全日本ラリー選手権の開幕戦・ラリー三河湾を特集! スタジオゲストは57歳の勝田範彦選手と25歳の大竹直生選手。1月のオートサロンに端を発する世代交代バトルがここでも火花を散らした。
3月6日のトヨタイムズスポーツは、全日本ラリー選手権の開幕戦、ラリー三河湾を特集した。
57歳になった今もタイトルの有力候補である勝田範彦選手に、25歳の大竹直生選手が「世代交代」を宣言! 同じGRヤリスRally2に乗る各世代の4人のドライバーに注目が集まった。スタジオでも両選手は、強気になれるアイテムの力を借りて、トークバトルでバチバチ!
20代から60代まで、GRヤリスRally2を駆る4選手
今年から1戦増えて、全9戦となった全日本ラリー。最高峰のJN-1クラスで主役になるマシンがGRヤリスRally2だ。20・30・50・60代のドライバー4人は、いずれもタイトル争いに絡んでくることが濃厚とみられている。
番組でもおなじみの勝田範彦選手(ノリさん)は、9度の全日本チャンピオンに輝き、昨シーズンは惜しくも年間2位に終わった。WRC(世界ラリー選手権)ドライバーの勝田貴元選手の父親でもある。昨年11月のラリージャパンでクラッシュして腰を骨折したが、リハビリを経て開幕を迎えた。
奴田原文雄選手は、ノリさんより5歳上の62歳。全日本ラリーでのチャンピオンの数もノリさんに並び、WRCを経験しているレジェンドだ。
32歳の新井大輝選手も全日本チャンピオンを経験している。去年まではクルマで苦労したが、今季はRally2で世界に向けて飛躍を期す。
そして、JN-2の若手育成プログラムであるモリゾウチャレンジカップの王者で、今年から満を持してJN-1に参戦するのが、大竹直生選手。経験がモノを言うとされ、ベテランの活躍が目覚ましい全日本ラリーに、金髪の25歳が新風を巻き起こそうとしている。
魔法のアイテム「サングラス」を掛けて宣戦布告
場外バトルが起こったのは、今年1月のオートサロンでのラリードライバーのトークショー。サングラスを渡された出演者が先輩らに遠慮せずに発言できるという流れで、大竹選手が「もう世代交代ですよ」といきなり宣戦布告(動画の37:00過ぎ)。ノリさんも「望むところだ。ボコボコにしてやろう」と受けて立った。
この日の生放送でもノリさんと大竹選手は、サングラスとボクシングのグローブを着用し、ファイティングポーズを取りながら入場。格闘技のタイトルマッチを思わせる登場で、大竹選手は「このサングラスをかけている時は、何でも言えちゃうんで。世代交代です」とあらためて挑戦状を叩きつけた。
MCを務めたのは、ラリーチャレンジの出場経験もあるショートトラックの寺尾悟アスリートキャスター。「今日のトヨタイムズ大丈夫でしょうか?」と不安がるシーンも。サングラスをかけたままのノリさんが、視聴者からのコメントが書いた紙を読みづらそうにしている場面もあり、いつもと違う不思議な雰囲気の番組となった。
両選手の世代間バトルを煽ったVTRと登場シーンは3:23から。
大竹直生「Rally2の速さは二段どころじゃない」
3年目を迎えた開幕戦のラリー三河湾は、2月28日・3月1日に本番を迎えた。スタート前には、豊田章男会長が“渦中”の両選手を激励する場面も。
初日は新井選手がリードし、ノリさんは2位、大竹選手はペナルティが響いて6位と出遅れた。ノリさんは「クルマの調子はものすごく良かった。昨年事故をしてから、なんとなく違和感が背中に残っているので、その恐怖感の後遺症があったかもわかんないです」と、久々の実戦は手探りの模様だ。
大竹選手も「去年のモリチャレのGRヤリスとは一段二段速いマシンで。二段どころじゃないかもしれません。Rally2はすごいんですけど、それを理解できていないんだろうって。まずはクルマと会話して1コーナー1コーナー勉強していけたら」と振り返った。
ラリー三河湾の前半戦の模様は10:44から。
開幕戦の勝者は新井大輝
競技2日目も、ドライバーたちは大勢のギャラリーの前で圧倒的な走りを見せた。優勝したのは新井選手で、1分近い差をつけての勝利。2位にノリさん、4位に奴田原選手、6位に大竹選手が入った。
