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モリゾウ直撃取材@ラリー北海道 "センチュリーへの想い""セリカ復活?"

2023.09.26

ラリー北海道を生中継したトヨタイムズ。最終日にはモリゾウ(豊田章男会長)がスタジオ出演し、ベストカー元編集長・本郷仁さんによる公開取材が行われた。その模様をお届け!

TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチームのヤリ-マティ・ラトバラ代表が選手として緊急参戦し、圧倒的な強さを見せた全日本ラリー選手権第7戦のラリー北海道。

デモランのドライバーやスタートの旗振り役などを通じて、大会を盛り上げたのはモリゾウ(豊田章男会長)だった。トヨタイムズが行った生放送でも、走行後のラトバラ選手へのインタビュアー兼通訳など、一人で何役もこなしていたのが印象的だ。

最終日の910日、生中継終盤のスタジオに現れたモリゾウ。約75分の出演時間で視聴者が特に注目したのは、ベストカー元編集長の本郷仁さんによる質疑応答。ラリーにとどまらずセンチュリーやセリカの話題など、通常の会見よりも踏み込んだ発言が次々と飛び出した。

トヨタイムズだからこそ実現した、モリゾウへの公開取材の模様をお届けする。

ドライバー目線でラリーを実況解説

この日のモリゾウは午前中、スペシャルステージとしても使われる旧野球場でデモランを披露。

「ラリーの道って、ターマック(舗装路)かグラベルかスノー。だけど、どれにも当てはまらない」と、前日までの雨が残って泥だらけで走った状況を振り返っていた。

デモランには、WRC(世界ラリー選手権)でドライバーズタイトルを4度も獲得したユハ・カンクネンさんも走行。

「ファンの方は全日本のラリーを見ながらも、世界の風みたいなのを感じられたような気がしますね。世界と今見ている差がわかることによって、世界を目指す若者たちがまた増えていくでしょうし。そういう意味では僕らの期待以上に、ラトバラさんはじめ来てもらったのは、今のところ大成功だと思っています」と大会を総括した。

3日前にはトヨタ自動車の公式(旧ツイッター)で、ホンダ車を運転するモリゾウの姿が話題になった。

そのことに触れ、「あれ、バズりましたよ。レンタカーなんですけどね。ステッカー貼っちゃいましたよ。モリゾウステッカー。ちゃんと許しは得たらしいですけど。今後、ホンダのレンタカーでクルマを借りられる方、探してみてください(笑)」と語る。

スペシャルステージが始まると、ドライバー目線で各選手たちの走りを解説。走行前のラトバラ選手が集中を高めるために両手を叩く仕草を説明すると、モリゾウの予告通りの車内映像が再現され、スタジオも沸いた。

【Q1】SUBARUのWRC復帰の動向は?

ここから、モリゾウへの取材経験も豊富な本郷さんによる質問タイム。

視聴者からチャットで寄せられたリクエストを踏まえて、「SUBARUが(WRCに)復帰するんじゃないかという話が。モリゾウさんがFIA(国際自動車連盟)会長とお話しなさったとか、なさらなかったとか、その辺の本音は?」と切り込んだ。

モリゾウが認めたのは、SUBARUの関係者にラリーを見学に来ないかと誘っており、11月のラリージャパンへの来場を約束していること。そして、FIAの会長とも、チームを増やすべきという認識を共有しているということだった。

モリゾウ

事実として、WRCRally1というトップカテゴリーに今3チームなんですね。それぞれが3台持っているとしても、9人しかトップドライバーとコドライバーのシートがないんですよ。

ラリーを持続的かつ継続的にスポーツとして盛り上げていくためには、トップカテゴリーにもうちょっと多くの参加チームがあった方がいいなと。

トヨタも(2017年より)17年ぶりにラリーの世界に復帰しました。17年前のセリカやカローラを覚えていただいている方が多かったがゆえに、17年経った再参戦のときもけっこう導入は温かかったんです。

SUBARU、三菱となると、まだまだファンは多いし、記憶はまだあるんですよ。だから「ちょっとお休みしているんじゃないの」という雰囲気があると思っているんです。

やるかやらないのか最後決めるのは、SUBARUですけど。我々は、競争相手が増えることはウェルカム。

何よりも、お客さん、人材育成とか、今後ラリーを目指す人のシートの数を増やす意味でも大事なことだと思うので。僕は誘い続けます。

【Q2】ル-キーレーシングのメリット

今回の生中継のスタジオが設置されたのは、ルーキーレーシングのトランスポーター内。いわばモリゾウの私物だ。

そこで、ルーキーレーシングを設立した経緯などについて、あらためて質問した。

モリゾウ

ルーキーレーシングは、私が個人のオーナーであるレーシングチーム。プライベーターの部類で、ほとんど借金でやっています。

普通は、私のような立場の人が、会社の資産を使うというのが、皆さんのイメージしている公私混同。

トヨタ自動車ってケチなのか(笑)、(トヨタ自動車が車両を)用意しないから(私のを)使おうよと言ったわけです。これがトヨタ流の公私混同だよねって。逆になるでしょ。

元々は、トヨタの改革の切り込み隊長という意味で、GAZOO Racingを作りました。ところが、だんだん大きくなると、管理者が増えるんですよね。

初めはクルマが好きとかいう中でスタートするんですけど、普通の大企業になるんですよ。それで、GAZOO Racingではできないことが出てきたなっていうことで、ルーキーレーシングを設立しました。

トヨタのワークスじゃないプライベーターだから、できることもあるんです。ルーキーレーシングができる前とできた後では、モリゾウへの情報量が変わったことは確かですよ。

ワークスの親分には言えないけど、プライベーターだったら借金したり、同じ苦労をするじゃないですか。プライベーターの立場で共感できるポジションに立てたということなんですね。

【Q3】新しいセンチュリーへの想い

9月6日に発表された新しいセンチュリーにも、モリゾウは深く関わっている。センチュリーへの想いを聞いた。

モリゾウ

僕にとってセンチュリーは、(故・豊田章一郎)名誉会長のクルマなんです。トヨタのトップになれば乗るクルマですよ。

以前、トヨタ自動車の役員の駐車場は、センチュリーばっかりだったんです。その景色がずいぶん変わっちゃいました。それは、僕が悪影響を及ぼしていた点もあるんじゃないかな。

そういうポジションにもなったのに、違うクルマに乗っていた。そのぶん、アルファードというクルマが、ショーファードリブン(専属の運転手がいるクルマ)としての位置付けを得た。

センチュリーってなかなかモデルチェンジのチャンスもなかったんです。そういう中で、次期モデルチェンジについて相談をしたいって言われたんで。「僕に聞きたいなら、僕が興味を持てるセンチュリーをつくらない?」ということで、今回の形になったんです。

ショーファードリブンで、かつ、トヨタという枠を越えて、日本で一番のプレミアムなクルマ。若い人や、今までセンチュリーに抵抗があった人も乗れるような。それがこの新しいセンチュリーになった気がします。

(自分の立場は)マスターパッセンジャーですよ。私のことをいつも面倒みてくれる運転手さんこそ、マスタードライバー。彼らが運転をする中で、後ろの人が快適だと思う運転操作はどうかを聞きましたね。

また、亡くなった名誉会長から引き継いだセンチュリーも愛知県で乗っていることや、モータースポーツの現場への移動は白いセンチュリーを使うことを明かしたモリゾウ。

11月のラリージャパンに向けて、「現地でお待ちしております。白いセンチュリーがあれば、そこに私がいるということですので」とアピールしていた。

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