最近のトヨタ
2026.02.06
シェア: Facebook X

URLをコピーしました

経営チームのフォーメーションチェンジ 佐藤社長が副会長、新社長に近執行役員

2026.02.06

経営チームがフォーメーションチェンジへ。4月1日付で佐藤恒治 社長は副会長およびChief Industry Officerに、近健太 執行役員が新社長に就任することを発表した。

【ここから記者との質疑応答】
近 次期社長に引き継ぎたいことは?

――損益分岐台数の課題感は?どう解消していくのか?

近 次期社長
課題感としては、今日決算発表をさせていただきましたが、やはり損益分岐台数がここ1~2年少し上がっている。もちろんいろいろな外的要因もありますし、いろいろな物価の問題もありますが、どんなに環境が厳しくても、しっかり踏ん張れる体質に本当になっているかということには課題意識があります。

いろいろな要因があると思うんですが、佐藤さんも言ったように機能軸。全体感がなく、機能にとって良いみたいなことを、少し積み重ね過ぎた部分はあるのかなと思っています。

そういったところではしっかり横串を通していく。今はみんなそのことに気づいてくれている。中間(決算)の時もありましたが、今回意志ある踊り場ということを、明確に佐藤さんからも示してもらっていますので皆気づいたところです。これからしっかり全社でやってまいりたいと思います。

――社長在任3年間でできたこと、やり切れずに近 次期社長に引き継いでほしいことは?

佐藤社長

個人でやるべきことって、多分ないと思っています。

先ほど申し上げたように、主語は「私」ではなくて「We」だと思いますが、モビリティカンパニーを目指していく中で、具体が全く見えないスタートでした。そこを目指そうとは言ったけど、何をやるのかがなかなか定まらない中スタートを切った経営チームだったと思います。

この3年で行動することを心がけてきたので、私がというよりは、みんなで行動し続けた結果、具体が少しずつ見えてきている。その具体が見えてくると、必ず課題がわかって、その課題を解決して消していけば、さらに先が見えてくる。こういうサイクルに入っていくので、モビリティカンパニーに向けての初動トルクはかけられているんじゃないかなと思います。

近さんに何をお願いしたいことは、「もっといいクルマをつくろうよ」。この言葉を本当に本気で真剣に全社で考えながら追求していってほしいなと思っています。

我々はクルマ屋なので、いかにお客様に選んでいただける魅力が商品にあるか。これがビジネスのど真ん中にいるわけです。今、少なからずトヨタのクルマをお客様に選んでいただいて、ご愛顧いただけているのは、過去の努力なんです。この1年2年の話じゃないんです。

自動車のリードタイムとは、例えば今、世の中に出ていっている車は、僕が開発をやっていた頃だから10年前ぐらいに仕込んでいるもの。これがようやく花を開いていたりするわけです。だからこの先10年戦っていこうとしたときに、10年先に「いいクルマだね」と言ってもらえる種を植える仕事は、今やらないといけない。

もっといいクルマづくりを追求し続けるというのは、トヨタの一番大事な部分だと思うので、僕が言わなくても近さんもそのつもりだと思いますが、続けてほしいと思います。

――佐藤社長はチーム経営や「継承と進化」をテーマに掲げてきた。近 次期社長は何を経営方針の軸とするのか?

近 次期社長
チーム経営とおっしゃっていただきましたが、これは絶対変わることはないと思っています。

トヨタには、執行チーム、本部長、Presidentのメンバーや、もちろん現場で働いてるたくさんの人がいます。誰か1人スーパーマンがいるわけではなく、みんなで一緒に良くしていく、日本を良くしていくんだという経営であることは、変わらないと思います。

その中で、今佐藤さんが言われたように、もっといいクルマをつくる。これも変わらない命題だと思います。この命題に関わらない人はトヨタにはいません。

みんながどうやってもっといいクルマづくりを続けていくか、その次にどうやってモビリティカンパニーになっていくか、新たなモビリティをお客様や社会に提供していくか。

そんなことを引き続きみんなで考えて、みんなでやれることを、みんなが自分でやっていくことが、トヨタのチーム経営だと思いますので、それはブラさずにやってまいりたいと思っています。

――豊田会長は、トヨタらしさを継承してもらいたいという趣旨の話をしているが、2人はどう受け止め、どう振り返り、また取り組んでいくのか?

