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「もっといいクルマづくり」その裏にある2つの"悔しさ" 新型スポーツ車両ワールドプレミア

2025.12.05

新型スポーツカーのワールドプレミアが5日、Woven Cityのインベンターガレージで行われた。その様子を紹介する。

成瀬氏が残したもの、モリゾウの役割

豊田会長

30年前、成瀬さんと2人だけだったクルマづくり…。

少しずつ仲間が増え、やっとLFAができた時、成瀬さんは見たこともない笑顔でこう言いました。

「前だけを見てニュルを走れたのは初めてだ」

そう話してくれました。

抜かれた経験しかなかった我々が、やっと追い抜くクルマができた。

本当に嬉しかったんだと思います。

しかしその悔しさがすべて消えた訳ではありません。

量産とは言え、LFAは限定生産…。レースに勝っても、それはクラス優勝…。

前を走るクルマは、まだまだたくさんいました…。

「あなたたちに、こんなクルマづくりはできないだろ?」

あの悔しい声は、今も私の耳に残っています。

この悔しさは、間違いなく私の原動力です。

15年前、私はある日突然マスタードライバーを引き継ぐことになりました。

成瀬さんが私に残してくれた、クルマづくりの秘伝のタレは、あの悔しさだったんだと思います。

もう1つ残してくれたのは、その悔しさを共有できる数人の仲間たちでした。

私たちは、その悔しさを原動力に、もっといいクルマづくりを、ひたすら続けてまいりました。

GR86、GRスープラ、GRヤリス、GRカローラ、水素エンジン、スーパー耐久、ニュルブルクリンク…、そしてこのクルマたち…。

今のトヨタには、私と同じ想いでクルマをつくってくれる仲間が、こんなにたくさんいるんです!

仲間たちと、クルマづくりをしながら秘伝のタレを未来に残していきたい。
この仲間たちに、私はクルマづくりを託していきたい。

皆さま、どうかご期待ください。

ここで、会場からは大きな拍手が沸く。その拍手が止むのを待って、再び豊田会長が言葉を紡いだ。

マスタードライバー・モリゾウ
私の人生は闘いの連続でした…。

その中で見つけた自分の役割は“しんがり役”。

豊田章男の本当の姿は、社長でも会長でもなく、過去の闘いから仲間を安全に避難させ、未来の戦いに勝てるよう、もっと逞しくしていく…。

そんな役割だと思っております。

モリゾウは、まだ止まれない…! 倒れるまで走り続けます!

本日は、ありがとうございました。

WPが行われた12月5日、富士スピードウェイの通称「GR GTコーナー」では、新たな看板が設置された。

TOYOTA GAZOO Racingの新CMで流れるコピーは「THE SOUL LIVES ON.」。

「魂は生き続ける」という意味だ。

正解が見えない時代。継承していくのは技だけではない。思想・技・所作、そのすべてを次の“式年”へつなげていく。

GT3とは

GT3は国際自動車連盟(FIA)が定める、GTカーによるレースカテゴリーの一つ。

GTカーとは「Grand Touring(グランド・ツーリング)」の略称で、市販車(ロードカー。基本は市販のスポーツカー)をベースにサーキットでのレース仕様にチューンナップしたクルマ。これを使ってサーキットで競うレースを「GTレース」と呼ぶ。

市販車をベースにしているため、参戦するクルマはいわゆる“ハコ車”。500~600馬力。プロだけではなくジェントルマンドライバーも乗れるように安全性も高く設計されている。

日本を主戦場とするGTレースを「スーパーGT」と呼び、モータースポーツとしては国内で最も人気が高い。

GTレースにおけるGT3は、GT1、2の下位カテゴリーとして、参戦コストを抑え、すそ野を広げる目的で創設された。結果的にGTレースでは最も間口が広くなり、いまやGTレースの主流へと成長している。(現在GT1、2カテゴリーは、事実上実施されなくなっている)

GT3カテゴリーの最大の特徴は、市販のレーシングカーをベースにBalance of Performance(BoP、性能調整)が行われること。車種間の性能差を極力無くすことで公平性が担保されている。

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