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G7前日、正副会長が全員集結した意味とは 自工会会見

2023.05.19

様々な技術をもつ日本の自動車産業。対立ではなく協調でかなえる脱炭素とは。

2023年518日、オンラインで日本自動車工業会(自工会)の記者会見が開かれた。

G7広島サミット(主要国首脳会議)の開催前日の会見。世界のリーダーたちに、日本らしいカーボンニュートラルの道筋を理解してもらうために話された内容とは。

登壇者は、豊田章男会長をはじめとする全8人の正副会長。さらに今回は、G7の会場である広島に本社を置くマツダの丸本明理事も出席。

冒頭、豊田会長が話し出した。

すべての人の平和な暮らしを支えるために

豊田会長(トヨタ)

明日からG7首脳会合が広島で始まります。

ウクライナ情勢による先行きの不透明感や、核リスクへの懸念が高まる今、被爆地・広島において、G7各国が世界の平和と持続的な発展に向け、議論することは大きな意義があると考えております。

「この地球に生きるすべての人の平和な暮らしを支えたい」。それは、唯一の被爆国である日本の自動車産業の根底にある想いです。

78年前の惨劇からわずか4カ月後、マツダは、オート三輪の生産を再開し地元広島の復興に大きく貢献しました。

SUBARUは、自転車や農業機械、トヨタも鍋を生産するなど「戦災からの復興」を目指し、みんながひとつになって必死に働いてまいりました。

あれから78年、クルマは、社会と地球とより密接につながって存在しています。

「誰ひとり取り残すことなく、世界のあらゆる人たちの暮らしを支えたい。豊かな地球を守りたい」。その想いはカーボンニュートラルの取り組みにもつながっております。

日本の自動車産業は、乗用車から、軽自動車・大型車・二輪車まで、フルラインナップの商品をグローバルに展開しております。

世界を見ても、これだけ多様な自動車会社が揃っている国はありません。そしてバッテリーEVBEV)、水素、ハイブリッド(HEV)。技術の多様性こそが、これまで培ってきた日本の自動車産業の強みだと思っております。

「お客様を笑顔にしたい」。すべての技術の根底には、その想いがあります。

国や地域が違えば、文化も、人々の暮らしも違います。道も違えば、クルマの使い方も違います。

置かれている現実は違っても、みんな私たちのお客様です。それぞれの国や地域の「現実」に寄り添い、その「違い」をリスペクトし、「多様性」とともに生きていく。

そのためには、多様な技術が必要です。日本の各社が、独自の強みである技術を磨き、競争力を高めていくこと。そして、その技術を必要とされる地域で活かしていくこと。それが、日本の自動車産業の「マルチパスウェイ」だと思っております。

こうした私たちの取り組みは、G7首脳会合の現地、広島でもご紹介してまいります。様々な業界の皆様のご協力も得て多様なモビリティを展示し「日本らしいカーボンニュートラルへの山の登り方」を提案したいと思っております。

また、明日は、副会長全員が広島に行き、様々な技術にこめた日本の自動車産業の想いを世界中に発信してまいります。

最後になりますが、昨年86日に広島で行われた平和記念式典で、二人の小学6年生が「こども代表」としてメッセージを伝えてくれました。

その一部をご紹介したいと思います。

カーボンニュートラルもまったく同じだと思います。

「違いを認め、相手を理解する」。その上で、一刻も早く共通の敵である「炭素」を減らすために「みんなで協力して」「今すぐできることから」やっていくことが大切だと思います。

そうすることで、誰ひとり取り残すことなく、確実な成果につなげることができると信じております。

私たちはこれからも「未来のため、地球のために」行動し続けてまいりますので、変わらぬご支援をお願いいたします。

広島で展示されたものとは

ここからは記者からの質疑応答へ。海外では規制を含めたBEV化の流れもある。その点について、永塚誠一副会長が口を開く。

永塚副会長(自工会)

各国それぞれ立場の違いはありますが、共通しているのはすべての国がCO2排出を減らすという、最終的なゴールに向かった議論を重ねているということだと理解しております。

皆で協力して、今すぐできることからやっていく必要がある。それによって、誰ひとり取り残さず、確実な成果、CO2の削減、温暖化の防止につなげることができると感じております。

「今すぐできることからやっていく」。日本の自動車産業がどのような取り組みを進めているのか、マツダの丸本理事が、G7の会場での展示を紹介する。

丸本理事(マツダ)

G7の会場では7つのゾーンに分けて、各社のエンジニアが魂を込めて開発してきた技術や商品を紹介します。

昨日下見をしてきましたが、様々な技術や商品を目の当たりにして、改めて多様な選択肢の重要性を認識するとともに、やはり会長もおっしゃったように、日本の自動車産業の強みであることを再認識しました。

また各社のエンジニアの熱い想いに触れることができ、将来の可能性も感じました。

日産の内田誠副会長も、各社が展示に込めた想いについて補足した。

内田副会長(日産)

我々は各社の様々な技術を集めて、脱炭素に向けた覚悟を示したいと思って展示しています。

現場により多く足を運んでいただいて、各社がどういった取り組みをしているのか知っていただきたい。

社会的責任を負う企業として、本当の意味で気候変動に対応したいという想いで各社が展示をしております。

ここにいらっしゃる方々も同じ気持ちで今回の展示に挑んでいます。

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