Wリーグのプレーオフで惜しくも敗退したアンテロープスを特集。スタジオゲストの山本麻衣選手、宮下希保選手と共に、敗戦から⾒えた課題や収穫を振り返った。
4月5日のトヨタイムズスポーツは、女子バスケットボールを特集した。Wリーグのプレーオフで残念ながら敗退したアンテロープスだが、悔しさの中から学んで改善し、さらに強くなるのがトヨタアスリート。敗戦から⾒えた課題や収穫を、番組ではしっかりと振り返った。スタジオゲストの山本麻衣選手と宮下希保選手も、来シーズンやパリ大会に向けて気持ちを新たにしていた。
プレーオフ準々決勝で悔しい逆転負け
新年度を迎え、トヨタの入社式にも新人アスリートが出席した(1:25 から)。陸上長距離部の吉居大和選手や鈴木芽吹選手ら、今年も有望な新人が多数入社。アンテロープスには5人の新しい仲間が加わった。
Wリーグの王座奪還を目指した今シーズンのアンテロープスは、レギュラーシーズンの最終戦に敗れ、プレーオフは3月31日のクォーターファイナルから登場、シャンソンVマジックと対戦した。前半はペースをつかみ第2クォーター終了時点で12点をリードしていたが、終盤にスリーポイントを立て続けに決められ、82対88で逆転負けを喫した。
あらためて見ても悔しい、試合のダイジェストは10:37から。
山本麻衣、宮下希保がスタジオ生出演
悔しい想いを抱えながらもスタジオに駆け付けたのは、最近の活躍が著しい2人。山本選手は今年2月、パリ大会への世界最終予選で日本代表のパリ行きを決定づけるシュートを決め、会場のMVPに輝いた。番組では第1回の「三好南穂のCatch! TOYOTA Athletes!」に登場している。
成績の面でも大きく成長した宮下選手は「悔しい気持ちが一番にあるんですけど、チームとして成長するために必要な負けだったんじゃないかなとも思います」と話し、山本選手も「(気持ちを)切り替えていきたいと思います」と生放送に臨んだ。
敗戦から見えた改善ポイント
シャンソンとの試合で大きなポイントとなったのが、相手の大黒柱のイゾジェ ウチェ選手。日本の高校を卒業した新人でありながら、リバウンド、ブロックショット、フィールドゴール成功率でリーグ1位。得点ランキングも2位の驚異的な成績を残している。
後半はウチェ選手を止めることができず、試合の流れを奪われてしまった。だが、当日の試合を解説していた三好南穂アスリートキャスターは、後輩たちが敗れた原因は他にもあると分析した。
この試合でウチェ選手に奪われたのは22点。三好キャスターが「痛かった」と語るのは、他の4選手にも2桁得点を許したことだ。ウチェ選手を気にすることで、他の選手への対応が遅れてしまい、「1歩の遅れが相手のシュートにつながってしまう」と、試合の映像を見ながら解説した。
山本選手は「その選手だけをマークするのか、他の選手を抑えるか、チームのゲームプランをしっかり遂行しなきゃいけない」と振り返った。三好キャスターも「改善に向けてどうしていくかは、もう見えてきていると思う。しっかり準備して来シーズンにつなげてほしい」と期待を込めた。
勝利へのカギを握る「麻衣タイム」
攻撃面では、山本選手が18得点とチームトップで、勝負強さを発揮した。終盤の約2分で次々と得点を重ねたシーンは22:21から。
山本選手が得点力を爆発させる時間帯は通称「山本タイム」と呼ばれており、宮下選手は「リム(山本選手)が好きなようにできるようにスペースを取ったり、スクリーンをかけたり、とりあえずシュートに行けるように」とフォローするそうだ。
三好キャスターは「欲を言うなら、もう少し長い時間やれる力があるので、それを見たかった」と後輩を鼓舞。さらに、山本タイムを「麻衣(マイ)タイム」に変えることを提案した。
山本選手は「勝ちきれなかったのはすごく悔しいので、来年はしっかり勝たせられるように、マイタイムにできるように頑張ります」と活躍を誓った。
チームを助けた宮下希保の成長
宮下選手は、相手からボールを奪うスティールの数が昨季の29回から40回、アシストは58回から83回へと大幅に増えた。チームを助ける細かいプレーは、今回の試合でも数多くみられており、三好キャスターによる詳しいVTR解説は27:46から。
フリーの選手にパスを出したり、味方のスペースを生み出す一瞬の判断について、宮下選手は「相手のどこが強いのか、相手の弱いところをいつも探すようにしていて。トヨタはシューターが多いので、開いたら外にパスということを常に考えてやっています」と話した。
山本選手も「プレッシャーもあったと思うんですけど、オフェンスでもディフェンスでも中心となる動きを作ってくれたので、チームとして助かりました」と宮下選手の成長を称えていた。
来シーズン、パリ大会への意気込み
今シーズンの悔しさが大きいだけに、来季に向けてアンテロープスの想いも強い。宮下選手は「来年こそはスティール王を目指して頑張ります」と宣言していた。
山本選手は、夏のパリ大会での代表入りが有力視されている。「まずはメンバーに選ばれることが最優先ですけど、東京大会(3x3の代表として出場)では結果が出なくて悔しい思いをしたので、パリでは頑張りたいと思います」と意気込みを語った。
視聴者からは「負けは人を強くします」「試合後のステ(昨シーズンまで在籍の馬瓜ステファニー選手)とのハグ映像もジーンときました」といった激励コメントが目立った今回の放送。どんな時でも応援してくれる人たちがいるからこそ、挫折をバネに選手たちは大きく成長できるはずだ!
毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信しているトヨタイムズスポーツ。次回(2024年4月12日)は、女子ソフトボール部を特集する。翌13日にJDリーグの初戦を迎えるレッドテリアーズを、昨年の優勝メンバーである石野江里佳さんが取材。連覇を目指すチームの変化や成長について詳しくお伝えする。ぜひ、お見逃しなく!