部・アンテロープスとの横の連携だ。

合同練習を撮影した動画では、バスケットボールならではの俊敏性を鍛えるトレーニングに取り組む選手たちの姿が。寺尾監督は「(いつもは)あんな笑顔になることはない。これは新しい刺激や、普段と違うメンバーとトレーニングしている効果が出ている」と分析していた。

さらに今年6月には、東京2020大会の自転車競技の会場となった伊豆ベロドロームでもトレーニングを行った。VTRでは、45度の傾斜を競技用自転車で駆け抜ける渡邉碧選手の姿が紹介された。

寺尾監督は、スケートと自転車競技が似ている点として踏み込みの動作、異なる点として1回で全力を出し切るかどうかを挙げた。かなりマニアックで興味深い解説となっており、要注目だ。

放送部をきっかけに技術部門の協力が実現

トヨタの社内では、技術部門との連携も始まっている。そのきっかけは、昨年11月24日の放送部でのスケート特集だった。スケート靴のブレード(刃)を研ぐことの重要性を寺田監督が熱弁していたのを見て、研磨・研削のスペシャリストであるパワートレーン製造基盤技術部のメンバーが協力したいと立ち上がった。

インタビューに答えた同部第1工具整備課(田原工場)の高濱新市工長は「『勝つ刃』を作るというイメージで来たんですけど、『まず(ブレードを調整する)コーチの負荷を下げてほしい』が一番大きい声でした。コーチが経験値を選手に伝える時間を増やしたら、それだけでもレベルアップにつながると感じました」と話す。

当面の課題は作業負荷の軽減だが、ミーティングを重ねながら複数のプロジェクトが同時進行中。「ゼロからのスタートということで、ゴールが無限。この先が楽しみで仕方ないです」と寺尾監督は話していた。

選手自身が効率的な練習に向けカイゼン活動

スケート部の選手自身も、練習時間を効率的に費やすためのカイゼンに取り組んでいることが、今回の放送部の取材で明らかになった。ケガ防止のためにリンクの内側に並べるクッションが、林伊吹選手や横山世奈選手の創意工夫によって、楽に片付けられるようになったのだ。

マジックテープを使ってクッションをまとめるアイデアについて、林選手は「片付けの時間も氷上時間に含まれているので。もっと自分たちの滑りの改善に時間を費やせるように、時短に取り組みました」と説明。今後もテープの強度や太さなど、次に向けたカイゼンも楽しみだ。

選手によるチャットのQ&Aコーナーも

目標となる10月の全日本距離別選手権に向けて、スケート部の選手たちは気持ちを高めている。放送時はちょうど長野県の野辺山高原で合宿をしている最中で、吉永選手や渡邉選手らが生放送中に次々とチャット欄にコメントを寄せていた。

視聴者からの素朴な質問にも、選手自らが丁寧なコメントで回答。平井亜実選手は「興味持っていただき嬉しいです」と喜んでいた。

熱い選手たちに負けじと、スタジオでも全力投球だったのが寺尾監督。スタジオは少しでも涼しさを演出しようと、かき氷や風鈴、冷やし中華ならぬ「夏のスケート部はじめました」の手作り看板の装飾が施されていたが、寺尾監督のトークによる熱気が圧倒していた。この冬は、熱いスケートリンクに早くも期待が高まる!

毎週水曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズ放送部。お盆は1週お休みして、次回(2022年8月24日)は、女子ソフトボール部・レッドテリアーズを特集する。9月から始まる後半戦の初戦の相手チーム、東海理化にも取材を敢行! ぜひ、お見逃しなく!

RECOMMEND