トヨタイムズスポーツ
2024.09.25

クルマづくりの技術も応用、アスリートをサポートする話題の新施設、TASCに初潜入!

2024.09.25

トヨタ記念病院に開設されたトヨタアスリートサポートセンター(通称TASC)を特集。元ビーチバレーボール部の溝江明香さんが取材、野球部の嘉陽宗一郎選手も登場!

9月20日のトヨタイムズスポーツは、トヨタ記念病院に開設されたトヨタアスリートサポートセンター(通称TASC)を特集した。選手たちのパフォーマンス向上やリハビリを支える最新施設を、元ビーチバレーボール部の溝江明香さんが潜入取材。クルマづくりの技術などを駆使してアスリートを支援する裏側を探った。

溝江明香の足を3Dスキャン、現役当時からの悩みに回答

トヨタアスリートサポートセンターは、今年7月にリニューアルオープンしたばかり。技士長の坂田淳さんの案内で、溝江キャスターが最新の設備を見学した。

ウェイトトレーニング中の過重がチェックできるなど、TASCの機器は見える化が進んでいる。体重の負荷を減らしながら走ることができる装置は、手術後などに負担をかけず有酸素運動をすることが可能。体験した溝江キャスターは「浮いて走ってる感じで、足自体の疲れはないんですけど心拍は上がります」と話していた。

クルマづくりの技術を応用したのが、身体の部位の形状を3Dスキャンする機械。坂田さんがトヨタの技術展示会に行き、運転席などの部品の形状を計測して評価する要素技術から着想を得た。

現役時代から左足に体重がかかりすぎるクセがあり、その原因を探りたかった溝江キャスター。実際に自分の足を計測してもらうと、画面にリアルな3D映像が映し出された。測定の結果、足首の傾きはほとんどなく、原因は股関節など他に可能性のあることがわかった。

溝江キャスターによる最新設備のレポート(VTRフリ付き)は10:45から。

目標は40歳まで現役!嘉陽宗一郎が施設をフル活用

TASCで遭遇したのが、肩のリハビリをしていた硬式野球部のエース、嘉陽宗一郎選手。坂田さんからケアを受けた後、投球動作を解析する装置へ。Tシャツ姿のまま軽くボールを投げる様子を、周囲のカメラが撮影した。画面には、骨だけの姿になった嘉陽選手が再現され、投球する動作をさまざまな角度から解析した。

チェックしていたのが、握ったボールがバッターから見えないようにする投球動作。坂田さんは「肩がすくまずに身体のライン上に上げられるようになると、肩の負担も少ないし投げる時も相手にボールが見えないので、いかにこの角度を上げられるかを目指しています」と説明した。

嘉陽選手は「気になったらすぐここに来て、すぐフィードバックをもらえるので、調整がしやすくなって、やるべきことも明確にすぐわかる。どんどん進化して、僕たちがやりやすい環境が整ってきてるので助かります」と語っていた。

「あの人は(ボールが)ずっと頭の後ろに隠れている」と嘉陽選手が見習うのは、今年の都市対抗野球を最後に引退した佐竹功年さん。長きにわたり坂田さんのケアを受け、40歳までミスター社会人野球として現役を続けた。嘉陽選手も「40歳まで頑張ります」と宣言していた。

溝江キャスターが「リハビリから細かい動きのトレーニングまでを一貫して見てもらえるのは大きい」と語る、嘉陽選手へのケアの模様は21:13から。

「アスリートを守る最後の砦」という想い

取材の最後では、施設の意義やアスリートへの想いについて、坂田さんにインタビューした。

「難しいケガとか故障もあるんですけども、アスリートが自分のやりたいスポーツができる、そこからこぼれ落ちないように守る最後の砦だと思ってやっています」と話す坂田さん。TASCの未来について、「陸上のトラックができたりとか、人工芝を敷いていろんな動きができるような施設であったりとか、まだ計画段階ですけど、いろんなアスリートの期待に応えられるような施設を目指していきたい」と抱負を述べた。

溝江キャスターからは、婦人科系の問題や出産後の復帰など、女性アスリートのケアについて質問。坂田さんは「要望をいただいたらなんとか叶えようという思いでやっています」と答え、熱く語った。

「スポーツって見ている人も感動することができますし、人間は当たり前の活動以外のプラスアルファの部分が大事だなと思っていまして。生きがいを感じてもらうためにスポーツはあると僕は思っているんですけど。そこからあぶれてしまう人たちを少しでも減らしたい、そうならない環境を作りたい。その一心で今取り組んでいます」

坂田さんへのインタビューは30:33から。

“クルマ屋なのに”と“クルマ屋だから”が共存する施設

放送中には、視聴者から「TASCは一般の人も使えるの?」とチャットで質問があり、佐藤桃子トレーナーが「一般の方もご利用いただけます!」と即答。予約などの詳細はトヨタ記念病院のサイトへ。また、TASCのインスタグラムでは、今回の放送に入りきらなかった未公開映像も見ることができる。

「私はアスリートじゃないですけど、スポーツは生きがいです。こんな想いでやってくれている人がいるんだったら最高ですね」と共感していた森田キャスター。「“クルマ屋なのに”と“クルマ屋だから”。この両方を感じられる施設だと思いました」とTASCを評価した。

溝江キャスターは「アスリートって、スポットライトが強く当たる間しか、他の人は見えないじゃないですか。それ以外のトレーニングだったり、ケガした後のリハビリだったり、そういう時間がすごい長いんです。実際はいろんな人に支えられて(コートに)立っていることを、私は選手の時に感じていて。それを今回取材して伝えられることがうれしいです」と振り返った。アスリートを支える側として、今後も番組での活躍が期待できそうだ。

毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2024年9月27日)は、スケートのショートトラックを特集する。新メンバーが加わったスケート部を、前監督でアドバイザーの寺尾悟さんが取材。今季初戦となる全日本距離別選手権の模様もたっぷりとお届けする。ぜひ、お見逃しなく!

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