トヨタイムズスポーツ
2023.10.11

パリへの一発勝負! トヨタから5人が出場するMGCとは?

2023.10.11

1位と2位の選手がパリの内定を得られる「MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)」開催目前。出場するトヨタ自動車陸上長距離部の5人に密着した。

10月6日のトヨタイムズスポーツは、パリへ向けた日本代表を決める「MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)」を特集した。10月15日に開催される重要なレースに、トヨタの陸上長距離部から大石港与、松本稜、西山雄介、安井雄一、畔上和弥の5選手が出場予定。ライバルでありながら刺激を受け合い、一人でも多くのパリ内定を目指す選手たちに、レースへの意気込みを語ってもらった。

1位と2位の選手はパリ大会出場が内定するMGC

来年のパリ大会の足音が近づいてきたが、日本のトヨタアスリートで代表を決めた選手はまだいない。第1号の内定者が出るかもしれない大会が、男女のマラソン日本代表を決めるMGCだ。

スタジオゲストは、MGC出場権をかけて走った3月の東京マラソンで引退した、トヨタ自動車陸上長距離部OBの宮脇千博さん。5年前のMGCでは、マラソンで唯一の途中棄権を経験しており、「陸上人生の中で一番後悔しているレース」と強い想いを持つ。

一発勝負のレースであるMGCで求められるのは、タイムではなく順位。1位と2位の選手はパリ出場が内定し、3位の選手は残りの1枠を与えられる可能性がある。

トヨタ陸上長距離部からは全チーム最多の5人が出場予定

前回の大会では、服部勇馬選手が2位に入賞し、東京大会への出場を決めた。佐藤敏信総監督は「少し感触はあったんですよ。練習の過程も良かったですし」と振り返り、「(MGCの)舞台に立つというのは1つのステータス」と語る。

今回は、出場権を持っていた丸山竜也選手と西山和弥選手が、けがのため辞退した。それでもトヨタから5人が出場するのは、全チームの中で最多となる。

宮脇さんは「ペースメーカーがいないので、レース展開がどうなるかがポイント。足だけでなく、頭も使うんじゃないかと思います」とMGCの難しさを解説した。

陸上長距離部員たちの愉快な食事風景

大石選手を除く4選手が参加した菅平高原の強化合宿。森田京之介キャスターはスピード感あふれる2km走の練習風景などを取材したが、番組が注目したのは夕食の場だった。その会話風景は14:33から。

4人の共通の話題は「ディズニーランドの混み具合」。西山雄介選手を中心に情報を交換しており、マラソン中もチームワークが期待できそうだ。「助け合いながら1つ目指せるのは、チームとして大きなメリット」「モチベーションの維持とか助けられて」と選手たちは話す。

ベテラン大石港与、松本稜の決意

選手への個別インタビューは28:56から。母校の中央大のコーチを務めているため不在だった大石選手は、リモートで「ここまでの経験を出せるレースにできると思います。どんなに苦しい状況になっても、逃げないでレースに立ち向かっていきたい」と答えていた。

宮脇さんは、大石選手がコーチ兼業で走る大変さを説明し、「見るたびに若々しくなっている。大学生の中に入ることで、若さを取り戻しているのでは」と話していた。

合宿中の4選手は、鳥のさえずりが聞こえる自然を背景にインタビューに回答。松本選手は「陸上長距離部に最後恩を返すというか、勝負の中で自己ベストを出せれば。その後何日も走れなくてもいいから、最後の最後出し切って、欲を言えばあと2、3年陸上続けたい思いです」と話していた。

安井雄一と畔上和弥、笑顔でディズニーを楽しむのは?

安井選手と畔上選手は1歳違いだが、切磋琢磨してきた仲の良いライバル関係。くしくも今年5月に2人とも結婚し、MGCの後は同じ日に別行動でディズニーに行くそうだ。

タフさが特長の安井選手は「最後の争いまで残っていたい。最後上りというところが、自分の強みを最大限活かせると思います。パリへの思いは強いので、この場に立てることが本当にうれしい。あとは滑り込むだけ」と言う。

畔上選手は「最後までトップに食らいついて、そのまま行くぞくらいの気持ちで、全力でMGCを駆け抜けたい。一番強力なライバルは身内にいると思っているので、トヨタのユニフォームは僕もいるぞというのを見せたいです」と話していた。

世界の舞台への再挑戦を誓う西山雄介

最後はエース格の西山雄介選手。マラソンはMGCで3回目だが、昨年のオレゴンの世界陸上では、急激にペースが変わる世界レベルのレースを経験した。「そこを経験できたからこそ、日本での揺さぶりだったら大丈夫っていう自信もあります。あのレースを世界の舞台でもう1回再挑戦したい」と話す。

本番にピークを持っていけるように、長期にわたる練習で一喜一憂しなくなったのが成長のポイントだという。「ピークをそこでバッチリ合った者が勝つんだろうなと感じています。スタートしてからずっと勝負の連続なので、選手からしたら大変な部分ではありますけど、逆に言えば面白みもある。そういった部分を楽しみながらレースをしていけたら」と淡々と語っていた。

森田キャスターが「物静かな感じの西山さんなんですけど、節々に自信を感じました」と太鼓判を押す、西山雄介選手のインタビューは44:16から。

応援のお供に番組特製MGCコースマップを!

MGCの男子は10月15日午前8時にスタート。テレビはTBS系列で生中継するが、首都圏の方はぜひ沿道からの応援で、選手たちの背中を押してほしい!

番組では、MGCのコースマップに5人の選手がポイントと思う箇所を記した画像を特別に公開。現地で応援する場所やテレビ観戦の参考にしていただきたい。トヨタ東京本社前は終盤の大きなポイントの一つだ。

日本記録を持つ鈴木健吾選手(富士通)、東京大会6位入賞の大迫傑選手(Nike)ら、強いライバルも出場予定。序盤に大差をつけて独走する選手がいた前回大会に続き、今回も予測不可能なレースになりそうだ。

毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信してるトヨタイムズスポーツ。次回(2023年10月13日)は、WRC王者カッレ・ロバンペラ選手が再び参戦のフォーミュラドリフトジャパンを特集する。ぜひ、お見逃しなく!

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