自工会 豊田章男会長が辞意表明から続投へ。そこに至るまでの経緯が明らかに。その内容をお伝えする。
モビリティショーの3つの骨子
次に、ジャパンモビリティショーへの進捗と5月のG7広島サミットへの対応が問われた。まずはモビリティショーについて。
永塚副会長
日本の全産業で一緒に明るい未来を描き、100万人の来場目標、そして「未来の日本って楽しい!」これを体感していただける祭典を目指すとのが基本的な考えです。
3点ほど骨子を考えてございまして、1つ目は「未来のプレゼンテーションの場」ということです。見るだけではなく、体験、感動、共有したくなるものをご提供し、それを見て日本が元気になるというコンセプトです。
特に力を入れたいのは、「スタートアップ企業の皆様方に、中心的な役割を果たしていただきたい」ということです。
スタートアップ企業の皆さま方は、資金面や人脈の面などでご苦労がありますけど、やはり将来の日本を引っ張っていていただくために、活躍してもらわなければなりません。この方々に、しっかりと向き合って取り組んでいくのが2つ目です。
3つ目は、世界中の有識者に集まっていただき、いろんな角度からモビリティの未来について語り、議論し、発信をしていただく。いわば「モビリティ版ダボス会議」。そういう場も提供もできればと考えています。
ここで豊田会長が「日本は大型車4社もあるユニークな自動車業界。大型車の取り組みについても、片山さんから補足いただきたいと思います」とコメント。
片山副会長
4社でチームをつくりまして話し合っている最中でございます。
今まで先にトラックがあって、そして物流事業者さんがあって、そしてお客様。という順番で物事を考えてきましたが、むしろ逆に考えようと。
生活者の皆さんから物流がどう見えてくるのか。例えば、荷物と荷物が会話を始めたときに何が起こるか。そして荷物とトラックが会話を始めたときに何が起こるか。
新しい社会が垣間見えるような気がしておりまして、荷物と荷物が会話したときに、マッチングのソリューションが必要。それはDX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーントランスフォーメーション)に直結する話ですし、お客様にとっても非常に面白い結果があるよねって。
新たな仲間、スタートアップの皆様にどんどん入っていただければ、生活が変わる。大型車ってどうしても地味なもんですから、ワクワクと体感的に未来を感じていただけるように活動している最中でございます。
次はG7広島サミットへの進捗について。
この2年、日本の自動車業界はカーボンニュートラルの正しい理解を求めて発信を続けてきた。「多様化した世の中には、多様化した選択肢が必要」という論調も海外にも徐々に広まっている。
三部副会長
気候変動は待ったなしの状態で、今すぐ、世界の人々ができることから取り組み、CO2を全体として下げていくということが必要と認識しています。新車だけではなく、すでに街を走っている保有車も含めて社会全体でCO2を減らすことが必要であると考えております。
G7では、このようなことについて理解を広げていく非常に大事な機会。今後もBEV(電気自動車)をはじめとする電動化に積極的に取り組んでいくと同時に、普及を加速していくだけではなく、さらに多彩なアプローチでCO2を削減する社会実装に取り組んでいく。
こういう姿を少しでも広島で表現できればというふうに考えています。
この会見では、自工会2023年度の4つの重点テーマも示された。
会見の全容がわかる動画も掲載する。
昨年11月の会見で、豊田会長は「ここからが勝負だ」と話した。そして今回、副会長からは「自工会の運営に対して今まで以上の覚悟」「正副会長が一丸となり、チームで課題に取り組む」と口にした。
日本のため、未来のため、550万人の仲間とともに動く。自工会が今後どのような動きをするか是非注目いただきたい。