全国の販売店トップが集う場で、豊田章男会長が語った創業のDNA。90年の節目を迎える代表者会議で再び心を一つにするために呼びかけた。
2月、TOYOTA ARENA TOKYO(江東区)で開催された販売店代表者会議。全国のトヨタ販売店トップら約280人が集い、トヨタの方針や取り組みなどについて認識を合わせた。
同会議は、販売店とメーカーが両輪の関係となり、日本の自動車産業を発展させていく想いを確かめ合う場として毎年実施している。
1936年に第1回が開かれ、2026年は90年目の節目にあたる。
代表者会議の様子はトヨタイムズニュースでも放送しているが、本記事では、特に販売店とメーカーの絆を感じられたシーンを紹介する。
両輪の関係
まずは、佐藤恒治社長のスピーチ。
佐藤社長は、受注制約がある中でもお客様一人ひとりに向き合ってくれている販売店への感謝や、この状況を改善していくことを伝えている。
また、昨年示したブランド再構築について改めてその狙いを説明。特にトヨタの「TO YOU」については、1969年の広告コピー「かけがえのない1台」を示し、「『あなた目掛けてクルマをつくる』私たちも『TO YOU』の想いに向き合って、一緒に動いてまいりましょう」と語りかけた。
そして「最後にもう1つ」と加えた。
佐藤社長
最後にもう1つ。
昨年は私たち一人ひとり、今まで以上に「未来への想い」に向き合った年でした。
販売店契約の締結式では、全地域の代表者の皆様とお話させていただきました。経営者としての皆様の想い、悩み、ご苦労を教えていただきました。そして、お一人お一人の「覚悟」を伺いました。
単なる契約更新ではなく「覚悟」を確かめ合う。販売店契約の重さを、身をもって知りました。
だからこそ自分たちの「覚悟」にも向き合いました。
私たちは未来に何を残せるのか。何度も考えて行きついた答えは1つでした。
販売店とメーカーの「両輪の関係」をしっかり守り育てていくことです。
振り返ると自分自身、クルマの開発を担当していたときは、どこかで「いいクルマをつくれば、お客様は選んでくださる」。そう思っていました。
でも、そんな簡単なものじゃない。
この3年間、販売店の現場を回らせていただくたびに、お客様に向き合うこと、クルマを売ることの厳しさを知りました。
現場の皆さんの懸命な努力に、いかに私たちメーカーが支えられているか。そのことを肌で感じてまいりました。
地元をもっと元気にしたい。そんな皆様の想いも伺ってまいりました。
福島には先頭に立って、水素の未来に挑戦してくださっている姿がありました。能登には復興の力になろうと、歯を食いしばってお客様を支えてくださっている姿がありました。
そして、それぞれの地域で学び合いながら改善活動を進めておられること。昨年、九州と中国・四国の支部会に参加させていただきました。真剣に語り合う皆様を見て、その想いを強く感じました。
私は、こうした販売店の皆様の姿から「町いちばん」の意味を教わりました。
未来のために、この「両輪の関係」をもっともっと強くしていく。そして、メーカーも販売店も現場の仲間たちが、全力でクルマとお客様に向き合える。そんな環境をつくっていくこと。それが、ここにいる私たちの役割であると思っています。
これから先、壁にぶつかることもあるかもしれません。それでも、みんなで「もがき」続ければ、きっと何かが変わります。
お互いにそんな背中を見せられるよう努力したいと思います。
これからも販売店とメーカーの両輪でもっといいクルマをつくる。しっかり売る。そして、ご一緒にクルマの未来を変えてまいりましょう! ご清聴ありがとうございました。
販売店からは、ト販協(トヨタ自動車販売店協会)の金子直幹 理事長(福岡トヨタ代表取締役社長)が登壇。語ったのは昨年感じた2つの悔しさと、それを原動力として新たなモビリティ社会を地域に根付かせていく強い決意だった。