トヨタが新体制で迎える初の入社式で佐藤恒治 新社長が語ったこととは。「クルマ屋」ならではのサプライズも届けられた。
今のトヨタが大切にしていることとは
佐藤社長
改めて今日から、皆さんの“クルマ屋トヨタ”での日々が始まります。私が、まず皆さんに感じてほしいのは「クルマづくりの楽しさ」です。
今ここに、世の中にないものを、自分の手で仲間とともに創る。
何かを生み出すことは、苦しくもあります。それでも、必死に努力した先に、お客様の笑顔がある。それこそがクルマづくりの醍醐味であり、やりがいです。
クルマづくりは、チームプレーです。
クルマを開発する人、工場で生産する人、営業や人事、経理の仕事をする人、そして仲間の命や健康を守る人など、全員が、それぞれの役割でクルマづくりに関わっています。
自分がどの役割で関わっているのかを意識しながら、クルマづくりの楽しさを見つけていってほしいと思います。
トヨタにはクルマづくりのブレない軸があります。「もっといいクルマをつくろうよ」という軸です。
私たちはこの13年間、クルマの素性を徹底的に磨き、こだわってクルマづくりを続けてきました。
「もっといいクルマづくり」にゴールはありません。これからも安全・安心で、運転が楽しいクルマをつくり続けていきたいと思います。
皆さんもたくさんのクルマに触れて、乗って、リアルなクルマが持つ価値を体感して、自分のセンサーを磨いてください。それがクルマづくりを楽しむ第一歩です。
その上で、これから私たちはクルマを通じた「移動の価値」を世の中にお届けする会社「モビリティ・カンパニー」への変革を目指していきます。
地球の未来を思い、誰もが自由に、楽しく、快適に移動できる「未来のモビリティ社会」を実現すること。電動化やコネクティッド、自動運転の技術を使ってクルマが社会システムの重要な一部となり、新しい移動の価値を生み出す挑戦です。
そしてクルマがこれからも必要とされ、社会に認められるものであるためには、カーボンニュートラルという大きなテーマにも挑んでいく必要があります。
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、多様な選択肢をもつモビリティ社会となるよう本気で取り組んでいきます。
モビリティ・カンパニーへの変革の中心には、クルマがあります。クルマを中心に人やモノ、情報、エネルギーなどあらゆるMOVEがつながることで今までにないサービスをお届けできるようになります。
そうやってクルマを進化させた先にこそ、世の中に必要とされる未来のモビリティがある。だからこそ、クルマ屋にしかつくれないモビリティの未来があると私たちは考えています。
そしてこの変革のカギは、多様な価値観から生まれる「未来への活力」であり「イノベーション」です。
今のトヨタは、多様性を大切にしている会社です。
だからこそ皆さんには「新入社員だから」と気後れすることなく、皆さんだから感じること、「自分らしさ」を大事にしてほしいと思います。