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なぜ?たった15分で驚くほどスッキリする仮眠

2022.10.26

本業とは関係ないように見える取り組みを紹介する「なぜ、それ、トヨタ」。今回は、スッキリした眠り。一体なぜトヨタが!?

もう、考えるのが嫌になった・・

仕事をしていると、誰もがそう感じる瞬間があるだろう。実はこれ、脳の働きが鈍くなっている証拠だという。少しだけ寝て休みたいそんなときには、20分ほどの仮眠が効果的と言われている。

トヨタが開発したTOTONE(トトネ)という仮眠シートは、15分〜30分という短時間の休憩でパフォーマンスを上げることを目指したという。我々は、半信半疑で試作機が設置されている現場を取材。

この記事を読むと、あなたも短時間でリフレッシュするコツを掴めるかも?最後まで眠らずに読んでいただきたい。

仮眠シートの試作機は、Woven Planet日本橋オフィスの「リチャージルーム」と呼ばれる休憩スペースに設置されていた

阿呆(あほう)ナンバーワンコンテスト?

トヨタには、A-1(阿呆ナンバーワン)コンテストという大会があるのをご存じだろうか。業務時間外の“有志活動”としてのビジネスモデルコンテストで、ふざけた名称に思えるかもしれないが、実は深い理由があり、TOTONEはその大会がきっかけで開発が始まったという。

ADPT AD-1 福山弦グループ長

事の発端は、2017年に始まったA-1コンテストをきっかけに「ボトムアップで新しいことをしたい」「大きなイノベーションを起こしたい」と、社内の有志28名が集まったことによります。

トヨタの創業者である豊田喜一郎さんは、大財閥ですら自動車事業の進出に躊躇していた時代、「こんな事業を向う見ずにやる者は、よほどアホーだと私自身も思っています。誰もあまりやらない、又やり難い事業をものにしてみる所に人生の面白味がある」と話されていたようです。

その言葉からA-1(阿呆ナンバーワン)コンテストと名づけられたのですが、トヨタにはそもそもイノベーションスピリットがあります。

ADPT AD-1 井上三樹男 プロジェクト長

数年後の自動運転社会では「寝ながらドライブ」という未来もあるかもしれません。究極の睡眠カーをゴールとして、そこから逆算し、最初の開発として非モビリティ製品であるTOTONEをつくり始めました。

「クルマの中は疲れると思っていませんか?」「車内をベッドよりも眠りやすい空間にしませんか?」と役員に提案しました。それが実現すれば、出張先でホテルに泊まる必要もないようにライフスタイルは一変します。そのくらいのイノベーションを目指して動き出しました。

短時間でスッキリする仮眠の秘訣

TOTONEには、クルマづくりで培った技術がふんだんに搭載されている。

眠りに入るときにリラックスして呼吸をしやすくするため、シート背面が膨らんだり縮んだりする。この制御はリフレッシュ機能付きシートの技術を。起床時に背中のどの部分を刺激すると気持ちよく目覚めやすいかは、居眠り運転防止の知見を。

他にも座り心地や、シートの温度コントロール技術も応用したという。

シートの包み込まれるような感触は、自動車シートの知見を応用

心地よさを考慮したデザインは、社内の先進デザイン開発チームと試行錯誤をしながら決定。シート本体はトヨタ紡織との共同開発。「なぜ、トヨタが?」と思っていたが、まさにトヨタならではの開発だった。

左上のデザイン案をブラッシュアップし、現在の試作機に
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