新井選手は「Rally2になってからは、懐が深いクルマなので、どこからでも曲げられ、どこからでも加速してくれるので、すごく楽でした」。ノリさんは「タイム的には全然負けているので、反省点ばかり。オヤジパワーで若者を倒したいと思います」と語った。
大竹選手は「超緊張していたので、まずはクルマが無事に帰ってきてホッとしています」と初戦は疲れた様子。本音の部分では「『次は勝ちます!』って、サングラスがないと、まだ言えないですね」と、Rally2の限界を引き出すまでには自身の課題が多いことを指摘していた。
ラリー三河湾の最終日のVTRは21:04から。
勝田範彦「オヤジ頑張ります」
スタジオで開幕戦を振り返って、2人のコメントには本音と、サングラスを掛けての意気込みが入り混じっていた。ノリさんは、2日目のステージでは大竹選手に負けていたことを認め、いったんサングラスを外したものの、掛け直して「次は『こんちきしょう』と、オヤジ頑張ります」と宣言した。
残り8戦で注目のレースは、今年から増えた福島での第7戦。コースの経験によるベテランのアドバンテージが少ない分、白熱した戦いが予想されている。大竹選手は、夏の北海道での得意なグラベル(未舗装路)での2戦を楽しみにしており、後半戦での成長が今から期待される。
ちなみに三河湾でのモリゾウチャレンジカップは、奥井優介選手が0.7秒の僅差で優勝。大竹選手は「僕より若い選手がいっぱいいますから、そのうち僕も追い詰められる側になる」と刺激を受けており、新世代のバトルもヒートアップする一方だ。
モリゾウが語る「神に祈る時間」とは
今回のラリー三河湾では、モリゾウや帰国した勝田貴元選手によるデモランも行われた(35:15 から)。登場したのは3台のGRヤリス。Rally1とRally2、そしてミドルシップのMコンセプトだ。
モリゾウは、「GRヤリスには当初『神に祈る時間』があって、『ここ頼むから復帰して!』と、祈る時間がちょっとあったんです。チームエンジニアをはじめ、いろんな人が『神に祈る時間』をなくしていこうと、この手があるんじゃないかと始まったのが(Mコンセプト)の開発です」と話していた。
「神に祈る時間」について、ノリさんは「ラリー中はたくさんあります」、大竹選手は「何回神に裏切られたか」と語る。ギリギリまで攻めてあとは天命を待つだけの瞬間から、ラリードライバーは逃れることは難しいが、それを減らすための開発側の努力も続いている。
WRCはサファリ・ラリーの勝田貴元に期待!
WRCでは、3月12日にケニアでの第3戦、サファリ・ラリー・ケニアが開幕する。貴元選手は過去5年で3回表彰台に上がっており、日本人34年ぶりの優勝が期待される。
父親のノリさんは、貴元選手がサファリ・ラリーとの相性が良い理由について、ペース配分が合っていることを挙げた。「100%で行ってしまうと、もう絶対に完走できないですし。かといって、70%で走っちゃうと、好成績が得られない。80%から90%で走らないといけないと思うんですけど、このせめぎ合いが難しいですね」と解説する。
後々のステージを考えて、抑えて走る時もあれば、全開で攻めなければならない瞬間もある。慎重かつ大胆なラリードライバーの二面性は、ノリさんと大竹選手が今回、サングラスを掛けてイケイケで話している時と、外して謙虚なコメントをしている姿に現れているのかもしれない。
今後もぜひ、さまざまなラリードライバーの発言やキャラクターに注目していきたいところだ。
毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2026年3月13日)は、デフ卓球の川口功人選手を特集する。3月7・8日に行われた全国ろうあ者卓球選手権では、シングルス2連覇を達成! さらに、川口選手がラスボスとなる卓球選手役として出演した、アカデミー賞候補のハリウッド映画「マーティ・シュプリーム」が放送当日から全国ロードショー! ジャパンプレミアの様子やジョシュ・サフディ監督へのインタビューなどもお届けする。ぜひ、お見逃しなく!