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V8エンジン音が響いた入社式 2,317人が新たな一歩

2026.04.03

エンジン音が響き渡る入社式。トヨタで一歩を踏み出すからこそ、近健太新社長が最初に贈ったメッセージは「誰かのために」という原点だった。

「誰かのために」が生む、モノづくりの喜び

近社長

もっといいクルマをつくり、クルマの未来を変えていく。そして、次の100年につなげていく。そのためには、私たち一人ひとりが自分自身を成長させることが必要です。

私から皆さんへのエールを込めて、豊田章一郎名誉会長の言葉を贈りたいと思います。

「新しいモノをつくるために知恵を絞り、汗をかき、時間を忘れて熱中する。

その瞬間が極めて楽しい。苦心した末にモノができあがったとき、それを誰かが使って、喜んだり、助かったりしたとき、このうえない喜びと感動に包まれる。

だから、もっと勉強し、働いて、もっと良いモノをつくろうと思う」

不安は、向き合おうとしている証

近社長

皆さんはこれから、それぞれの職場で仕事を始めます。

不安を感じている人も多いと思います。それは、とても自然なことです。

不安を感じるのは、真剣に向き合おうとしている証拠です。だから、無理に強く見せる必要はありません。

トヨタには一生懸命がんばる人を助けてくれる職場があります。

皆さんより先に悩み、失敗してきた上司や先輩たちがいます。

一緒に励まし合い、支え合える仲間がいます。

そうした中で、もっと勉強し、働いて、もっともっと自分自身を成長させてほしいと思います。

最後に、もう一つだけ。

私はクルマが大好きです。

皆さんにも、もっとクルマを好きになってほしいと思っています。

ここまで語ると、近社長は突然「中嶋(裕樹)副社長、よろしくお願いします!」と声をかけた。

「クルマを好きになってほしい」。近社長から新入社員へのプレゼントだった。

空気を震わせたエンジン音

近社長に呼ばれた中嶋副社長は、おもむろに演壇に展示されていた「GR GT3」のシートへ。

「準備は良いですか?」近社長の言葉にサムアップで応える。

エンジンが始動した瞬間、会場に重低音が響き渡り、思わず息をのむ新入社員たち。

数十秒間、空気を震わせるようなエンジンの咆哮が場を支配した。

中嶋副社長がエンジンを止めると、近社長は余韻を噛みしめるように「マスタードライバーであるモリゾウの強い想いのもと誕生した新しいレーシングカーです。かっこいいですよね」と、会場を見渡して語りかけた。

近社長

皆さんは今日の私の言葉を覚えていることはないでしょう。でも、この音はずっと覚えていると思います。

これから一緒に頑張っていきましょう!改めて、皆さん入社おめでとう!

新入社員たちにとって、この日の記憶は、どのようなかたちで心に残っていくのだろうか。

「スポーツカーのエンジン音が響く入社式だとは想像していなかった。自動車会社に入社した、という実感が湧き上がってきた」と、熱っぽく語った新入社員。

「ジャパンモビリティショーでセンチュリーを見た時から、『いつかあのクルマに乗ってみたい』と憧れていたが、GT3もかっこいい…。いつか自分も、あのようなクルマに携われるようになりたい」と、興奮を隠せない新入社員。

この日のエンジン音を胸に刻み、新入社員たちはそれぞれの場で、もっといいクルマづくりに取り組んでいく。

「一歩一歩、前へ」 新社長としての初日

この日は、近社長にとっても社長就任の初日。

入社式の後に行われたメディアの囲み取材で、近社長は一つひとつの質問に丁寧に答えた。

近社長

登壇する前は、恐らく新入社員の皆さんは(背後の)スクリーンを見ているだろうから、自分とは目が合わないだろうと思っていましたが、壇上に立つと、皆さんがこちらをしっかり見ていた。私の目に入った限りでは、おそらく緊張もしていたと思いますが、本当に皆さん良い表情をされていた。一生懸命な目でこちらを見ていた。

本当に頼もしい限りだと感じましたし、彼ら、彼女らの視線をしっかり受け止めて、トヨタという場で成長していってもらえるよう、われわれ経営陣も一緒に成長していかなければならない、という責任を感じました。

これからの経営については次のように語った。

近社長

何か遠くを目指すというよりも、今日何ができるか、ということにフォーカスして、出来ることを、1日1日、一歩一歩進んでいくことが大事だと思います。

トヨタの中で、もっといいクルマづくりに関わらない人はいない。(一見、クルマづくりから離れたところにいるように見える)人事や経理も、人材育成や、収益基盤づくりという形でつながっている。

今一度、われわれ全員がもっといいクルマづくりをするんだ、という意識を持つことが重要だと思っています。

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