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人事トップが豊田章男と話した「例外をつくろう」の真相と、人事施策の裏側

2024.11.08

トヨタの人事施策の裏側を、次々と紹介するシリーズ「全員活躍をどう実現するか」。初回は人事トップに直接聞いてみた!

みなさんは、トヨタの人事に対してどのようなイメージをお持ちですか?お堅そう?新しいことに挑んでいそう?詳しく知られていないからこそ、その実態をシリーズでお届けする!

社内FA制度や、全職種で職場のニーズに基づき70歳まで働ける制度、退職した社員を再び採用する“出戻り”のアルムナイ採用など。ニュースになったものも多いが、そこにはどんな想いが込められているのか。

人事トップ、東崇徳 総務・人事本部長に聞いてみると、豊田章男会長との秘話も明かされた…

配属発表での絶望

まず東本部長の経歴を聞くと、当時を振り返り「絶望した」という一言が。いったい何があったのか?

東本部長

大学2年のとき野球部に所属していましたが、テレビで見た「世界の車窓」に触発され、猛烈に海外に行きたくなりました。

翌日には休部届を提出。英語を全く話せないままイギリスに渡り、約1年、現地で生活。当時はイギリスにトヨタの工場ができてから数年後で、連日トヨタの記事が新聞の経済面に載っていました。

トヨタの工場が建ったことで、周囲にガソリンスタンドやクリーニング屋などのお店が増え、町が栄えていったんです。その変化を目の当たりにして、自動車産業ってすごい!雇用は最大の社会貢献なんだと驚きました。

帰国後は「トヨタに入社して海外の仕事をしたい」と考え、就職活動の際に10枚ものラブレターを提出。採用担当者からは「こんなに送ってきたのは君だけだよ」と声をかけられ感動したという。

そして念願が叶い、入社が決定。しかし「海外の仕事がしたい」と熱望していたにも関わらず、配属されたのはなんと人事部。膝から崩れ落ち、記憶をなくすほどショックを受けたそうだ。

人事ってめっちゃ面白いよ

「会社を辞めようと思うほど落ち込んだ」。人事へ配属されたことに対し、当時の東本部長は人事課長にまで抗議したという。

その際「期待してるんだよ。君は人事の適性があるし、人事って楽しいぞ」と声をかけられた。希望とは違うもののその言葉を信じ、頑張ってみようと奮起。

以来、福利厚生の企画や給与計算を担当。数年後には社外への出向も経験。これらの経験が大きかったという。

東本部長

トヨタには「お客様のために」という考えがある。それがいかに貴重なことか、社外出向で実感できました。

ベクトルが明確に定まっていない環境では、関係者への根回しが重視されがち。その経験から、トヨタの人事として定めるべきベクトルは「従業員のためになることをやればいい」という、シンプルなものだと気づけました。

こうして、人事ひと筋25年というキャリアを歩んできた。配属発表で絶望していた自分自身に、今の自分ならどんな言葉をかけるか聞いてみると…

東本部長

「人事ってめっちゃ面白いよ」と言ってあげたいですね。結局は、一番自分にフィットしている仕事を会社が考えてくれたのかな、と今では思えます。

次に聞いたのは、トヨタが目指す「全員活躍」というビジョンについて。国内だけで約7万人もの社員がいる状況での「全員活躍」。果たしてどう実現していくのか?

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