2023.03.13
「もっといいクルマづくり」は終わりなき挑戦の連続だ。開発現場で奮闘するエンジニアたちの姿を追った。
「(クルマを)壊してくれてありがとう」。
GRヤリスの開発担当である齋藤尚彦主査の口癖だ。常にクルマづくりの現場に赴き、プロドライバーらと二人三脚で開発を進めてきた。
開発者にとっては、心を込めてつくり上げたクルマ。それを壊されて感謝する訳とは?
市販車が、モータースポーツと同じような状況で走ることはないかもしれない。しかし、さまざまなコース、シチュエーションでクルマの限界を引き出すプロドライバーがハンドルを握ることで、想定外の事態が見えてくる。
部品についたキズや泥までも「もっといいクルマづくり」につながる貴重なデータ。「一つ一つのキズが語りかけてくれている」と齋藤主査。
クルマが極限状態で鍛えられたからこそ、購入者は安全で、気持ちよく運転できる。
豊田章男社長が語る「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の実態が、開発現場から伝わってくる。
スタジオでは、破断したサスペンションの一部、粉々になったエンジンのピストン部分など実際に壊れた部品を手に、当時の状況を振り返ってもらった。
その中にはモリゾウとの話も。小さな異変も見逃さないマスタードライバーの真髄を物語るエピソードは、動画で確認してほしい。
開発現場でクルマと対話を続けてきた齋藤主査は、「ドライバーが安心して楽しく運転するクルマは笑って見える」という。
オカルトのような話だが、本当にクルマには魂が宿っているかもしれない。
東京大学大学院の光吉俊二特任准教授の研究テーマは「レーシングカーの感情を読み取る」というもの。クルマに取り付けたセンサーから得た情報を、独自のアルゴリズムによって感情に置き換えた実験では、驚きの結果が。「世界のトヨタから」はLEXUS DESIGN AWARD。今回の受賞者と作品を紹介する。
クルマづくりへの深い愛情が感じられる今回のトヨタイムズニュース。ぜひ最後までご覧ください。