トヨタ博物館では、歴代の個性的すぎるエコカーを展示。そんな中、カーボンニュートラルへの革新的な研究が進んでいた?
1991年、ソーラーカーが初めて公道を走った
話を聞いたのは、過去にも登場いただいたCN開発部 グループ長 増田泰造博士(工学)。
無機質な太陽光パネルに色や柄を自由にデザインできるようにするなど、革新的な開発を進める増田博士にトヨタのソーラーカー開発の歴史を聞いてみた。
増田博士
トヨタのソーラーカー開発の歴史は古く、80年代までさかのぼります。1991年の東京モーターショーでは、RaRaⅡという試作車が展示されました。
それからも開発は続き、2009年にはソーラーパネルをオプションとして搭載可能なプリウスを一般販売。
この当時は車内換気用の電気しか賄えなかったソーラーパネルが、その後の継続的な研究のおかげで2017年には走行用の充電が可能なまでに発展しています。
企画展でも展示されているRaRaⅡ。朝日放送主催の駅伝で先導することを目的に、トヨタが朝日新聞社からの依頼で開発した、日本で初めて公道を走ったソーラーカーだ。
未来のクルマを変える切り札として、80年代から今に至るまで、トヨタでは多くの人がソーラーカーの研究に向き合い続けている。
その結果として開発は進化してきているが、世界に目を向けると、海外でもソーラーカーの勢いは増しているという。
日本はソーラーカー先進国?
増田博士
海外では欧州やアメリカ、韓国、中国などの国でもソーラーカー開発は盛んになっており、一部のメーカーからはソーラーパネルを搭載したクルマも販売されています。
その中でも日本はソーラーカー開発に熱心な国であり、技術も進んでいると言えるはずです。
現に2017年に発売されたトヨタのプリウスPHVは、走行用の電気を太陽光で充電する「ソーラー充電システム」を搭載した世界初の量産車とされています。
現在、トヨタの量産車ではプリウスPHEVと2022年発売のbZ4Xで、オプションでルーフにソーラーパネルを載せることが可能。
CO2を発生させず、クルマを停めておくだけで電気が溜まっていく。資源の少ない日本では太陽光は大切なエネルギー源であり、カーボンニュートラルへのマルチパスウェイの一つとしても、ソーラーカーはますます重要になっていくと語られた。
脱炭素への頼もしい技術になり得る太陽光発電だが、増田博士が「まだあまり詳しく話せない」という、革新的な太陽電池が生まれようとしているらしい・・