12月13日にラグビーのリーグワンが開幕! 悲願の優勝に向けて挑戦を続けるヴェルブリッツ。ヘッドコーチとキーマンに今年の進化と決意を聞いた。スタジオゲストに大籔洸太選手が登場。
12月5日のトヨタイムズスポーツは、ラグビーのトヨタヴェルブリッツを特集した。
リーグワンが始まって以降、優勝候補に挙げられながら期待に応えられないシーズンが続き、「今年こそ」の想いは高まるばかり。13日の開幕戦に向けて、ヘッドコーチとキーマンに勝つために必要な進化と決意を聞いた。
大籔洸太は86? スープラ?
気が付けば肌寒くなり、ラグビーのシーズンがやってきた。悲願のリーグワン制覇に向けて動き出したヴェルブリッツから、スタジオにやってきたのは、期待の若手の大籔洸太選手。U-17日本代表や大学日本一を経験し、若手選手が出場する「リーグワンライジング2025」でベストライジングプレーヤーに選ばれている。
大籔選手はトヨタ自動車広報部に所属しており、今回はスポークスマンとしての出演だ。竹中七海アスリートキャスターから今年のチームの状態を聞かれ、「大丈夫です。 今年こそ、今年こそ!今年こそ!」と力強く繰り返した。
ラグビーのルールはこれまでの放送(関連リンク参照)でも学んできたが、今回はポジションをトヨタのクルマで表現した。ヴェルブリッツのユニフォームにはポジションごとに車種名が記されており、フォワードはランドクルーザーやアルファードなど、ウィングやフルバックを主戦場とする大籔選手は86やスープラ、ハリアーが該当する。
チャンスが得点に結びつかない課題
過去4シーズンのヴェルブリッツの順位は、5位、6位、7位、10位。プレーオフ進出を逃している。非常に苦戦した昨年のスタッツを見ると、相手ディフェンスを突破したラインブレイク数はリーグ5位なのに対して、トライ数が10位で、チャンスを生かせていない課題が浮き彫りになっている。
今シーズンの新加入選手は13人。9人がフォワードで、大籔選手は「セットプレーでマイボールをキープすることが、自分たちの理想のアタックプランを実現することにつながる」と解説した。
バックスでは、ニュージーランド代表のマーク・テレア選手がトライゲッターとして注目だ。インタビューは24:27から。
スティーブ・ハンセンHCが目指す3つの進化
最初に話を聞いたのはスティーブ・ハンセンHC(ヘッドコーチ)。昨シーズンからの課題として、セットプレーの中でも特に「スクラム」、ボールを落としたりしない「ボールスキル」を挙げ、強化に取り組んでいると語った。
3 つ目に挙げたのが「選手の主体性」。「昨年からコーチングの仕方を変えて、コーチ主導というよりも選手主導でチームを動かすということを特に強調しています」と説明する。
「一番は選手のマインドセットを変えることです。まずは自分たちのあるべき姿の基準を決め、『やっていいこと』と『やってはいけないこと』をそれぞれ明確にしました。その基準が低い選手がいたとしても、自分を向上させようと主体的に頑張っているのであれば、認めてあげる必要があります。自身をリードすることが先決なのですが、それができるようになったら、周りの人もリードできるようになる。そういった順番かなと思っています。選手同士で気づいて動いた方が、行動に移せるのが早い」
選手にマインドチェンジを促したHCのインタビューは14:08から。
松田力也「いい循環を作れている」
攻撃の司令塔である松田力也選手は、課題の1つであるボールコントロールについて「トライを取り急いでしまうというところが課題。そこを我慢できれば次(のプレー)でトライを取って得点に結びついて、結果につながると思う。そこの我慢の判断が気をつけるところ」と話す。
選手のリーダーは、姫野和樹選手や松田選手ら5人の体制に変わった。「リーダー陣がつながりやすくなって、より同じ絵を見やすくなった。グラウンドでも姫野の考えを僕がうまくみんなに伝える役割を担っていければ。5 人のリーダーが自分たちの意見を持って、ミーティングでもコーチにアプローチできる回数は増えてきて、いい循環を作れていると思います」と語った。
松田選手へのインタビューは19:28から。
田村魁世が考える主体性と「8%のトーク」
スクラムハーフとして昨年出場機会を増やした田村魁世選手は「すごい層が厚いポジションの中でラグビーできるのはいい環境でもありますし、自分が一番成長できるチームだと思っています」と語る。
選手同士のコミュニケーションで、田村選手がキーワードに挙げたのが「8% のトーク」。「92% がナイスとかポジティブなところで、残りの8%が言いづらいこと。たとえば、パスをミスしたら『もっとここにくれよ』としっかり指摘とか怒ることも、チームや人の成長につながっていく。そこを『 8% のトーク』と言って、常にやっていこうと話しています」と、選手同士が慣れ合いではなく、厳しく言い合っていくことを説明した。
大籔選手も「なかなか言いにくいところではあるんですけど。『パスがここに欲しかった』とかプレー中に細かいフィードバックをしっかりすれば、ミスも減って、お互いにとっていい時もあります。嫌なこともしっかり言い合うという意味では、今年はそれができていると思います。もしかしたら、そのパスを後ろに投げた理由があるかもしれないので、コミュニケーションが一方通行にならないように、映像とかを確認してお互いが納得した形でコミュニケーションを終われるように意識しています」と補足した。
田村選手や大籔選手が乗り越えようとしている「8%」の本音については25:38から。
彦坂圭克が語る「継承と進化」
フォワード陣は新しい選手が多く加わり、時間をかけてスクラムやラインアウトの練習を繰り返している。リーダーの1人である彦坂圭克選手が説明したのは「継承と進化」。佐藤恒治社長が就任発表時に掲げたテーマであり、新体制のヴェルブリッツのスローガンの1つにもなっている。
「自分たちにもぴったりな言葉だなと思って。今のいいところは残しつつ、結果は出ていないので、足りないところは進化させて、もっと自分たちの成長につなげていきたいという思いでその言葉をみんなで選びました」
彦坂選手が語るフォワード陣の取り組みとスローガンは32:46から。
12月13日14:30、豊田スタジアムで開幕戦
ヴェルブリッツの開幕戦は12月13日14:30から、ホームの豊田スタジアムで三重ホンダヒートを迎え撃つ。来場者には先着1万8000人にオリジナルのホッケーシャツをプレゼント!
潜入取材のVTRでは、東芝から新加入したタウファ・ラトゥ選手らを直撃するなどの活躍を見せていた大籔選手。「プレシーズンを通して、すごくいい準備ができています。皆さんの応援が僕らの力になっていますし、会社の方やファンの方がいつも応援やサポートをしてくださるので、勝利という形で恩返しできるように、まだまだ進化して頑張ります」と、決意を熱く語った。
「絶対今年はリーグワン制覇するぞ!」
毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2025年12月12日)は、12月7日に行われた年末恒例のトヨタ社内駅伝を特集する。ロングの部は4連覇した高岡組立部のゴールシーンが何度もテレビCMで流れており、5連覇を阻止するチームが現れるか? トヨタイムズスポーツチームは、竹中キャスターが番組内で出場を発表し、他のメンバーも気になるところだ。ぜひ、お見逃しなく!