「日本の底力を世界に示す」重要な局面へ 自工会会見

2022.11.18

世界各地の事情に即したマルチパスを、日本はすでに持っている

続いては「日本らしいカーボンニュートラルへの道筋」について、どのように取り組んでいくのかが問われた。

豊田会長

日本の自動車産業は、(電動化へ向けて)すべての選択肢の準備ができています。BEVは重要な解決策の1つですが、唯一の選択肢にはならないんじゃないかなと。やはり多様化した世の中には、多様化した選択肢が必要だと思います。

規制値をつくるより、いろんな技術のミックスで、今すぐCO2を削減していく。そして他の産業とも連携して、エネルギーをつくる、運ぶ、そして、街をつくるということまで議論できるようになったと思っております。

片山副会長

来年のG7サミットにおいて、カーボンニュートラルの話が非常に大きなテーマだろうと思っております。その中で多様な選択肢、いわゆるマルチパスの大切さを感じております。日本だけでなく、世界各地の事情に即した形でカーボンニュートラルにつながるマルチパスを(我々は)持てているということ。

決してBEVを否定しているわけではなく、それ以外の選択肢まで持てていることは、世界において、日本の自動車産業が果たせる役割は非常に大きいと感じています。

また、質疑応答のなかで「税制」についての質問も。2023年度の税制改正で検討されているという「BEVの走行距離課税」についての見解が問われた。

豊田会長

複雑な税制を簡素化してください、世界一高い自動車の税金を軽減してください、ということはずっと申し上げておりますが、ただ減らすことだけを要望してるわけではございません。

日本という国を一体どういうふうに持っていきたいのか、集めた税金をどう活用していくんだということを、声を大にして申し上げております。

そんな中で、モビリティ委員会や官邸との懇話会は、非常にいい議論の場をいただいたと思っております。日本の競争力を強化するために、日本全体の税制のあり方を見直すという点で、抜本的な見直しへの第一歩が始まったと思います。

短期的な成果を求めるのではなく、2030年(の時間軸)で、競争力を失った日本の存在感を高めるために自動車産業も力になりたいということをご理解いただければと思います。

永塚副会長がこう続けた。

永塚副会長

走行距離課税といったものが検討されているとの報道もありますが、これには大変問題があると考えております。

まず政策的に現在は、電動車の普及促進を図るべき時期だと考えておりまして、走行距離に応じて課税を導入するという考え方は、この電動車の普及にブレーキを掛けてしまうものであるということが1点目。

そして2点目は、地方にお住まいの方々、あるいは物流事業者の方々など、移動距離の多い方々の税負担が増えることです。特に地方の生活の足として、例えば通勤や通学にクルマを使っていらっしゃる方々も多い中、日々移動する度に、その距離で課税されてしまうというような税制は、到底理解を得られないのではと考えております。

こうした課題をしっかり向き合わず、国民的議論もないまま、拙速に走行距離課税といった措置を導入することに対しては、断固反対をしたいと考えています。ユーザーのみなさまが納得いくような、国民的な議論を行うべきだと考えています。

今回の会見では、終始、日本の未来のために自動車業界がどうあるべきかが語られた。官民が一体となり、今後どのような取り組みが生まれていくか、注目したい。

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