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2024.11.27
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「対話を諦めさせてはいけない」 トヨタはワンチームになれるのか?

2024.11.27

コミュニケーションはなぜ低調に終わってしまうのか。対話を諦めさせない職場をつくるには? 全員活躍を掲げるトヨタの労使が交わした議論とは。

「私たちはトヨタという大きなチームの一員」

認証問題の再発防止に取り組んできた中で、見えてきた課題。これらは根深く、一朝一夕に解決できるものではない。

鬼頭圭介 委員長と佐藤恒治 社長は総括として、労使で一つひとつ改善を積み重ねていく決意を示した。

鬼頭 委員長

今日の話し合いを通じて見えてきたことは、認証問題の再発防止を確実に遂行していくためには、改めて職場の風土を根っこから改善をしていく必要があるということだと思います。

前半のパートで友山さんもお話しになっていましたが、物事の正常と異常が区別できて、異常があればすぐに改善をする。これがモノづくりの原点でもあり、トヨタが創業以来大切にしてきた考え方だと思います。

そうした当たり前のことが当たり前にできる職場でなければ、お客様が求めるもっといいクルマをお届けすることは絶対にできないと思います。

今こうして話し合いをしている瞬間も、現場では困りごとが発生していると思います。こういった現状を少しでも良くするために、労働組合としても職場の生声をしっかりと把握して、声を聞いて、課題を明確にして、アクションにつなげていく。こうした取り組みに特に力を入れて、今後も継続していきたいと思っています。

当たり前のことが当たり前にできる職場にしていくために、あらゆる層で、あらゆる職場で、本音の会話を改めて前進させていただきたいと思っていますので、この点についてはマネジメントの皆さんにも引き続きご協力いただいて、ご理解賜ることができればと思っています。

また今回話し合った課題は、それぞれに関連し合っていて、本当に複雑で根深いと思います。すぐに解決できるものではないので、地道に、それぞれの職場実態に合わせて、一つずつ丁寧に改善を積み重ねていく。これが再発防止活動を確実なものにする唯一の道だと思っています。

今後とも労使で力を合わせて、一人ひとりがやりがいを持てる、より良い職場にづくりに向けた取り組みを加速させていきたいと考えています。

佐藤社長

今日、多くの話し合いが行われましたけれども、大きなテーマとして「コミュニケーション」があったと思っています。

コミュニケーションのあり方を考えるときに大切だと思っているのは、私たちはトヨタという大きなチームの一員であるということです。クルマづくりはチームワークだと、組合からご発言いただきました。

その言葉が自然に出てくる会社であることを心から誇りに思いますし、大変うれしく思いました。我々はチームプレーをしているというのは全く同じ気持ちです。

だからこそ、もう一度考えなきゃいけないのは、一人ひとりがチームの一員であるということで、チームが勝つために、チームとどう関わっていくべきかを考えてコミュニケーションをしていくということだと思います。

チームだからこそ、いろいろなアイデアが出るんだと思います。我々は多様なアイデアがあるからこそ勝てるチームになるんだという意識を共通に持つことがすごく大事なんだろうなと思いました。

冒頭でご説明した人への投資は当初計画よりも積み増しています。人への投資というのは、トヨタの中のみならず、販売店の方々、仕入先の皆様に対しても循環できるようにという配慮を持って取り組んでいます。

これもすべてトヨタがもっといいクルマづくりをするためには、チームプレーが大切であると思っているからです。大きなチームであるということが、トヨタの大きな原動力であるということを改めて認識して、コミュニケーションを変えていくことに一つずつ取り組んでいきたいと思います。

そういった観点で自分自身が努力していることは、報告を待つのではなく、現場に行って、自ら会話をして、その中で感じ取ってくるということです。

どうしても職場に行くと、最後に「ご講評を」と言われてしまいます。私が現場に行く目的は、現場の困り事を知って、改善できるように、自分がアクションするためです。

ですが「ご講評を」と言われると、どうしても何かコメントをしなきゃいけないと思って、それが結果、指示になってしまったり、現場の困りごとを拾おうと思ったのに、困りごとを置いてきてしまう。こういうコミュニケーションが現実にはあるんだと思います。

皆さんにお願いしたいのは、現場で講評するのは私ではなくて、私を受け入れてくれた方で、ご講評の中に、僕への宿題を込めて欲しいと(思います)。その宿題を持って帰ることが現場に行く意味だと思います。

そんな行動宣言をさせていただきたいと思っていますし、そういうコミュニケーションを積み重ねて、それぞれの立場で具体的に行動を変えていけば、一つずつトヨタのコミュニケーションが変わっていくんじゃないかと思います。

「足場固め」を宣言して約1年が経つわけですが、まだまだ道半ばです。今日の議論にもあったように、根っこにあるのは、風土の改革。この想いは全く一緒です。その風土を変えていくために、諦めずに、一つひとつの取り組みが小さくても、確実に前に進む努力を労使でしていかなければいけないと思います。

そのときに我々が絶対に忘れてはいけないのは基本動作だと思います。もっといいクルマをつくり続ける。これが原点にあるはずで、これをどう実現するかが、我々のいろいろなコミュニケーションを変えていく上での軸になっていくべきだと思います。

その上で、お客様の笑顔をエネルギーにして、さらに頑張っていくサイクルが回っていくトヨタに、ぜひともしていきたい。チームトヨタのチームワークをより強固なものにしていくために、みんなでコミュニケーションを改善していきたいなと思います。

みんながイキイキ笑顔で働ける、全員活躍のトヨタを目指して、これからも一緒に努力をしていきたいと思います。

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