トヨタイムズスポーツ
2023.04.19
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「ずっとこの時間が続けばいいのに」女子バスケの熱すぎる壮絶な決勝戦!

2023.04.19

Wリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)は、ENEOSサンフラワーズが優勝。アンテロープスは3連覇にあと一歩届かず。両者一歩も譲らないファイナル第3戦は延長に次ぐ延長、歴史に残る壮絶な決勝戦となった。

4月17日月曜日、Wリーグの歴史に残る壮絶な決勝戦はENEOSの王座奪還で幕を閉じた。アンテロープスが第1戦に勝利し、3連覇に王手をかけたが、第2戦はENEOSが勝利。1勝1敗で迎えた第3戦、実力拮抗の両者の闘いは40分では決着がつかず、53-53で延長戦に突入。5分の延長戦は互いに8点ずつをとりあって61-61、一歩も譲らない。さらに5分、最後の力を振り絞った両チームの闘いはまさに死闘。再延長戦の末、ようやく勝敗は決した。

Wリーグは間違いなく熱い!

「ずっとこの時間が続けばいいのに」、馬瓜ステファニー選手が試合後振り返ったように、選手だけでなく、会場中が“バスケットボール”に熱狂。再延長戦を意味する「ダブルオーバータイム」はツイッターのトレンドにもなった。女子バスケの魅力が詰まった頂上決戦、Wリーグは間違いなく熱かった。

最後まで諦めず、笑顔を絶やさず走り続けるアンテロープスの選手に心を揺さぶられたファンも多いだろう。大神雄子HC(ヘッドコーチ)は「Wリーグの中で最も成長したチームだ」と胸を張った。

準優勝、おめでとう!
若さ溢れるチームが、この悔しさを糧に来シーズンどんな闘いを見せてくれるか、今から楽しみだ。

4月14日に配信されたトヨタイムズスポーツでは、ファイナル直前特集と題して、セミファイナルまでの振り返り、さらに、直前ならではの緊張感ある練習の様子を放送。OGでサポートスタッフの栗原三佳さんをゲストに迎え、シーズンを通して成長したアンテロープスのメンバーを紹介している。ファイナルの死闘を繰り広げた選手たちの想いに是非触れてほしい。

準決勝のロッカールーム映像を公開

ゲストの栗原さんはリオ2016オリンピック日本代表。視聴者からはコメントで「ソウさん!」と選手時代のコートネームで呼ばれたり、1回もできない懸垂にチャレンジ中であることが暴露されていた。

前週におこなわれたシャンソン化粧品Vマジックとのプレーオフ準決勝は、接戦を繰り広げて2連勝。番組では特別に、試合の舞台裏やハイライトの映像を公開した。

ロッカールームの選手たちは明るい表情。大神HCが「何よりも大事なのは戦術どうのこうのじゃなくて。自分たちがどうしたいか、勝ちたいか。OK?」と鼓舞し、「さぁ行こう!1. 2. for TEAM!」の掛け声で試合へと臨む。

試合は、それぞれの持ち味を発揮して勝利。大神HCは選手たちを称えて「もう1個チャレンジできる場所がある。全員いい顔して最後まで戦えるように」と激励し、最終決戦に向けて気勢を上げていた。

「スティール王」川井麻衣が本人解説

開幕当初からチームでは、「ディフェンス」「リバウンド」が勝利のカギとして挙げられていた。ディフェンスでは川井麻衣選手が、相手からボールを奪うスティールで活躍。リーグのスティール王に輝いた。1試合平均2.46個のスティールは「試合の流れも変わるので、10点分ぐらいの(効果がある)」と栗原さんが解説した。

取材では、川井選手本人とVTRを見ながらスティールの場面を詳細に解説してもらった。川井選手が考えるスティールのコツは「プレーの先読み」。相手の行動を読んでボールを奪っており、「そうじゃないとギャンブルになっちゃうんで。チームのルールの範囲内でやれるようにしています」と語る。

栗原さんは「ボールと相手がどう動いてるかを両方見ながら、自分がどこに行けばいいのかを瞬時にパッと計算して、頭の回転が必要。タイミングが難しいけど、彼女の速さは見ものです」と説明した。

宮下希保が守備のポジショニングでも成長

ディフェンスでもう一人のキーパーソンが宮下希保選手。ポジショニングやボールのない場面での動きが成長し、相手のミスを誘うきっかけになっている。

リバウンドに関しても、チームとしてポジショニングなどの意識が高まった。相手をゴール下に自由に入れさせないことで、ボールを自分たちで取ることにつながっている。

森田京之介キャスターが「リバウンドって、シュートが外れた時に、そこでの高さの争いと思いがち」と言うと、栗原さんは「その前から勝負は始まっていて。ポジショニングだったり、相手に跳ばせないということが大事」と解説した。

