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未来はみんなでつくるもの S耐から広がる水素社会 最終戦富士

2024.12.26

水素カローラがスーパー耐久選手権(S耐)で走り始めて3年。水素社会の実現に向け、2024年のS耐最終戦で発表された新たな取り組みとは。

未来のクルマ社会をつくるためのクルマ

このS耐の会場には、水素社会をつくるためのクルマも展示された。それがJAF(一般社団法人 日本自動車連盟)とトヨタ自動車で共同開発をした「次世代ロードサービスカー」だ。

野津真生専務理事(左)と中嶋副社長(右)

今までは水素を燃料とするクルマが街中で水素欠を起こしてしまった場合は、レッカー車に積んで水素ステーションまで運んで給水素するしかなかった。

しかし、CNと水素社会を実現するためには、水素で動くクルマが安全安心に走れる環境をつくっていくことも重要になる。そのために必要なクルマがこの「次世代ロードサービスカー」となる。

このロードサービスカーでは、約100km走行分の水素を充填することができるようになっており、給水素は1分程度、サービス作業全体でも10分程度で完了し、給水素可能な水素を10kg搭載することで、16台分の充填が可能となっている。

さらに、FCEV(燃料電池車)で発電することで、BEVへの充電機能も設定された。50kWの急速充電が可能となっているため、充電は10分程度、作業全体は20分程度で完了し、走行距離にして約50㎞分、19台分の充電ができるという。

この次世代ロードサービスについてJAFの野津真生専務理事はこう説明した。

野津専務理事

CNに向けてBEV、FCEV、こういったクルマの燃料切れに対応して不安をなくすということが大変重要であり、我々ができる使命だと思っています。

給水素できるというのもポイントですが、今回、新たに給電もできるようになったというところが非常に大きいと思っています。

すでに10kWのバッテリーを積んで急速充電をするクルマは何台か導入しておりますが、今回は50kWで5倍の能力があり、続けて何台も給電できるので大変利便性、作業性が高まったと思います。

さらに携行缶による燃料切れへの対応やバッテリーあがり、パンク修理にも対応が可能で、JAFが提供するロードサービスのレッカー移動以外全てのサービスが可能となっているという。

給水素ができるロードサービスカーは、2023年S耐第5戦もてぎで披露されていたが、そのときは、給水素を実施できる場所や離隔距離、運搬に関わる資格の規制などにより、サービスカーは完成しているにも関わらず、実際には路上での給水素サービスを行うことができなかった。

規制柵なしに行われたサービスカーからクラウンのFCEVモデルへの給水素

だが、今回お披露目された進化版のロードサービスカーの一番のポイントは、隔離柵がなくなったことだ。各行政省庁と議論を重ね、規制緩和の道筋が見えてきことで、S耐の会場でもデモンストレーションが行えるようになっていた。

JAF武田高泰ロードサービス部長

このクルマはレッカー作業ができればオールインワンとなります。もてぎのときから高さも変わっています。以前はタンクを縦に搭載していたため、高さが3mあったのですが今は横向きに積んでいるので2.55m以下になりました。

今は、給水素・発電用のタンクと、ロードサービスカーの走行用の水素タンクが分かれていますが、走行用のタンクですべてできるようになれば、今搭載している(給水素・発電用)タンクのスペースがいらなくなるので、レッカー作業もできるようになります。

そうなるといろいろなところで使えるようになるので、次世代が本当に近づいてきていると思います。

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