トヨタイムズスポーツ
2025.03.19
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宇野昌磨 第2章 「仲間と創る」アイスショーを初プロデュース

2025.03.19

「次に熱量を注げる場所を探していきたい」。そう言って2024年に競技生活を終えたフィギュアスケーターの宇野昌磨。見つけ出した道はやはり銀盤の上にあった。

Ice Brave

宇野

この度、新しいアイスショーをプロデューサー兼メインの演者としてやらせていただくことになりました。

Ice Brave」というタイトルでつくらせていただきます。

本格的に動き始めたのは24年の10月ごろ。今も試行錯誤しながら練習に打ち込んでいるという。

この「Brave」には“勇敢な”、“勇ましい”といった意味がある。宇野は、「タイトルを付けるのは本当に難しかった」と振り返りつつ、「僕の強みは、気持ちを前に強く出していくこと」と現役時代のイメージから選定したことを説明した。

気になる内容については、2曲を除いて現役時代に使っていた十数曲(エキシビション含む)で構成されている。競技者時代から宇野を応援してくれた人への感謝と、引退後の変化を見せたいという想いが込められている。

現役時代との違いは?

宇野がメインスケーターであることは変わらないが、会見では、観客も含めて一緒にこのショーをつくり上げていくことを強調した。

宇野

僕一人では、僕が思い描く素晴らしいショーはつくれません。僕が得意な分野もあれば不得意なところもあります。タイトルを付けるのもそうです。

たくさんの人の協力を得て、素晴らしいものにすることを、このショーの色にしたいと思っています。

試合もたくさんのお客さんがいて、拍手も嬉しかったです。

ですがショーは、会場に足を運んでくださった皆さんが楽しんで、自然とボルテージが高まって、一緒に盛り上がってくれて、初めて大成功と言えるんじゃないかと思っています。

ぜひ会場で声援や拍手を送ってほしい。一緒に盛り上がって、素晴らしいショーをつくっていきたい。僕からのお願いです。

宇野は、引退前のトヨタイムズのインタビューでは「点数になりにくい部分を⼀⽣懸命練習してもそこは⾃⼰満⾜の世界。でもその先にフィギュアスケートに何が起こるのか見てみたい」と語っていた。

競技者として世界を制した演目を、競技の場を離れた今、改めて再構成して演じることについて、宇野自身も楽しみにしている。

宇野

今までは一人で滑ることが主だったんですが、アイスショーだと規定が無いので、みんなと滑る楽しさをすごく感じています。

もちろんソロナンバーもありますが、新しい挑戦をたくさん入れ込んでいます。新たな挑戦だったので「大丈夫かな」と思うこともありましたが、今は後ろを振り返らず前進している最中です。

(現役時代)できていなかった、課題だと感じていたことに、ようやく取り組めています。自分が想像する満足いくスケーター像に向けて動き出せたなと思っています。

皆さん(本番の)6月まで、まだ時間があると思っているかもしれませんが、僕は無いと思っていて、いろいろなことを糧にしたい。

現役を退き、自由に表現できるようになったことで、スケーターとしては、一層貪欲になれたようだ。「僕が小さいころに憧れた、高橋大輔さんのようなスケーターになれているかというと、まだ満足していない」とも語った。

今は練習が長時間に及んでも「もっとやりたい」という宇野。さらに「そこにみんなが付いてきてくれるのが、いい仲間だなと思います」と続けた。