佐藤社長
分かったフリをしないでお答えすると、それを自分に対して問い続けているのが正しい答えです。

トヨタらしさが何なんだろうというのは、僕自身も正解をバシッと言えるわけではないんです。だけど、例えば自分以外の誰かのために、あるいはお客様の笑顔のためにと思って仕事ができる。そんな仲間がいる会社になろうよというのは、すごく大事なことだと思うんです。

トヨタには豊田綱領というものがあり、その最初には「上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし」とあります。「産業報国の実を拳ぐべし」なので、実践して世の中にしっかり貢献していくことで、初めて自分たちの仕事の価値は意味を持つんだよということを言っているんです。

そのことを噛み締めて、今自分がやっていることを見なさいと、会長の豊田が言っているんだと思います。一生懸命やっていると、人はどうしてもだんだん主語が自分になっていったり、自分中心になっていくじゃないですか。それだと視野が狭くなって、本来トヨタがなすべきことからズレていくwarning(警告)なんだろうと思って、日々仕事に向き合ってきました。

近 次期社長

今佐藤さんが言ったことと一緒で、私も確固たる答えはないですが、自分以外の誰かのためにというところが織機の始まりなので、そういった創業時の想いを実践できるかが、1つ大きなことだと思います。

もう1つ、これもさっき出ましたけれども、会長が「場」という言葉を示されて、これもトヨタらしさではないかと理解しています。

それは現場だったり、売場だったり、そういったものを大事にするというか、そういった場が必ずある。そういった場ではないところでいろいろなものを決めたり、優先したりしない。そういう場で起こることをしっかり見て、そこで行動していくことがトヨタらしいということかと、今はそう思っています。

(社長就任は)そういう場をいただいたということだと思いますし、そういう場をメンバーにもつくっていかなきゃいけないと思いますし、そういう場にも行きたいと思います。

――トップマネジメントがフォーカスする優先順位に変化はあるのか?

近 次期社長
もっといいクルマづくりとか、産業報国、幸せの量産。そういったトヨタが目指しているものは、チームのフォーメーションは変わることはあっても、変わらない。逆にそれをもっと強く進めていけるような体制になるということだと思います。

その中で私は、お金にこだわるとか、数字にこだわるということを先ほど申し上げましたが、それは目標やビジョンに向かって、トヨタがしっかりと進められるためのもので、決してお金単体で何か評価されるとか、数字単独で評価されるとか、そういったものではありません。未来のステークホルダーのために、それが投資される。温かみがあるといいますか、体温がある、お金をそういったものとして扱っていきたいと思います。

佐藤社長
少しだけコメントを付け加えたいと思います。僕は逆に、ますますFun to Driveへのフォーカスは上がるんじゃないかなと思っています。

例えば僕や多くの技術者が「Fun to Driveってエンジニアリングだよね」と、どこか思っているところがあると思うんです。しかし近さんが「Fun to Driveとか、もっといいクルマづくりに関係ないトヨタパーソンいないよね」と言ってくれた。この一言はものすごく大きいと思うんです。

近さんがリードすることで、もっといろいろな形でもっといいクルマづくりに関わる人間が、こっちを向いてくれる人が絶対増えるんです。例えば経理や人事も、どんな仕事ももっといいクルマづくりに必ず関わっているということを、近さんは必ず言ってくれると思うし、それで火がついてやってくれる人が増えるんじゃないかなと。

だから、むしろ今よりもブーストがかかるんじゃないかと僕は思っています。

Facebook facebook X X(旧Twitter)

RECOMMEND