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2024.02.20

ダイハツ次期社長にトヨタ中南米本部長 対話と共感で改革を前に

2024.02.20

トヨタ、ダイハツが会見を開き、ダイハツの新体制を発表。「企業をつくり直す覚悟」で刷新した経営陣はどのように同社を再生するのか。会見でのコメントを通じて迫っていく。

次期社長は対話のリーダー

トヨタ自動車とダイハツ工業は213日、共同で記者会見を開き、トヨタで中南米本部長を務める井上雅宏が31日付でダイハツの次期社長に就く新体制を発表した。

副社長には、現任の星加宏昌に加え、トヨタで人事トップも務めたトヨタ自動車九州副社長の桑田正規が、取締役には、トヨタのカスタマーファースト推進本部 副本部長を務める柳景子が就任。

現会長の松林淳、社長の奥平総一郎は退任する。

トヨタの佐藤恒治社長は井上次期社長について、「ブラジル・アルゼンチンの地域経営の再構築など、長年、中南米事業の構造改革に取り組んできた。難しい決断も多い中で、現場のメンバーと徹底的に対話をして、改革を前に進めてきたリーダー。こうした経験を生かして、現場経営の責任者として、ダイハツの再生をけん引していく」と紹介した。

ダイハツの認証不正問題からの再生に向けては、身の丈を越えた負荷を解消すべく、「小型車を中心としたモビリティカンパニー」という原点に立ち返り、軽自動車を軸に事業領域を定め、海外事業は、企画・開発・生産をトヨタからの委託に切り替える。

なお、再発防止を最優先に取り組むため、CJPT * は脱退する。
*Commercial Japan Partnership Technologies。トヨタ、日野、いすゞで2021年4月に設立。同年7月にはスズキ、ダイハツも加わった。CASE技術の社会実装と普及を加速させ、輸送業が抱える課題解決やカーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指す。

共同会見には、佐藤社長と、井上次期社長が登壇。9日に国土交通省に報告した再発防止策を確実に実行していくことを強調した。

一連の問題においては、トヨタ・ダイハツ間、そして、ダイハツの経営・現場間のコミュニケーションの課題を指摘する声も上がっており、その解決が新体制のミッションにもなっている。

「会社を一からつくり直すつもりで考えた」という新体制はどのようにダイハツを再生していくのか。会見の質疑応答の内容を通じて、迫っていく。

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