レクサスのフラッグシップMPVモデル「LM」が上海で世界初公開された。会場で語られた「レクサスらしさ」について、スピーチを紹介する。
2023年4月18日から10日間にわたり行われた上海モーターショー。どのメーカーも最新のバッテリーEV(BEV)モデルを会場に持ち込み、中国市場で急速に進む電動化と知能化の技術の展示が目立っていた。
そんな上海モーターショーの会場でレクサスはフラッグシップMPVモデル「LM」をワールドプレミアした。
そこで語られたのは、「レクサスのクルマづくり」の精神だった。
世代を越えて引き継がれるレクサスの精神
プレスカンファレンスはトヨタ自動車(中国)投資有限会社(TMCI)の李暉エグゼクティブバイスプレジデント(EVP)の、このような話から開始された。
李暉EVP
激動する時代の流れの中で、世代を超えてレクサスの匠たちは、「温かみのあるラグジュアリー」の創造にこだわり続けてきました。
皆さまもよく目にされたことがあるかと思います。レーシングスーツに身を包んだ豊田章男会長が自ら、開発チームと共に、車両をテストし、改良している様子を。
これらはすべて、クルマを愛する人たちにもっといいクルマを提供するためなのです。
レクサスのモノづくり精神を語るにあたり、重要な一人の仲間を、皆さまにご紹介したいと思います。
彼は、レクサスのフラグシップモデル「LC」のチーフエンジニア(CE)だった佐藤恒治現社長の開発チーム主要メンバーとして、同車の開発すべてに携わりました。
その後、CEとしてレクサスのバッテリーEV(BEV)モデル「UX300e」や「RZ」の開発を主導し、さらにはレクサスの電動化戦略の推進を担いました。そして今年3月、Lexus Internationalの新プレジデントに就任しました。
本日は大変喜ばしいことに、この場にLexus Internationalの新プレジデントの渡辺剛さんにお越しいただいております。
今回の上海モーターショーは、渡辺さんがプレジデント就任後に初めて参加する国際モーターショーとなります。渡辺プレジデント、どうぞこちらへ!
李EVPに招かれ、壇上にLexus International 渡辺剛プレジデントが登場し、「レクサスのクルマづくり」について語った。
みんなを笑顔にするクルマをつくるために
渡辺プレジデント
Lexus Internationalの渡辺剛です。私がCEとしてRZの開発を始めた当時は、「クルマがBEVになると、どれも似たようなクルマになってしまうのではないか?」という懸念がありました。
そうしたなか、私たちが常に考え抜いたことは、「レクサスらしい走りとは何か」ということです。
お客様を笑顔にするために、電動化技術でレクサスらしいデザインや走りをさらに進化させたい、そんな想いで開発を進めてきました。
そうして苦労を重ねて開発してきたRZを、マスタードライバーの豊田が試乗したときには「これは、レクサスだね」と笑顔でコメントいただいたことは今でも忘れられません。
豊田からレクサスのプレジデントの内示を受けた際にいただいた言葉も、「とにかくみんなを笑顔にするクルマをつくってくれ」その一言でした。
これまで豊田と佐藤が築き上げてきた、素性の良さにこだわるクルマづくりを継承し、電動化技術を活用し、レクサスらしい走りとデザインをさらに引き上げ、BEVでも、見て、乗って、走り出してすぐに「ああ、レクサスだね」と感じられるそんなクルマづくりを加速させていきたいと思っています。
そんな想いの象徴が、今ここにあるLEXUS ELECTRIFIED SPORT CONCEPTであり、その未来の実現に向けたリアルな第一歩が、RZ450eです。
たとえば、BEVが普及し本格化した時代でもスポーティな走りを求めるお客様や、アウトドアの相棒として使いたいお客様もたくさんいらっしゃると思います。
レクサスはそのような時代においても、クルマをコモディティにせずお客様の多様なライフスタイルを豊かにする愛車を提供し続けたい。
ここにある2台のRZはそのような私たちの想いをカタチにしたカスタマイズコンセプトです。