トヨタイムズスポーツ
2024.01.24
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WRC現役ドライバー勝田貴元が「若手育成」に取り組むワケ

2024.01.24

全日本ラリーに新設される若手育成カテゴリー『MORIZO Challenge Cup』ここにWRCドライバー勝田貴元選手率いる若手育成チームが参戦!現役ながらチームを立ち上げて、若手育成に取り組む想いを語った。

1月19日のトヨタイムズスポーツは、国内モータースポーツを特集した。スーパーGT、スーパーフォーミュラ、スーパー耐久の予定や新ドライバーを総ざらいした中での注目は、全日本ラリーに新設される若手育成カテゴリー『MORIZO Challenge Cup(モリゾウチャレンジカップ)』。WRCドライバーの勝田貴元選手が立ち上げたチームから昨年のドリフト王者が参戦するなど、バラエティに富んだ若手が参戦する。ドライバーたちがさまざまなカテゴリーに挑んでいく2024年のモータースポーツは、どんなことが起こるか予想不可能だ!

世界で活躍するラリードライバーを育成

大盛況で閉幕した東京オートサロン。TOYOTA GAZOO Racing(TGR)のブースで14日に行われたトークショーは、大きなニュースとなった。WRC(世界ラリー選手権)で活躍できる日本人若手ドライバーの発掘育成を目的に、全日本ラリー選手権のサブカテゴリーとしてMORIZO Challenge Cupが正式発表されたのだ。

ドライバーは原則として25歳以下。ラリー経験者のほか、ジムカーナ、FIA-F4、 eモータースポーツの出身者など7人が既にエントリーしている。

仕掛人であるモリゾウ本人は「スポーツで世界を目指すには、いろんなカテゴリーで導入からステップアップしていくルートを作ることが必要。世界選手権に出ているトヨタが、若手に『まずここに入れば将来行けるよ』と。(勝田)貴元自体がそこでスタートして(WRCの)レギュラーになった以上、次の貴元を増やしていくことこそが、ラリー界の盛り上げになる」と語った。

モリゾウ自ら前説も務めた、オートサロンでの発表は27:18から。

勝田貴元が現役ながら育成を考える理由

この新しい挑戦にいち早く反応したのが貴元選手。自らのチーム「TK motorsport」を設立し、監督として挑む。ドライバーには、昨年のフォーミュラドリフトジャパンの年間王者、KANTA選手を起用した。

貴元選手は「自分のキャリアの後の仕事探しじゃなくて、現役で名前が出ている時に、後輩たちに自分が培ってきたノウハウとかを、走りながら伝えるのはすごく重要。自分がやってきてもらったように、そういった環境を(後輩に)与えられるようにしていきたい」と語る。

今年の全日本ラリーでは、父親の範彦選手がルーキーレーシングから参戦する。「父の世代の重鎮と呼ばれる方々がトップをずっと張っているので、若手がおじさんたちをやっつけてから世代交代をするのが大事」と貴元選手が言うと、範彦選手も「負けてたまるかっていうところも強い。上がってきてくれれば対等に勝負がしたいし、同じ土俵で負けたらやっぱり気持ちいい部分はあるんです」と笑顔を見せた。

ドリフト王者KANTA、全日本ラリーへの抱負

KANTA選手は「全日本ラリーに出るとは思っていなかった。これも運命というか。チャンスをいただけたので、日本のモータースポーツを盛り上げていけたら」と話す。今回見出されたのは、タイトルを獲った昨年の最終戦を番組が特集した際、貴元選手が解説席から観戦していたという縁がある。

ラリーは初心者で、ペースノートの付け方などの基本を学んだ。見据える先は、ドリフトの舞台では負かした同い年のWRC世界王者カッレ・ロバンペラ選手。「難しい道にはなる。可能性がある限りは全力でやっていきたいなと思います」と抱負を語った。

同じくエントリーしている大竹直生選手も“ロバンペラ世代”。TGRのWRCチャレンジプログラム2期生として、フィンランドで修行を積んできた。期待の若手ドライバー2人のインタビューは42:51から。

GTとSFで福住仁嶺&大湯都史樹が新加入

スーパーGT(4月13日開幕)とスーパーフォーミュラ(3月9日開幕)は、昨年にW年間チャンピオンを獲得した宮田莉朋選手が世界に舞台を移し、メーカーを越えたドライバーのシャッフルがあった。両方のカテゴリーでHONDAからTGRチームに移籍したのが、福住仁嶺選手と大湯都史樹選手。20代半ばの2人だ。

「もっと自分を出していきたい」と質問にまじめに答える福住選手は、実家がお寺。長髪が似合っておしゃれな大湯選手は「いろんなクルマの良さを伝えていければ」と話す。見た目も性格も対照的な2人のインタビューは06:30から。

20歳のF2王者がスーパーフォーミュラ参戦

スーパーフォーミュラには2人に加えて、昨年のF2選手権で年間王者に輝いたテオ・プルシェール選手が加入。F1へのステップアップの場になるのか、20歳のドライバーの走りに注目が集まる。

シーズンの終盤は富士と鈴鹿で各2ラウンド。HONDAからF2で2勝の岩佐歩夢選手や、元F1ドライバー野田英樹さんの娘、JUJU選手が参戦するなど、ライバルの動きも気になるところだ。

富士24時間にあの世界王者がやって来る!

ドライバーの顔ぶれを見ているだけでも楽しみなのが、スーパー耐久。プロや社員ドライバー、経営者がそろうルーキーレーシングに、ジュリアーノ・アレジ選手と坪井翔選手が加わる。

東京オートサロンでは、5月25・26日に決勝が行われる富士24時間にスポット参戦するドライバーも明らかに。28号車の大嶋和也選手が「本当に言っちゃっていいですか」とためらいながら発表したのは、WRC王者のカッレ・ロバンペラ選手。会場が驚きに包まれた。

32号車には昨年に続き、TGRワールドラリーチームのヤリ-マティ・ラトバラ代表が参戦予定。さらに「あっと驚くドライバーが1人参加いたします」とモリゾウ選手は話しており、今後も目が離せない。ドライバーたちのトークの模様は16:28から。

視聴者のコメント欄もドライバーや国内外の動向に関する話題で、いつも以上に盛り上がった今回の放送。2024年のモータースポーツは、声援もスタートからフルスロットルだ。

毎週金曜日11:50からYouTubeで生配信してるトヨタイムズスポーツ。次回(2024年1月26日)は、スピードトラックのショートトラックを特集する。細かすぎる解説でおなじみのスケート部の寺尾悟監督をゲストに迎え、全日本選手権で横山大希キャプテンが見せた涙の理由にも迫る。ぜひ、お見逃しなく!

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