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ダカールラリー優勝チームインタビュー 「8連覇でもまだ道半ば」

2021.01.19

ダカールラリー市販車部門8連覇! そんなチームの快挙にも、なぜか神妙な顔の三浦昂選手。その意外な理由とは?

チームランドクルーザーにとってのモリゾウ

トヨタイムズ
豊田社長というか…モリゾウも本当にクルマが好きな人ですよね。三浦さんは、3年前、モロッコで一緒に走られていますが、モリゾウさんに対して思うことはありますか?

三浦
モロッコで会う直前までは「“豊田社長”が来る」と思っていたんです。だからすごく緊張したし、失敗しちゃいけないと思っていました。

でも、ランクルの横に乗って、走って、30秒もしないうちに、この方は、きっと「同じテンションでクルマに乗っているんだろう」と感じて、素直にすごくうれしかったんです。

こんなにクルマが好きな人が自分たちのボスでいてくれて、その中でクルマをつくる仕事に携われるのは本当に幸せだなと思い、モリゾウのファンになってしまったというのが正直な感想です。

本当にクルマが好きなのがわかったから、うれしかったし、楽しく走れたのかなと思いました。

多分、他のフランス人メンバーも、それが本当にうれしかったんだと思います。彼らにも確実に伝わっていたと思います。

チーフメカのフィフィ(フィリップ・シャロワ)が、「ボスは本当にラリーが好きで、クルマが好きなんだな」とうれしそうに、そればかり言っていたので。

やっぱりうれしいですよ。僕たち、現場でレースをやっていて。応援してくれているというか、好きでいてくれるのはうれしいです、素直に。

もうひとつの恩返し“メカと共にあがった表彰台”

トヨタイムズ
そういえば、今年の表彰台には、ドライバーとナビゲーターだけでなく、外国人メカニックの人も一人あがっていましたよね?

三浦
彼は僕たち340号車のリーダーメカを務めてくれたペドロ(・アンブロシオ)で、今回の体制だと中武くんのボスになる人です。

毎年チームで、誰に誰をつけると決めているわけではないですが、自分がナビゲーターをやっていた時代からペドロは僕のクルマのリーダーメカをやってくれることが多かったんです。

ドライバーになってからの僕は、フランス人のプロドライバーに比べたら、まだまだ下手くそなので、クルマを壊してしまうことが多くて、ペドロは大変な事ばかりでしたし、優勝ではなく2位の方が多かった。

一緒に競技をやっているので僕には「今年も勝てなかった。ごめんね」という気持ちがあったんですけど、ペドロは「2台でゴールできて最高じゃん!よかったね、おめでとう!」といつも言ってくれてました。

クルマを壊して帰ってきても、「帰ってくれば何とでもなるから、あとは心配せずに寝ろよ」と言ってくれる“かっこいい男”なんです。

でも、彼の気持ちを考えると、競技をやっている以上、「本当は勝ちたい」という想いが絶対にあるんじゃないかと思っていて…。

そういう意味で一緒にやってきたペドロに、一緒に勝ったことを感じてほしいという気持ちがありました。
だから、「ポディウムで共にトロフィーをもらおう!」と誘ったんです。

だけどペドロは登壇直前になって「本当に大丈夫なのか?」とおどおどし始めて、半ば強引に連れて行ったんですけど、今朝、朝食の時に「ありがとう!」と言ってくれたのでよかったなと思っていました。

本当に彼に何度も救われたんですよ。

“12連覇”に向けて

トヨタイムズ
では最後に…、V8は果たしたものの、大ボスであるモリゾウからのミッション「V12」まで、あと4回勝たなければいけません(笑)。過酷な戦いが終わったばかりですが、V12に向けた気持ちをお聞かせください!

三浦
V12という言葉がありましたが、僕はそれがランクルの歴史の一部であってほしいと思います。

もちろん勝つことは毎年チームの目標ではありますが、ダカールラリーは完璧にはいかないんです。

どんなに準備しても、どんなに構えても、どんなにいい条件がそろっても、絶対に予想外が起きる。でも、それを乗り越えることが、ランクルを鍛えることにきっとつながっているはず。

勝ち続けることを目指していかないと、自然から得られるヒントをキャッチできないと思っているんです。

そういう意味で、V12は(ランクルの歴史の)一部であってほしいと思うし、僕はその長い歴史の一部に関わる機会をいただけたので、ランクルをつくる歯車の一つになれたらすごくうれしいなと思います。

それで、ランクルを使ったお客さんが自分にしかないクルマの思い出をつくり、幸せなカーライフを送ってくれたらうれしいので、ランクルのことを知ってほしいし、乗ってみてほしいと思います。

ダカールラリーには日野自動車もレンジャーというトラックで出場し続けている。今回もトラック部門でクラス優勝を果たし12連覇という偉業を成し遂げた。

それがごっちゃになり、豊田社長は8連覇を12連覇と間違えたということである。

しかし、あれだけモータースポーツが大好きで、チームランドクルーザーを応援し続けている豊田社長が、その数字を間違えるだろうか?

「8連覇なんかで満足するなよ!」「ランドクルーザーをもっといいクルマにし続けていってくれよ!」

それを伝えるために、わざとV12と言ったのではないか? トヨタイムズはそのように邪推している。

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