2023.05.29
液体水素を燃料にカローラが24時間耐久レースを走る。世界初の挑戦。ここに至る道のりは試行錯誤の連続だった。
過酷なレースを終えたカローラとドライバーのモリゾウを、万雷の拍手が迎える。
2023年5月28日、24時間耐久レース完走―。
世界初の液体水素エンジン車によるレース参戦。途中、水素の汲み上げに使うポンプの交換のための計画的なピットインを挟みながら、モリゾウのほか4人の選手(石浦宏明、佐々木雅弘、小倉康宏、ヤリ-マティ・ラトバラ)で、358周、約1,634キロを走り切った。
奇しくも2年前、気体水素と同じサーキット(富士スピードウェイ、静岡県小山町)、同じ周回数で達成した快挙。
その裏には多くの試行錯誤があった。
トヨタイムズニュースではこれまで、さまざまな車両開発の現場を取材してきた。今回、奮闘を続けてきた開発陣の様子をお届けする。
世界初の挑戦 その軌跡を追った
-253℃という極低温の維持や、ポンプの制御。前例のない挑戦は、困難の連続だった。
3月には、富士スピードウェイでテスト走行中に出火。10日後に出場するはずだった5時間耐久レース(鈴鹿サーキット、三重県鈴鹿市)は断念することに。
開発陣の必死の作業が続く。
それからわずか2カ月、迎えた24時間耐久レース。50キロの軽量化に成功したカローラは、大きなトラブルもなく、サーキットを疾走。メディアからも多くの注目を集めた。
見事完走!メカニック、ドライバー、関わったすべての人たちの笑顔が広がる。
「モータースポーツを起点とした、もっといいクルマづくり」への飽くなき挑戦。その軌跡を、最後までお見逃しなく。
トップ画像:三橋仁明(N-RAK PHOTO AGENCY)