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2023.09.12
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「本音が言えない」現場の苦悩 職場改革は進むのか

2023.09.12

失敗を恐れず挑戦できる職場は育っているのか、余力の創出は? 労使協議会での決意を形にしていくため、再び労使は本音で話し合った。

正解のない未来に挑戦を続けていくために

挑戦していく土壌を育むために、目の前に横たわる課題を共有した労使。西野委員長が今回の労使懇を総括した。

西野委員長

労使協を経て80回を超える座談会を設けていただいたということに関しまして、改めて感謝申し上げます。

本日はその中でも出てきた声ということで、少し組合としても、なかなか言いにくいことも言わせていただきましたし、内容によっては、根深いものもあると思っています。

その中で佐藤社長を含めて、本気で変えていくんだということを改めて強く感じました。

ただ、この場で課題を共有して会社の意見や施策を聞いて、我々もそれを組合員に落とすだけで終わっていては、環境変化のスピードに追い付けず、変えることが遅れてしまうと思います。

トヨタで働く人すべてが本当に自分事として捉え、行動していく、その中でいろいろな意見や考えを出し合ってやっていくことが重要だと思っています。

我々組合も責任を持って本気で取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

また、91日の組織変更をもって西野委員長が委員長を退任、後任に鬼頭副委員長が就任することが伝えられた。

西野委員長は総括に続いて6年間の感謝も述べた。

西野委員長

委員長としての6年間を振り返りますと、本当にさまざまなことがあったなと思っております。

とりわけ労使で本音で、家族の話し合いをするために、悩みながら話し合いのあり方や、組合の活動も大きく変えてきました。

それは組合員の幸せのため、また、会社の持続的な発展のため、大きな意義があったと信じています。

その中で労使共通の基盤を取り戻していこうという強い想いを持って、常に私たちに向き合っていただいた豊田会長。そして、その想い、価値観を継承された佐藤社長をはじめ、新経営チームの皆さんにおかれまして、改めて心から感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

明日(91日)からは組合も、鬼頭を執行委員長として新体制となります。これまで培ってきた労使相互信頼は、これまでの労使の不断の努力によって成り立っているものであり、決して当たり前ではないと思っております。

引き続き労使がそれぞれ責任を果たしながら対応していかなければと思っておりますし、本音の対話と失敗を恐れない挑戦をさらに突き詰めていただきたいと思います。そして自動車産業の仲間と共に、社会全体をリードしていただくことを切に願っております。

佐藤社長は西野委員長へ感謝を伝えるとともに、新体制でも挑戦し続ける決意を示した。

佐藤社長

西野委員長、6年間、本当にありがとうございました。

変化が大きかった6年間、本当に大変だったと思います。

2018年にはベアを非公表にしました。これは多くの自分以外の仲間のためという想いもあって、産業全体を視野に入れた、今の労使活動が始まった大きなきっかけになった取り組みだったと思います。

それから、これは全員忘れもしない2019年。家族の会話ができていない労使関係に対して、問題提起をされた豊田会長の想いを真正面に受け止めていただいて、今日のような本音の会話ができる労使関係に大きく形を変えていただいた。西野委員長の強いリーダーシップのもとに行われてきたことであると思います。

現場の声をしっかり届ける。そして具体的な変化につなげていく。その努力の中には本当に言葉にできないような難しさが多々あったと思います。

新しい委員長と共に新体制でも続けていって、西野委員長が積み上げてこられたこの関係をさらに発展させるべく、我々も努力をしていきたいと思います。

本日はある意味、80回の座談会をしてきたからこそ、見えてきた職場の実態にもう一度迫って、そこから1つでも2つでも具体的な変化につなげようと、特に根の深い難しい問題について議論をさせていただきました。

今日のテーマにもなりました多くの課題は、「誰もが、いつでも、何度でも、失敗を恐れずに挑戦できる会社になっていこうよ」というトヨタの目指す姿そのものであると思います。

その姿を目指すにあたって、改めて皆さんと共有したい想いがあります。それは新体制就任の当時、私が申し上げた「クルマの未来を変えていこう」という想いです。

豊田章男会長が、「もっといいクルマをつくろうよ」とクルマを軸にトヨタらしさを取り戻す戦いを、必死に全力で命懸けで14年間続けてきました。

その基盤があるからできる挑戦があると思います。その挑戦の向かう先は、クルマの本質的な価値を大事にしながらも、クルマの未来を我々が切り開いて変えていくこと。

クルマが輝くモビリティ社会を、自分たちの力で意志を込めて作っていくことだと思います。

クルマの未来を、意志をもって変えていく、正解のない未来に挑戦を続けていけるトヨタ。

新しいトヨタらしさをしっかり積み重ねていけるように、こういった話し合いも本音で、本気で、しかも行動につなげながら続けていきたいと思いますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

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