日本を代表するスタンドオフ松田力也選手、W杯3大会出場のリッチー・グレイ選手、期待の若手選手など、万全の補強を行ったヴェルブリッツに密着取材。目指すは悲願のリーグ優勝!
12月6日のトヨタイムズスポーツは、ラグビー部トヨタヴェルブリッツを特集した。リーグワンの過去3シーズンはプレーオフ進出を逃してきたチームに、姫野和樹キャプテンの大学の同期で日本を代表するスタンドオフの松田力也選手が加入。また、スコットランド代表としてW杯3大会出場のリッチー・グレイ選手らが加入しただけでなく、若手も存在感を増しており、優勝への機は熟した。応援を力に変えて、リーグ制覇へと羽ばたく時は来た!
ゲストは姫野和樹と松田力也の同期
8シーズン連続で姫野選手がキャプテンを務めるヴェルブリッツに、頼もしい仲間が加わった。姫野選手とは帝京大学の同級生であるスタンドオフの松田選手だ。2023年のワールドカップでは日本代表の司令塔として活躍。プレースキックの成功率は95%を誇り、チーム最多の46点を挙げた。
スタジオゲストは、もう1人の同級生である元ヴェルブリッツの竹井勇二さん。昨シーズンで現役を引退し、現在はヴェルブリッツの事業スタッフとして地域貢献活動などに携わっている。番組には富士24時間耐久レースの中継で出演したことがあり、サーキットで楽しめるバーベキューを紹介した。そのときの縁で出会った女性と結婚した「S耐婚」を成し遂げている。
リーグワンのプレーオフには上位4チームが進出していたが、今季から6チームに拡大。これまでのヴェルブリッツはレギュラーシーズン5位、6位、7位と悔しい戦いを続けてきた。竹井さんは「見ている皆さんもそうですけど、歯がゆいシーズンになりました」と語る。
スコットランドから“超大型”補強
森田京之介キャスターが訪れたのは、まだ暖かい11月上旬の宮崎。ヴェルブリッツはプレシーズンマッチを控えて合宿を行っていた。
コーチ陣は、スティーブ・ハンセンHC(ヘッドコーチ)が現場で直接指導しているのに加え、イアン・フォスターCo.コーチが新たに就任。ニュージーランド代表を率いてきた両コーチによる、強力な二人三脚の体制となった。
大柄な選手たちの中でも、ひときわ目立つのが、ロックのリッチー・グレイ選手。身長は2mを超え、頭ひとつ抜けている。後藤彰友GMも、ラインアウトやスクラムの中心選手として期待を寄せる。
リッチー選手は「私がここに来たのは日本の若い選手をサポートするためであり、できる限り多くの経験を伝えることであり、それは私自身が学ぶことでもある。だから私にとってもこれまでとは違う挑戦になる」と話していた。
2年目を迎えたスクラムハーフのアーロン・スミス選手も、仲間を鼓舞しながら存在感を発揮している。昨年は直前の合流だったが、今年は早くからチームになじんでいる。「システムを学び自分たちのプレーや自分たちがどうありたいのか、トヨタヴェルブリッツの男とは何かを全て学び、今年はその一員としてチームとのつながりをより一層感じられた」と語る。
「準備万全で開幕戦に臨みたい」と言うアーロン選手らのインタビューは23:43から。リッチー選手と森田キャスターの高低差にも注目!
キック前の松田力也、ルーティンの秘密
松田選手の加入を語るうえで忘れてはいけないのが、昨シーズンの埼玉ワイルドナイツとの試合だ。ヴェルブリッツは前半まで27ー8とリードしていたが、後半は無得点に抑えられて27ー43の逆転負け。大逆転の立役者の一人が松田選手だった。レギュラーシーズン全勝だったワイルドナイツを最も苦しめた試合でもある。
「古巣には負けられない気持ちがありますし、クセとか強みもわかっているので、うまくチームをまとめてヴェルブリッツが勝ちたいと思います」と松田選手。ヴェルブリッツに誘っていた姫野選手も「僕たちの足りないピースの1つが力也だった。また一緒にプレーできることを誇りに思います」と共闘を喜んでいる。
キックでの得点は、ファンの期待も大きい。胸の前で両手を構える松田選手のルーティンは「大きく身体を使うために胸を張ろうとしているので、クセというか肋骨を広げるために。しっかり大きく胸を開くことで、リカバリーもできますし」と説明する。
「みんながトライしてくれたり反則を取ってくれると僕が蹴れるので、責任を持って蹴りたいですし、勝利に貢献したい。(キックの成功率は)100%をずっと狙っているので 、そこはブレずに100%で行きたいと思います」
松田選手のインタビューは16:43から。
物怖じしない新人、奥井章仁の決意
若手選手も帝京大学出身の2人に注目。7人制ラグビーでパリ大会に出場したフルバックの谷中樹平選手は「セブンズで培ったスピードや試合中のフィットネスは、自信を持って出せると思います。プラス頭を使ったプレーは海外の選手よりも秀でていないと負けてしまうので、ラグビーのIQも上げていきたい」と意気込む。
新人フランカーの奥井章仁選手は、先輩たちに物怖じしない発言でキャプテンシーを発揮している。「下の人間がどれだけリーダーシップを持ってチームを引っ張っていけるかが、今のトヨタの課題。10年先のトヨタも作っていくとなると、下が頑張らないといけない。姫さん(姫野選手)がいなくてもチームがしっかりできるよう考えながらやっています」と話していた。
姫野キャプテン「一貫性を大事にしたい」
最後にインタビューに登場したのは、その姫野選手。「素晴らしい選手がそろっているので、優勝するにはもってこいのチーム。僕もトロフィーを掲げたいと思っています。毎回瑞穂(パロマ瑞穂ラグビー場)が埋まるような状況で、ファンの皆さんのためにも会社の皆さんのためにも、結果として恩返しできるように優勝したいですね」と抱負を語る。
昨シーズンは、自分たちが目指すべきラグビーを見失いかけていたと言う。「そこが今年はできているので、自分たちの目指す方向がわかっているからこそ、自分たち自身がチームとして一貫性を大事にしなきゃいけない」と気を引き締めていた。
姫野選手のインタビューは33:49から。
12月22日開幕、必勝を期して「鳥人間」が登場
リーグワンの開幕戦は12月22日、秩父宮ラグビー場でクボタスピアーズ船橋・東京ベイと対戦する。ホームでの初戦は12月28日、長良川競技場で三重ホンダヒートを迎え撃つ。
姫野選手も「前半戦でいかに勝ち続けることができるかがキーになる」と話しており、2024年のトヨタアスリートの好調の波に乗って、スタートダッシュを決めたいところ。ぜひラグビー場に足を運んで、選手たちに声援を送っていただきたい。
そして、番組終盤で視聴者から声援を受けていたのが竹井さん。VTRの姫野選手からのムチャぶりで、十八番の芸「鳥人間」を約4年ぶりに披露することになった。
「鳥人間」に変身するシーンは42:02から。見事に画面の外へと羽ばたいていった竹井さんのように、ヴェルブリッツが飛躍するシーズンになることを期待しよう!
毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2024年12月13日)はトヨタ社内駅伝を特集する。12月8日に開催された日本最大級の社内イベントには、本気のランナーたちが“スポセン”に集結。3回目の取材となる番組も、ついにチームとして参加することになった。寺尾悟監督のもと、現役パラリンピアンや元アスリートらが名を連ねるが、第2走者の森田キャスターは無事にたすきをつなぐことができたのか。ぜひ、お見逃しなく!