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【簡単解説】「経団連モビリティ委員会」を理解する4つの基本

2022.09.30

9月22日に初会合が行われた経団連モビリティ委員会。200社を超える申し込みがあったという注目の組織は今、何をしようとしているのか?

9月22日、経団連のモビリティ委員会の第1回会合が開かれた。ニュースでも報じられているこの委員会は、いったい何をする組織なのか?

また、3人の委員長の1人である豊田章男社長は、日本自動車工業会(自工会)の会長でもある。そちらの活動とは何が違うのか?

今、注目が集まっているモビリティ委員会の基本を4つに分けて整理した。

基本Ⅰ:モビリティ委員会って何?

経団連には、会員企業を取り巻くテーマや地域・国ごとに組織された約70の委員会がある。

そこに今年6月、日本経済のけん引が期待される産業を振興しようと、3つの委員会が発足した。そのうちの一つがモビリティ委員会である。

ここでは、自動車産業をはじめとする会員企業が、人やモノの移動を取り巻く課題などについて議論を行う。

委員長は3人。経団連の会長を務める十倉雅和委員長(住友化学会長)、豊田委員長(トヨタ自動車社長)、日本自動車部品工業会(部工会)の会長を務める有馬浩二委員長(デンソー社長)。

業種を越えて、200社超の申し込みがあり、初会合には300人を超える参加があった。

前列中央が十倉委員長、左が豊田委員長、右が有馬委員長

基本Ⅱ:自工会との役割の違いは?

「人やモノの移動を取り巻く課題などについて議論を行う」というモビリティ委員会。次に浮かぶ疑問は「自工会が果たす役割と何が違うの?」ということではないだろうか。

端的に言えば、同委員会ができたことで、自動車5団体 に所属していない他産業との協力がしやすくなる。

*自工会、部工会、日本自動車車体工業会、日本自動車機械器具工業会、日本自動車販売協会連合会

自工会は2021年から「クルマを走らせる550万人」を掲げ、自動車産業で働く人たちの雇用の維持を訴えてきた。

しかし、5団体の会員企業で働く人たちはせいぜい200万人。残りの350万人は、燃料や物流などの企業に勤める人たちで、従来の枠を越えた連携が必要となっていた。

また、初会合で豊田委員長は「特にカーボンニュートラルは、私たちの暮らしそのものや、『移動』のあり方に変化を迫るものであり、全国民、全産業で取り組むべき大きな課題」だと述べている。

政府から2050年カーボンニュートラルが宣言されて以降、自工会や自ら水素エンジン車のステアリングを握るレースの場などで、「カーボンニュートラルという山の登り方は一つではない」「規制で技術の選択肢を狭めるべきではない」とそれぞれの国に合った達成の道筋を主張してきた豊田委員長。

脱炭素の正しい理解を呼びかけ、志をともにする仲間を増やしてきた。

この輪をさらに広げ、エネルギーを「つくる」「はこぶ」「つかう」というすべてのプロセスでCO2を減らしていくためにも、産業の枠を越えた連携が不可欠となっていた。

「自動車は波及効果が大きく、今後、GX(グリーントランスフォーメーション)、DX(デジタルトランスフォーメーション)により、さらにすそ野が広がっていく。だからこそ、産業界全体で取り組むべき」

「これからの日本の競争力のカギを握るともいえるモビリティ産業をペースメーカーに、日本の競争力強化に向けて、産業全体で取り組みたい」

経団連全体を束ねる十倉委員長も、産業全体で臨む意味をこう語った。

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