2023.10.03
イノベーションを起こす、謎の「A-1コンテスト」に迫った。Aの意外な意味も明らかに！
Aから始まる一歩
土井は「A-1そのものが新規事業を生むことは少ないのではないか」と言う。コンテストのゴールはどこにあるのか。
土井主任
A-1は優れたアイデアに予算や人を与えるためのコンテストではなく、参加者全員が主体的な行動を起こすきっかけです。
課題調査から最終プレゼンまでの約4カ月間、参加者たちは事業創出に本気で取り組むことになる。そこで得られた自信が行動を呼び起こし、世の中に新しい価値を生む原動力になります。
また、トヨタには「B-project」という社内新規事業提案制度もあります。A-1から立ち上がったメンバーが毎年「B-project」に応募し、本気で事業化していく循環や風土が醸成されているようにも思います。
自分が動けば、想いを形にできる。仲間をつくれば一人ではできないことができる。その気づきを与え、スタートを後押しするのがA-1のゴールです。
「誰かのために」という想いを胸に、参加者が自ら主体的な行動を起こす。その一歩目をつくりたいと土井は語る。
A-1で評価されたビジネスアイデアはその後、実際に起業につながったり、社内イベントなどで実現することも多い。いずれもコンテストで満足せず、その後も強い想いを持って行動し続けた結果だ。
2023年度のA-1コンテストがすでに始まっている。今年はどんな阿呆たちが集まり、どんな事業モデルを競わせるのか。
トヨタをもっとおもしろくするA-1に、これからも目が離せない。
この記事の続編では、A-1をきっかけに生まれた数々の活動を特集。期待と共にお待ちいただきたい。