全国でもかなり珍しい実証実験を取材!記事内の2つのクイズにあなたは何を感じるでしょうか。
他社製品との違いは?
自動配送ロボットは「モノ」だけでなく「コト」も運ぶという。
走行しながら映像投影するサイネージ広告や、「e-Palette」のように移動式店舗としても期待でき、ビジネスの可能性も幅広い。このロボットには海外製品と明確な違いもあるという。
先進モビリティシステム開発部 佐藤主任
荷台を脱着できるので「多用途で使える」という特徴があります。たとえば農家さんの作業中、Guide Mobiは野菜が積まれたトレーラーの準備ができるまでの間に待っているだけなので、別の場所に行って別の作業をするなどマルチに使えます。
地域のみんなで共用もできるので、稼働時間を増やせばコストメリットも出せるんです。
佐藤には、小学校低学年の子どもがいるそうだ。「将来、みんなが寝ているときや大雨のときにロボットが活躍する姿を見て、あれはお父さんが開発したんだと思ってくれたら嬉しい」そう語る笑顔が印象的だった。
また、この日は「低速・小型ロボット」も実証実験が行われた。
低速小型は他社もすでに街中を走っているが、違いはあるのか。
「ない」と言われたらどうしようと思いつつ、恐る恐る開発者に聞いてみると…
先進モビリティシステム開発部 角谷昌俊 主任
他社との大きな違いは、宅配ボックスとの連携により、自動で荷物の受け渡しができる点です。家でロボットの到着を待ち、外まで取りに行く必要もなくなります。
トヨタ生産方式における「人を機械の番人にしない」という考えにヒントを得ました。ラボでは実証済みで、大阪・関西万博でもコンセプトを紹介しました。
物流の全エリアを小型ロボットだけでカバーするのは難しいため、中型や大型のモビリティ、さらには宅配ボックスなどとも連携を図るモビリティネットワークをイメージして開発を進めています。
しっかりと他社と違いがあったんですね、失礼しました(笑)。今後は冷蔵での配送も視野に入れているという。
先進モビリティシステム開発部 角谷主任
私は高齢化が進んでいない街に住んでいますが、そんな場所でも移動販売に頼るシニアが多いと聞いて驚きました。
1km先にスーパーはあっても、免許を返納した高齢の方が往復2kmを歩くのは大変なこと。買物難民への支援のために、冷蔵での配送も視野に入れています。
山間部でのテストには大きな意味が
今回の実証実験を一緒に進めた地元の事業者は、利便性と同時に、高齢化が進む地域ならではの課題も口にした。
どんどん市場 瀧上勤さん
高齢化で空き家も増え、集落ごとにあったお店も今はなくなりました。「どんどん市場」のお客さんの9割以上は近隣の方で、60歳以上の女性が多いです。
免許を返納された方には、こちらが玄関先まで持っていくしかない。でもロボットで完結すると地域のコミュニケーションが減ってしまう。今後、ロボットにカメラを付けて地域の方と会話できれば嬉しいですね。
そもそも、なぜ取り組みに協力したのかを聞くと「このままだとみんな買い物ができなくなる。誰がやるんだ…と考えて手をあげました」とのこと。
「恥ずかしいから写真はすぐ終わらせて」と話す瀧上さんだったが、お金のためではなく、町の人の暮らしを想う確かな意志を感じた。
自動配送ロボットの実証は都市部で行われることが多いからこそ、山間部での実証実験は新たな課題を見つける大きな一歩になる。
まだスタートも切れていない事業だ。でも、最初の一歩を力強く走り出すための準備は着実に進んでいた。