大神HCが語るコミュニケーション力の向上

森田キャスターは、ファイナルに向けて最終仕上げ段階のアンテロープスを取材。2つのチャンピオンフラッグが掲げられた葵体育館。相手のENEOSを想定した練習を重ね、選手たちの気合は十分だ。

大神HCが現在のチームに感じるのは、お互いのコミュニケーション。「ただ仲良く話すのではなくて、指摘しあえる。『この時はこうだよね』とちゃんと話せるので、質はグッと上がったんじゃないかな。うまくなりたいという自分がしっかりある選手たちなので、そこは仲良し集団にはならないですよね」と語る。

相手のENEOSは、アンテロープスが2連覇する前に11連覇を果たしている。「自分たちにとってはビッグチャレンジだと思います。日本の女子バスケットボールを引っ張ってきたのはENEOSだと思ってますし、そこに自分たちがどうチャレンジしていくかというところ」と、挑戦者の気持ちを忘れない。

2戦先勝で決まるファイナルに向けて、大神HCは「毎回のコーチ陣の駆け引き、選手のコンディショニング、もう全てが備わってないと、2つ勝ちに行くのは簡単ではない。でも、今のトヨタの選手はそこに挑戦できると思います」と言い切った。

古巣の先輩・渡嘉敷来夢に挑む梅沢カディシャ樹奈

ENEOSで最も警戒すべきなのが、キャプテンの渡嘉敷来夢選手。193cmの身長、シュート力、技術などを兼ね備えており、栗原さんは「何でもできる選手。この選手をまず止めに行かないと、勝利を引き寄せられない」と話す。

この渡嘉敷選手とのマッチアップが予想されるのが、梅沢カディシャ樹奈選手だ。今季のフィールドゴールの成功率は渡嘉敷選手が70.21%、梅沢選手が65.90%と、Wリーグで1位と2位を分け合った。新加入の梅沢選手にとっては、ENEOSは昨シーズンまで在籍していた古巣でもある。

インタビューでは、チームや愛車のランドクルーザー プラドのことを楽しそうに語る梅沢選手。ENEOSについては「開幕1回と皇后杯で負けて、やっぱりリベンジしたかったので。こうやってまた決勝で戦えるのは本当に楽しみです」と語る。

渡嘉敷選手との対戦を「やれることに感謝して決勝に挑みたい」と、梅沢選手は謙虚に語っていたが、皇后杯の後はヘコんでいたという。栗原さんは「女子でもこんなに当たる、バチバチするんだというのが見られるかもしれない」と2人の激しいマッチアップを期待していた。

3人のキャプテンの明るさ&信頼関係

今シーズンのアンテロープスを象徴するのが、3人の若いキャプテン。川井選手、馬瓜 ステファニー選手、山本麻衣選手が揃った状態でインタビューに答えてもらった。

3人でのキャプテン制について、ステファニー選手は「それぞれ視点がちがうので、すごくやりやすい」。川井選手が「手探りで始めたんですけど、 それこそ3人で話し合いながら。2人がいてくれてよかったです」と感謝を伝えると、当の2人は無言でピースのポーズを取り、チームの雰囲気の良さがうかがえる。

セミファイナルは、勝負どころで山本選手の3ポイントが試合を決めた。川井選手は「入るなと思って(山本選手に)パスしてるので。先にガッツポーズしようかと思うぐらい、自信あります」、ステファニー選手も「それわかる。打った瞬間にだいたい分かります」と絶大な信頼を寄せている。山本選手は「落ちても、打った瞬間はわかるので、それも取ってくれる」と話し、絆の深さを感じさせた。

ファイナルに向けて、山本選手は「(相手が)圧倒的に強いと思われていますけど、ちゃんとやれば勝てる相手。アグレッシブに行きたい」。ステファニー選手は「2連覇してきたチームとは全く別のチームで、今年のチームで積み上げてきたものがある」。川井選手は「自分たちが練習してきたことを出せば勝てると思う。自分たちに挑戦したい」と、意気込みを語った。

最後はみんなで応援!

インタビューの最後には、取材当日(4月11日)が誕生日だった川井選手に、番組からケーキをプレゼント。サプライズに対する三者三様の反応やキャラクターも面白く、森田キャスターは「皆さん、応援したくなりませんか」と呼びかけていた。

視聴者からは、会場に応援に行くとのメッセージが続々と寄せられた。フィギュアスケートの紀平梨花選手からも動画が届き、翌日からのファイナルに向けて応援団は臨戦態勢。サポートコーチの三好南穂さんはチャットで「優勝してくるぞー!!」と決意を新たにしていた。

次回のゲストは近藤真彦さん!

毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2023年4月21日)は、50周年を迎えたスーパーフォーミュラを特集する。ゲストはなんと、近藤真彦さん。大会を主催するJRP(日本レースプロモーション)の新会長で、KONDO Racingの監督でもある近藤さんと一緒に、新しい魅力的な取り組みなどを紹介していく。ぜひ、お見逃しなく!

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