男子モーグルの銅メダリストである堀島行真選手がさまざまなスポーツにチャレンジする企画「堀島くん、次、アレやろうよ!」がスタート! 挑戦するのは、トヨタ同期入社で銅メダリストの武藤弘樹選手のアーチェリー。この体験がモーグル競技にどう役立つのか、必見です!!
8月31日に配信されたトヨタイムズ放送部は、男子モーグルの銅メダリスト堀島行真選手がさまざまなスポーツにチャレンジする企画「堀島くん、次、アレやろうよ!」がついに実現! 挑戦する競技は「アーチェリー」ということで、同じく銅メダリストでトヨタ同期入社の武藤弘樹選手が指導した。的のほぼ中央を射(う)たねばならない忖度なしのミッションに挑み、堀島選手が得た収穫、そして結果は?
なお、この日の放送は2日前に発表された「TOKYO A-ARENA PROJECT」のニュースからスタート。男子バスケットボール・アルバルク東京のホームアリーナとして、東京・お台場エリアの青海(メガウェブ跡地)に2025年秋の開業予定。モビリティ技術を活用した多様な観戦体験を提供していくという。
大会では見られないモーグルの超大技を披露
ゲストの堀島行真選手は、北京2022冬季オリンピックで銅メダルを獲得し、閉会式直後の2月21日の放送以来の出演。この夏に取り組んでいる練習や英語学習などの映像を、番組に特別に提供した。
カナダのスキー場での練習では、モーグルの現行のルールでは認められていない縦2回転横1回ひねりのジャンプを披露。この技がもし解禁になっても対応できるようにするための練習だという。大会では見ることのできない、貴重な超大技の映像は必見!
巨大なウォータージャンプ施設で、縦5回転に挑む映像も。回転があと4分の1足りず体を強烈に打ち付けたそうだが、さまざまなトレーニングで得たヒントをモーグル競技に還元していく堀島選手のスタンスを体現している。
これまでにも堀島選手はトランポリン、パルクール、フィギュアスケートなどに挑戦してきた。そこで、自分たちの競技もトレーニングに活かしてほしいと、トヨタアスリートたちが名乗りを挙げ、堀島選手が他の競技にチャレンジする番組企画が実現した。
同期のメダリスト武藤弘樹がコーチに
「堀島くん、次、アレやろうよ!」の記念すべき第1弾はアーチェリー。東京2020オリンピックのアーチェリー団体戦で銅メダルに輝いた武藤弘樹選手は、堀島選手とはトヨタに同期入社。女子バスケットボールの試合を一緒に応援するなど、交流も深い。
堀島選手と森田京之介キャスターがトヨタスポーツセンターの練習場に到着すると、待ち受けていたコーチは、やはり武藤選手だった。実物を見るのも初めてという弓を持った印象を、堀島選手は「重いですね」と一言。武藤選手のものよりも軽い初心者用の弓だったが「持った時点で、僕にはホールドするパワーが足りないなって。もう既にナーバスになっています」と苦笑いしていた。
集中を続けることが求められるアーチェリー
アーチェリーから学べることは、緊張や不安を乗り越えながら集中し続けることだと武藤選手は説明する。アーチェリーという競技は、1本を真ん中に当てて終わりではなく、次も、その次も真ん中に当て続けて、多い時は1日に144本も射つという。
「試合で勝ちたい、いい点を出したいという気持ちと、実際にやれるかどうかという気持ちのコントロール。しかもそれが点数になって現れるところで、自分の感情をコントロールしながらいいプレーをし続けるところを学んでいただけたら」と語る。
堀島選手も「気持ちの練習や集中力はすごく(自分の)ためになる。(北京で滑ったのは)試合で5本。もし114本全部行けたら、5本は楽勝になる(笑)」と納得していた。
ちなみに番組の分析では、武藤選手が競技で70m先の的を狙う感覚は、爪楊枝を3m先の5円玉の穴に通す感覚と近いものとなる。
ゴムパッチンの感覚から、的確な指導で一気に上達
