⾃動⾞⼯業会(⾃⼯会)の新会⻑に就任したトヨタの佐藤恒治社⻑。新体制で取り組む「新7 つの課題」とは。
2026年1月1日、トヨタの佐藤恒治社長を新会長とする、自動車工業会(自工会)の新体制が始まった。
副会長を務めることになる片山正則前会長(いすゞ)は昨年12月、新体制の決定に際して次のように語っている。
来年以降、自工会の重要テーマとしてやっていく点を第1の議案として審議しました。その結果、「新7つの課題」という重点テーマが決まりました。そして、そのテーマが決まったことにより次期体制を議論することができ、結果として、自工会の会長会社としてトヨタ自動車、会長として佐藤副会長に会長に就任していただくことが全会一致で決まりました。
これからさらに自動車産業の生き残りをかけた、さまざまな分野での活動が必要になってきていると強く感じています。この辺りを理事会の中でずっと議論してきました。その結果として決まったのが「新7つの課題」であり、その議論の過程で、テーマを力強く推進していく上でどこの会社が会長会社になるべきか議論した結果、本日(新体制が)決まりました。
「新7つの課題」は、かねてより自工会が取り組んでいたテーマを、より社会実装に向けて発展させた内容となっている。
これを受け、佐藤新会長は、1月6日に開催された自動車5団体*の新春賀詞交歓会で所信を表明した。
*日本自動車工業会(自工会)、日本自動車部品工業会(部工会)、日本自動車車体工業会(車工会)、日本自動車機械器具工業会(自機工)、日本自動車販売協会連合会(自販連)
国際競争力を強める7つのアクション
佐藤新会長
本年より、片山前会長からタスキを受け取り、自工会の会長を務めさせていただくことになりました。
年始から、私たちは国際情勢の目まぐるしい変化に直面しております。このようなときにこそ、日本の基幹産業として、しっかり役割を果たさなければならないと思っております。
そのためにも、自工会の新体制として片山前会長のもとで築かれてきた業界連携の基盤を継承したうえで、「実践」のスピードを上げていきたいと思います。精一杯、動いてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
(中略)
自工会では、昨年末に、新たな重点テーマ「新7つの課題」を定めました。キーワードは「国際競争力」です。
足元の厳しい環境を生き抜くため、そしてモビリティ産業として成長していくためには、業界一丸となって「国際競争力」を高めていくことが必要であると思います。
「人材基盤の強化」
「サプライチェーン全体での競争力向上」
「マルチパスウェイの“社会実装”を加速」
こうしたテーマのもと、一歩も二歩も踏み込んで、協調領域を具体化させて、実践を積み重ねてまいりたいと思います。
また、国際競争力を高めるためには、自動車産業の強みを活かした「AIの活用」も重要になってまいります。AIをはじめ、情報処理の領域には、「ガベージイン・ガベージアウト」という考え方がございます。
ガベージ、つまり質の低い情報からは、良い結果は生まれない。裏を返せば、「良質なデータ」こそが良いアウトプットを生み出すということでございます。
私たちの現場には、生産から物流、販売、整備まで、長年培ってきた「技能」と「技術」があり、それを支える「人」がいます。
私自身モノづくりにずっと携わってきて、この部分は絶対に失ってはいけない競争力の源泉であると思います。今こそみんなでこの力を伸ばしていく、その時が来たと思っています。
こうした強み、「現場の技」をデータに落とし込み、AIとロボティクスを組み合わせた「モノづくり」ができれば、私たちの新たな競争力となり、「日本の勝ち筋」にもなってまいります。
ぜひ、自動車5団体の知見を持ち寄って、こうした取り組みも進めてまいりたいと思います。
所信表明から約2週間後、新体制による「新7つの課題」を中心としたメディア向けの説明会が開かれた。