最初のレッスンでは、矢を射るまでの姿勢を、武藤選手が手取り足取り指導した。さすが一流アスリートの堀島選手は飲み込みが早く、構える姿勢も美しい。一方で、弓を引く際の力の入れ具合に戸惑って、「けっこう固いです。なんかこう、バーンっていうゴムパッチンの怖さが」と表現していた。
「そのゴムパッチンみたいなのが矢を飛ばしてくれるんですよね」と武藤選手。立ち位置や射つ際の姿勢などの教え方が理にかなっており、堀島選手は数十分後にはしっかりと矢を射つことができるようになっていた。
実際のアーチェリーの選手たちは、まず弓をちゃんと引けるかどうかの形をじっくりと1カ月以上かけて練習するという。番組ではそのプロセスを一気に短縮して、次は10m先から射つ練習へ。
ほぼ中央に的を射る堀島選手に、視聴者からのコメント欄は「初心者とはいえさすがトップアスリート」と感嘆の声も。その好調ぶりが、武藤選手のアスリート魂に火をつけることになる。
難関ミッションに挑む真剣な眼差しに注目
練習を終え、武藤選手から堀島選手に与えられた最終課題は、10m先から10点満点の的を6本射って、合計55点を獲得すること。最低1本は中央の10点に当てなければならず、大きく外すことは1本も許されないという難しいミッションだ。「厳しいですけど、しっかり集中してやりたい」と堀島選手は気を引き締める。
そして、実技のチャレンジへ。気になる結果については放送の動画を見ていただくとして、注目はいつも穏やかな笑顔の堀島選手が見せる、一流アスリートの真剣な表情。モーグルの競技中はゴーグルに隠されているが、的を狙う全集中の眼差しがカッコイイ!
課題を終えて、射った矢の傾向や改善点などについて武藤選手からアドバイス。堀島選手は「すごく面白い。なかなか見ることができない(気持ち面の)指標を見ることができました」と話していた。
武藤選手もお手本を見せることになり、「間違いなく60点(満点)だとは思いますね」と豪語して、その言葉通り中央へと正確に矢を放ち続けて60点を達成。自分から課したプレッシャーに動じることない集中力に、「刺さってる矢に当てれんじゃね」「武藤さんRPGのパーティに絶対加える!」と視聴者の称賛コメントが相次いだ。
他の分野から学んで自らの専門分野に活かす姿勢に共感
今シーズンもワールドカップや世界選手権で各国を転戦する堀島選手。「一戦一戦気を抜かずにやっていきたい」と抱負を語っており、アーチェリーの経験が集中力を保つヒントになりそうだ。
今回、堀島選手が武藤選手から教わったのは、失敗から積み重ねて修正していくのではなく、自分が成功する理想の形を常に意識することの大切さだという。
「1回失敗したことに対して何か修正しようとすると、『A』が成功で『Aダッシュ』が失敗。その失敗から何かを変えようとしてしまうと、『Aダッシュダッシュ』になってしまうという言い方を(武藤選手は)していて。だから常に、成功する自分の動きをやることが大事だというのを学びました」
森田キャスターも「いろんなところから学ぼうという堀島選手の姿勢は、我々も大変勉強になりますし、これからも応援させていただきたい」と共感。堀島選手のさまざまな試みは、アスリート以外の人々も他分野のことに挑戦しようという気にさせてくれるはず。次のチャレンジをぜひお楽しみに!
ルーキーレーシングとTGRのガチンコ対決の行方は?
番組の最後には、トヨタイムズ放送部が9月2日に生中継する特別企画の告知も行われた。スーパー耐久もてぎ開幕とWEC富士の開催を前に、ROOKIE RacingチームとTOYOTA GAZOO Racingチームのドライバーがレースでガチンコ対決。トヨタイムズならではの勝負の結果を、アーカイブで見ていただきたい。
毎週水曜日11:50からYouTubeで生配信しているレギュラー放送の次回(2022年9月7日)は、車いすテニスの魅力を深掘りする。全米オープン出場を控えた三木拓也選手を取材、スタジオゲストにはチェアスキーの森井大輝選手を迎える予定。ぜひ、お見逃しなく!